「始まったばかり」トランプ政権100日、ミシガン州で集会

(2025年5月1日)

ミシガン州ウォーレンで支持者を集めた集会で演説するトランプ大統領。(AP)

By Kerry Picket and Susan Ferrechio – The Washington Times – Tuesday,

April 29, 2025

 【ウォーレン(ミシガン州)】トランプ大統領は難しいと思われていた2期目を獲得し、支持者を集め最初の集会を開催した。まるで3期目を目指しているようだ。主要な業績を誇示し、壮大な約束をし、彼を阻止しようともくろむ民主党を牽制した。

 激戦州のうちの一つだったミシガン州を訪問したトランプ氏は最初の100日間を振り返り、支持者らを前にこれまでの成果を誇った。

 南部国境で横行する不法移民を迅速に止め、何千人もの不法移民の犯罪者やギャングを強制送還したと自賛した。

 新たな貿易政策によって多くの製造業が米国に戻ってきており、多様性、公平性、包括性に関するウォーク(差別などに敏感な)な政策や規制が商業の妨げになっていると述べた。

 後者については、国のエネルギー生産を復活させ、卵の価格を下げ、プラスチック製ストローの禁止を撤回したことを挙げた。

 「私たちは今夜、わが国の歴史上、どの政権よりも成功した最初の100日間を祝うために、わが国のハートランドにいる」とトランプ氏は語った。

 トランプ氏はこのところの支持率低下にひるむことなく就任100日を祝い、ウォール街を動揺させ、サプライチェーン(供給網)を混乱させる恐れのある関税政策への批判を退けた。

 関税の影響を前向きに捉え、雇用が回復し、米国での製品販売を熱望する国々との貿易合意も進んでいると訴えた。

 「うまくいくと思う。合意が交わされ、公正な取引になる」

 いくつかの世論調査によると、トランプ氏の支持率は低迷しており、多くの有権者がトランプ氏の2期目の勝利に最も貢献したインフレと経済への対応に満足していないことを示している。

 トランプ氏は世論調査を「フェイク」と呼び、世論調査担当者は共和党支持者よりも民主党支持者に多くインタビューを行い、結果を歪めていると述べた。トランプ氏の支持率が44%という世論調査は「実際にはそれほど悪くない」としながらも、実際の支持率は「60%台か70%台」だと主張した。

 トランプ氏は、ガソリン価格の低下、住宅ローン金利の低下、コアインフレと消費者物価の低下をアピールした。

 卵は就任時より45%近く安くなり、何十万もの雇用が創出されたという。

 「これを100日で成し遂げた。しかし、フェイクニュースを見ると、フェイクの世論調査を見ることになる」

 トランプ氏は、チップや残業代、社会保障費への非課税を含む大幅な減税、賃上げ、インフレからの脱却を約束、社会保障とメディケイド(低所得者向け医療保険)は維持すると語った。

 「まだ始まったばかりだ。これからだ」

 トランプ氏は2期目の100日を祝う場として、ミシガン州で最も共和党支持者が多いマコム郡を選んだ。昨年11月の大統領選で、ミシガン州で半ポイント以下の差で勝利した。同州はカマラ・ハリス副大統領に対する勝利に重要な役割を果たした。

 ロバート・カウパーさん(57)は、トランプ氏に会うためにミシガン州イムレイシティから約50キロ)車を走らせた。彼は、たとえトランプ氏の政策が一部の共和党支持者を動揺させたとしても、貿易不均衡を是正するために関税を課し、製造業を米国に回帰させるという決断を含め、選挙公約を守るために積極的に動いていると称賛した。

 「彼は共和党を怖がらせた。民主党を怖がらせ、すべての国を怖がらせた。私は彼がやっていることに賛成だ。そのおかげで、他の国々はわれわれにカネを返し始めている」

 オハイオ州トレドから車で集会に参加したクリスティー・マッキビンさんは、トランプ氏に忠誠を誓っている。すぐに行動し、選挙公約を実行したからだ。1期目もそうだった。

 「私たちが予想した以上のことをやってのけた。良い結果になるかどうか、分からなかったわけではないが、2020年に公約をすべて果たした。だから、よくなっていくことは分かっていた。どんどん良くなっている」

 100日間の政策の中でも特に、貿易赤字を削減し、製造業を米国に回帰させるために発動した関税は、経済を混乱させ、有権者の怒りを買った。

 だがこれによって、通常は民主党を支持し、選挙でトランプ陣営を支持しなかった全米自動車労組と共和党のあるはずのない協力関係が生まれた。自動車労組は、関税によって自動車メーカーが中国やメキシコなど、労働関連法が厳しくなく賃金の安い国から米国に戻ることを期待している。

 「政治家らは何十年にもわたって、(自動車産業の中心地)デトロイトを破壊して北京を築き上げてきた。ついにホワイトハウスに労働者のチャンピオンが誕生した。中国を第一に考えるのではなく、ミシガン州を第一に考え、アメリカを第一に考えている」

 全米自動車労組の組合員であるブライアン・パネベッカーさんも、トランプ氏に声援を送った一人だった。85人の組合員を集会に招待し、トランプ氏とともにステージに上がった。

 パネベッカーさんはワシントン・タイムズに「関税にせよ、移民制度改革にせよ、国境封鎖にせよ、トランプ大統領がやっていることはすべて遅きに失したことであり、彼が大統領に就任したことをうれしく思う」と語った。

 観衆は熱狂的だったが、トランプ氏の政治集会としては小規模なものだった。会場は4000人収容で、会場の約20%がメディア用に確保されていた。

 集会では、大統領選の集会に何度も参加していた人々を登壇させ、エールを送った。そのうちの一人には減量したと褒め、もう一人にはレンガの壁柄のスーツを褒めた。

 「君たちが恋しいよ。選挙戦が恋しいよ」

 トランプ氏は、これまでのほぼすべての集会と同様に、2020年大統領選でのジョセフ・バイデン氏の勝利の正当性に疑問を投げかけ、民主党が選挙で不正を行っていると非難した。民主党を「完全に狂っている」、再び自分を弾劾することに執念を燃やしていると攻撃した。

 民主党について「党としての信頼はもうない。候補者もいない」と語った。

 83歳の社会主義者であり、トランプ氏の第2次政権を激しく非難しているバーナード・サンダース上院議員(バーモント州)については「狂人だ」が「かなり鋭い」と述べた。

「バーニーはおそらく彼らの中で最高だ」

 トランプ氏がミシガン州で最初に訪れたのは、ハリソン・タウンシップにあるセルフリッジ空軍基地で、21機のF15EX戦闘機を新たに追加すると発表した。これにより、同基地は最新鋭の装備で新たな任務を与えられ、閉鎖の危機から救われることになる。

 基地の延命は、民主党のグレッチェン・ウィットマー州知事の最優先課題であり、間接的ではあるがトランプ氏に謝意を伝えるために基地を訪れた。

 ウィットマー氏は、最近ホワイトハウスを訪問した際、基地が閉鎖の危機にあることを伝え、トランプ氏は基地存続のための彼女の努力を称賛した。

 「こんなことをするとは思っていなかった。彼女は民主党員だ。率直に言って、彼女はとてもいい仕事をしている。容易ではなかったが、共和党と協力し、この問題を解決した。グレッチェン、本当にありがとう。よくやった。ありがとう」

 ウォーレンでの集会でトランプ氏は、ミシガン州が自分を当選させ、2期目への道を開いてくれたと評価した。

 また、ミシガン州の自動車産業の復活を約束した。

 「すぐに実現する。私の税制と関税政策は常識的で天才的な政策だ」

 「ミシガン州の自動車ビジネスは、これまで以上に大きく、強く、良くなる。かつてないほどよくなり、閉鎖されることはない」

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