国際


ニジェールでクーデター、米国は周辺地域への影響懸念

(2023年8月1日)
 ニジェールの混乱と政変は、米国の敵対勢力に大きなチャンスを与え、アフリカ全域での米国のテロ対策任務を危うくする可能性がある。首都ニアメーで展開中の軍事クーデターに西側はなす術がなく、バイデン政権には選択肢がほとんどない。
 テキサス州ほどの大きさのアフリカ中央部のこの国は、米国ではあまり知られておらず、政策議論が行われることもない。だが、アフリカ大陸での影響力と同盟国をめぐる大国の戦略では非常に大きな役割を果たしている。選挙で選出されたモハメド・バズム大統領が解任されたとみられ、これが、この地域での米国など西側諸国の利益にならないことは間違いない。 →続き

米インド太平洋軍司令官「中国の台湾侵攻は失敗する」

(2023年7月27日)
 中国による台湾攻撃の脅威が増す中、米インド太平洋軍のジョン・アキリーノ司令官は18日、米軍は中国による台湾への軍事侵攻を阻止する自信があると述べた。
 台湾有事阻止の任務に当たるアキリーノ氏はまた、安全保障に関する会議で、現時点では台湾海峡で戦争が勃発した際に必要なすべての軍備がそろっているわけではないとも語った。 →続き

CIA長官、中国でスパイ一斉摘発認める 一部は処刑も

(2023年7月25日)
 中央情報局(CIA)は、10年以上前に中国で壊滅的な打撃を受けたスパイネットワークの再建に取り組んでいる。バーンズ長官が20日、明らかにした。
 コロラド州で開催された安全保障フォーラムで講演したバーンズ氏は、2010年に始まったと米当局が発表している、中国人などの情報員の喪失について質問され、CIA職員による裏切り行為と秘密通信システムの問題が重なったことが原因であることを明らかにした。 →続き

ペンス氏、ウクライナ支援の継続訴え

(2023年7月20日)
 ペンス前副大統領は、混戦模様の2024年米共和党大統領予備選に割って入ろうとしているが、米国が将来、世界的紛争に軍を派遣しなくて済むようにする一つの方法は、ロシアの侵攻を受けたウクライナへの軍事的・経済的支援を継続することだと主張している。共和党内では、ウクライナ支援への反対が根強い。
 ペンス氏は、伝統的な保守派と、戦争にうんざりしている「米国を再び偉大な国に(MAGA)」運動のメンバーとの橋渡し役となることを目指している。MAGA支持者らは、連邦政府が国内の課題にもっと集中することを求めている。 →続き

NATO・アジア太平洋が同盟強化 中露は反発

(2023年7月18日)
 リトアニアのビリニュスで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、アジア太平洋地域の首脳らが欧州の首脳らと交流するのを見て、米国の戦略家らは祝いの葉巻に火をつけたかもしれない。
 この首脳会議で、ウクライナで起きている戦争やスウェーデンのNATO加盟の行方など、身近な問題にメディアの注目が集まるのは避けられないが、西側の軍事同盟であるNATOの会合に東アジアの主要な民主主義国が参加したことは、ユーラシア大陸の両側の米国と同盟関係にある民主主義諸国が結束を強めていることの表れであり、大きな変化を予感させるものだった。 →続き

安倍氏暗殺1年、受け継がれるレガシー

(2023年7月8日)
 その政策は、時代を先取りしたものであり、激化する米中冷戦の中で地政学的な利益をもたらした。
 安倍晋三元首相が暗殺者の凶弾に倒れてから8日で1年。安倍氏が残したレガシー(遺産)は今後も、この国で長く受け継がれていくだろうということを改めて思い起こさせる。2007年、安倍氏は世界の指導者として初めて、米国、日本、インド、オーストラリアというこの地域の主要民主主義国で構成される緩やかな同盟「クアッド」を正式に提案した。それから16年後、クアッドは、台頭する中国の経済力と軍事的拡張に立ち向かい、東アジアの自由市場と開かれた貿易ルートを守るための多国間の取り組みの先鋒となった。 →続き