大きな政府目指すハリス氏 バイデノミクス踏襲へ

(2024年9月7日)

カマラ・ハリス副大統領は自らを変革候補と位置づけているが、バイデン大統領の経済アジェンダから自らを切り離すことを拒否している。大統領が有権者にひどく不人気であることが証明された「バイデノミクス」を強調したことで、この危険なプランが明らかになった。

By Jeff Mordock – The Washington Times – Tuesday, September 3, 2024

 カマラ・ハリス副大統領は自らを変革の候補と位置づけているが、バイデン大統領の経済政策から離れられないでいる。3日に大統領が「バイデノミクス」を強調する中、この危険なプランが披露されたが、有権者にはひどく不評だった。

 ハリス氏が大統領選挙戦の一環として「新たに進むべき道」を推進するなか、バイデン氏はホワイトハウスで 「アメリカへの投資

」と銘打った一連のイベントを開始した。バイデン氏は、彼の政策から恩恵を受けた市民と話をした。

 「私たちは、この国の歴史上、最も素晴らしい進歩の時期を過ごしてきた。経済危機から、文字通り世界最強の経済になった。記録的な1600万人の新規雇用、記録的な中小企業の成長、記録的な株式市場、記録的な高水準の401(k)、そして賃金の上昇だ」

 しかし、バイデン氏の講演の直後、ダウ平均は600ポイント下落し、9月が始まった。ハイテク企業の多いナスダック総合株価指数は、経済の弱体化に対する懸念から3%以上下落した。

 経済問題はハリス氏にとって最も難しい課題だ。ハリス氏はバイデン氏の経済政策の一部を評価しているが、「もっとやるべきことがある」と認めている。

 先週のCNNのインタビューでは、バイデン氏の経済政策は「並外れた成功」を収めたが、国民は「過去10年のページをめくる」資格があると語った。

 民主党の選挙参謀ブラッド・バノン氏は、バイデノミクスを全面的に取り入れるとハリス氏の選挙戦が不利になる可能性があると指摘。バイデン氏と距離を置くために、経済に関してよりポピュリスト的なスタンスを取るようハリス氏に促した。

 「それは彼女のメッセージを台無しにしかねない。だから『バイデノミクス』という言葉は好きではない。食品価格を引き下げるという彼女の積極的な政策は、バイデン氏が提案したものとは異なるからだ。バイデノミクスについて語ることは、その妨げになる」

 有権者は、バイデン氏が大統領在任中のほとんどの期間、経済への対応について悪い評価を下してきた。インフレが高進し、食料品や日用品の価格上昇が有権者の反感を買う中、経済政策への支持率は2021年以来30%台前とに低迷している。

 バイデン氏の経済政策の一部を自分の手柄とする一方で、他の政策からは距離を置くというハリス氏の二重のメッセージは、世論調査にも反映されている。先月発表されたABCニュース/ワシントン・ポスト/イプソスの世論調査では、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の経済政策を信頼する有権者の方がハリス氏より多いことが明らかになった。また、64%対33%の圧倒的多数が、バイデン氏の経済政策に対するハリス氏の影響力は限定的と考えていることがわかった。

 共和党の選挙参謀ジミー・キーディー氏は、有権者はすでにハリス氏をバイデン氏の経済政策と結びつけていると指摘。2022年6月にバイデン政権下で年率9%に達したインフレについて、有権者は選挙でハリス氏の責任を問うだろうと予測した。

 「(バイデン氏の)失敗した経済政策と悪化するインフレを受け入れることで、ハリス氏はすべての有権者にとって重要な問題、つまり経済と自身とを結びつけた。つい数週間前、株式市場が最悪のパフォーマンスを見せたとき、専門家はわが国の経済が自由落下に陥っていると考えた。選挙に立候補しているものなら、このような経済に自身を関連付けたくはないはずだ」

 民主党の選挙参謀アントジュアン・シーライトは、これを否定。バイデン氏が支持を得られなくても、政権の政策は依然として支持されていると述べた。

 「政策について話すとき、それは誰の政策かで、反応は違ってくる。バイデノミクスという呼び名によって、実際に起こったことへの人々の感じ方が影響を受けることを私たちは見てきた」

 3日、バイデン政権は経済への人々の見方を変えようとしている。

 アラバマ州バーミンガム市長のランドール・ウッドフィン氏は、ホワイトハウスのイベントで演説し、同市の景気回復をバイデン政権のおかげだと評価した。

 「新型コロナのパンデミック前の雇用を1万7000人以上上回った。間違いなく、これはバイデン政権の投資に直接関係している」

 テキサス工科大学のアレックス・ソルター教授(経済学)は、バイデン氏の政策を

「失敗」と呼んだ。ソルター氏によれば、バイデン政権による無駄、規制強化、エネルギー分野での価格つり上げ疑惑などが、インフレ高騰の一因になったという。

 「バイデン政権がインフレの主犯だとは思わないが、乱費でインフレを助けたのは事実だ」

 ハリス氏の経済ビジョンは、バイデン氏の政策を維持し、連邦政府がより積極的な役割を果たすことを求めている。

 住宅コストを抑制するために、初めて住宅を購入する人に2万5000ドルの補助、新生児に6000ドルの給付、食料品の価格統制を行うよう政府に要求している。

 このプランはリベラルな有権者にアピールするだろう。

 バノン氏はこれについて、バイデン氏とは一線を画す提案として歓迎している。

 「私がアドバイスするなら、ハリス氏には、物価の上限を提案したように、規制の枠を超える経済政策を実施してほしい。バイデン大統領よりも経済政策に積極的になる必要がある」

 しかしソルター氏は、物価統制は経済に悲惨な結果をもたらす可能性があると警告した。

 「経済学の新入生なら誰でも、価格統制は店頭での品不足と品質の低下を招くということを知っている。これは経済学の基本であり、現実の世界は教科書通りに動いている。やってはいけないことの上級クラスだ」

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