タリバン政権強化に力を貸すバイデン・チーム

(2021年9月22日)

Taliban soldiers stand guard in Panjshir province northeastern of Afghanistan, Wednesday, Sept. 8, 2021. (AP Photo/Mohammad Asif Khan)

By THE WASHINGTON TIMES – – Wednesday, September 15, 2021

 

 ANALYSIS/OPINION:それは素晴らしいが、悪魔の仕業のようだ。

 

 狙いやすい宿主に取り付き、その能力を支配し、それから、ほとんど一夜にして、完全な勝利宣言をする。

 

 コロナウイルスの拡散はこのようにして行われる。タリバンは同じような方法で、アフガニスタンの乗っ取りを成功させた。手際は良くないが、ホワイトハウスが敵勢力に手を貸したことが、タリバンの成功に決定的な役割を果たした。悲しいかな、それは、以前にも起きたことがある。

 

 米軍が最後にカブール国際空港から飛び立ってから数週間、バイデン大統領は、遠隔地への20年にわたる関与を突然終わらせることについて、トランプ時代に結ばれた、痛みを伴うが、やむを得ない撤収交渉のためだと弁解してきた。しかしながら、彼は、なぜ、現代の軍隊に装備するのに十分高価で、最新式の軍需資材を残していったのか、一切合理的説明をしていない。

 

 数千台の装甲ハンビー(汎用四輪駆動車)とトラック、数百機の固定翼機とヘリコプター、数十万丁の銃器が、9.11で3000人の無辜(むこ)の民を殺害した、まさにそのテロリストらの親分格であるタリバンの所有物になっている。テロリストらを粉砕するために国を離れて命を危険にさらした米国人らは、今ではなすすべもなく、敵が米軍の制服を着て、米軍の車両に得意げに乗り、一方で希望を失ったアフガン人を支配する光景をテレビで眺めているだけだ。アフガンを離れる米軍は、装備を本国に輸送する手段を持っていなかったならば、代わりにそれらを破壊することはできたはずである。しかし、そうしなかった。

 

 それどころか、バイデン政権は、国境を越えてウズベキスタンに飛んだ米軍機を取り戻そうとしていると伝えられている。それも、タリバンのためにだ。FOXニュースの女性記者ララ・ローガンは、ブラックホーク・ヘリコプター、近接航空支援機A29、情報収集ヘリの返還について、アフガン北方の隣国と交渉中だと報じた。その見返りとして、バイデン・チームは、まだタリバンに捕まっている米国人の解放を勝ち取りたいと思っている。「米国は、米国市民がタリバンの手に落ちるのを喜んでいるように見える。そうなれば、彼らがやろうとしていることが正当化できるからだ」とローガン氏は指摘した。

 

 バイデン氏が、タリバンと新たに宣言された首長国(注)を支援するのを見ていると、オバマ大統領が10年前のいわゆる「アラブの春」の間にイスラムの興隆を促進させようとしたこと、2015年の核合意でイランの影響力を認めたことを彷彿(ほうふつ)させる。米国人はそれ以来、敵対的な政権に擦り寄ろうとし、そこから生じる温かい関係の兆候を見いだそうとしたが、徒労に終わった。

 

 バイデン氏は、陸軍にふさわしい近代的な装備を、敵が好きなように使うように引き渡すことによって、米国ではなく、タリバンの利益になるように計らった。米国の高度な技術が、ロシアや中国やイランなどの敵対国と共有されるようになる可能性があり、あってはならないことだ。さらに悪いことは、新生アフガン首長国に代わって兵器を取り戻そうとする米国の試みである――これは、冷酷にも残留を余儀なくされた米国人の自由を買い取る試みだと説明されている。

 

 コロナウイルスのように、タリバンは、その宿主にウイルスを感染させて、宿主をやっつけた。バイデン大統領は、オバマ氏のように米国の敵対国の強化を助けている

 

 注:タリバンは9月7日、アフガンの暫定政府を発表し、「アフガニスタン・イスラム首長国」の樹立を宣言した。

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