学歴が投票行動に大きく影響-米大統領選
By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Wednesday, October 23, 2024
ドナルド・トランプ前大統領がホワイトハウスに復帰するかどうかは、大学を卒業していない米国人が決めることになる。投票行動の重要な指標として、学歴が人種や性別に匹敵するようになっているからだ。
数々の世論調査が明らかにしている通り、大学や大学院卒の有権者によるカマラ・ハリス副大統領とトランプ氏への支持率の差は2桁に上る。
一方、高卒以下では、この傾向は逆転する。高卒以下の有権者は、2016年のトランプ氏の勝利を支え、今回も同氏を支持している。
大統領選に勝利できるのは、「学歴格差」を乗り越えられる、あるいは少なくともより多くの有権者を味方につけることのできる候補者となるだろう。
最近の世論調査は、トランプ氏が過去2回の選挙で、特に大学を卒業していない白人有権者から得ていた圧倒的な優位が、わずかに崩れつつあることを示している。トランプ氏は、ネバダ州の接客業の労働者の支持獲得を目指してチップに税金を課さないと約束したり、マクドナルドの厨房でエプロンをつけてフライドポテトをすくったりと、支持基盤の拡大に努めている。
ペンシルベニア州西部の共和党選挙参謀マイケル・オコネル氏は「トランプは明らかに大学を卒業していない有権者層を拡大しようとしている」と指摘、「トランプはエリート層の一員という印象を持たれていない。いつものやり方だが、その手法が功を奏していることも証明されている」と述べた。
一方のハリス氏は、4年制大学の学位は経済的成功の条件ではないと主張し、学歴格差を克服しようとしている。ハリス氏は自身が大統領になれば、連邦政府に、働くあらゆる人々に目を向けるよう指示し、民間部門にも同じことを促すと述べている。
ハリス氏は今週、ペンシルベニア州の有権者に「大卒だけが仕事のスキルや経験を持っているという考えに陥ってはならない」と語り、「4年制大学ではなく、例えば見習いを経てきた熟練した経験豊かな労働者が恩恵を受けられる仕事は何かを考えよう」と呼びかけた。
ハリス氏はまた、トランプ氏のチップ課税撤廃の公約も真似している。
一般的に、投票行動に関しては、人種や性別が他の要因よりも重要視されることが多い。
ハリス氏は、黒人男性が民主党から離れトランプ氏に傾く兆候が見られる中、黒人男性を対象とした政策を提案しようと躍起になっている。
1980年以来、米大統領選挙の投票行動では常に男女差が存在してきたが、今年も民主党を支持する女性は多く、共和党を支持する男性が少ない。
しかしそこに教育水準が、投票の主要な指標として議論されるようになり、際立つようになっている。
10月中旬のクアンタス・インサイツの世論調査によると、大学を卒業していない有権者は52%対46%でトランプ氏寄り、大卒では56%対43%でハリス氏寄りだった。
サフォーク大学が以前行った世論調査では、特に高等教育を受けた有権者(ハリス氏を63%対29%で支持)と職業学校出身者(トランプ氏を63%対25%で支持)の間に顕著な差が見られた。
ピュー研究所による今年初めの分析によると、学士号を持たない有権者の間では、共和党が民主党に対して6ポイントの優位(51%対45%)を保っている。
学士号を持たない人々は有権者の60%を占める一方、学士号以上の学位を持つ人々の間の両党への支持の差はさらに広がり、民主党は13ポイントもリード(55%対42%)している。
アナリストらは「このパターンは比較的最近のものだ。実際、約20年前まで共和党は大学卒業生の間で好調だったが、大学の学位を持たない人々の間では不調だった」と述べている。