公開処刑と犯罪者の身体切断、タリバンの厳罰統治が再開か

(2021年9月29日)

People look up at a dead body hanged by the Taliban from a crane in the main square of Herat city in western Afghanistan, on Saturday Sept. 29, 2021. (AP Photo)

By Ben Wolfgang -The Washington Times-Sunday, September 26, 2021

 タリバンのソフト路線を期待していた向きには、一気に現実に目覚めさせられることになった。この日曜日、米国の視聴者は、タリバンの指導者が法律違反への警告だと主張する、ヘラート市で血まみれの死体がクレーンに吊られている光景を見せられたからだ。

 地域事情に詳しい専門家によると、このおぞましい映像によって、タリバンの第二次アフガン統治は昔よりも穏健になり、1990年代後半の統治期間を特徴づけたイスラム法の厳格な適用からは距離を置くだろう、とのバイデン政権の期待に水を差すことになりそうだ。

 過去数日間、人権監視団はタリバンが女性の権利に関して大幅に引き締め始めたと警告してきた。タリバン指導者はまた、犯罪者への死刑執行や身体の一部切断を再開することを公に認めた。こうした懲罰はタリバンが20年前に支配した当時の司法制度を特徴づけるものだった。

 米国当局者や外交政策の専門家は、タリバンが結局、厳格な政策を復活させることを懸念していた。それでも大概のオブザーバーは、先月末にアメリカ軍が完全撤退して、タリバンが国の支配権を取り戻した後、時間をかけて移行し、より穏やかな大衆イメージを示すだろうと語っていた。

 しかしヘラート市からの現地情報で、タリバンが誘拐犯として告発された4人の死体を大衆の目に曝したと報告された土曜日遅く、期待は打ち砕かれた。1人の死体は、街の広場に置かれたクレーンからぶら下げられていた。この映像は週末、ソーシャルメディアを通じて拡散された。

 タリバン当局者はショッキングな映像公開を認め、4人の男性は誘拐計画の関連で拘束されていたと説明したが、彼らが誘拐の実行犯かどうかは明らかでない。

 ともあれ一部の専門家は、この残忍な事件はタリバンに関する最悪の懸念を裏付けるものだ、と指摘した。

 「タリバンは本日、ヘラート市で誘拐犯とされる4人を殺害し、同市の雑踏数か所でクレーンを利用した絞首刑を執行した。タリバンが変わった、と主張していた人たちにとって、これは1996年から2001年までタリバンが実行した残虐行為を想起させるものだ。何が変わったというのか?」、アフガン移民相談・支援団体のアブドゥル・ガフール所長は、土曜日遅く、こうツイートした。

 別のツイッターは、パンジシール渓谷に拠点を置いて活動を始めたアフガン抵抗運動を代表していると主張しているが、タリバン式の懲罰で唯一変わった点は、それが大衆の面前で執行されたことだと指摘した。

 「ソーシャルメディアで目にしているのは、タリバンによる犯罪行為の二割にすぎない。それらは公の場で実行することで、人々に恐怖心を与えるプログラムの一環だ。旧アフガン政府の役人と、反タリバンの連中を殺害するのが残りの八割だ。パンジシールは真夜中に目を覚まさせられた!」、パンジシール渓谷のツイッター投稿者はそう書いた。

 こうした展開により、タリバンがより近代的で融通の利く政府に進化することを想定していたバイデン政権は、そうした望みを排除することになりそうだ。先月、バイデン大統領の命令でアフガニスタンからの米軍撤退が明らかにされたとき、ホワイトハウス高官たちは、タリバン新世代がどのような性格になるか明らかではない、と言い続けていた。

 ホワイトハウスのジェン・サキ報道官も8月の時点で記者団に対し、「タリバンは国際社会でどのような役割を演じたいのかを判断しなければならない」と語っていた。

 タリバン指導者たちは過去2年続いた米国との交渉中、彼らがアフガニスタンに権力復帰してできる政権は、1990年代の残忍なイスラム統治とは異なるだろう、と語っていたものだ。

 その当時の政府とは、2001年9月11日の事件後に、米国がアルカイダを打倒すべくアフガニスタンに侵攻して倒されたものだ。タリバン政府は、オサマ・ビンラーディン率いるテログループのアルカイダに隠れ家と作戦拠点を与えていたからだ。

 タリバン指導者たちは交渉中、女性は自分たちの権利を保持し、学校にも通える、と約束していた。しかし、その約束はすでに破られた。先週遅く「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」とサンノゼ州立大学の人権研究所は共同声明を発表し、アフガン全土、特にヘラート市でのタリバンによる女性の扱いを非難した。

 「2021年8月12日にヘラート市を抑えて以来、タリバンは知名度の高い女性を探しだし、自宅からの移動の自由を否定し、衣服規則を強制し、雇用と教育へのアクセスを大幅に制限し、非暴力集会への参加の権利を制限するなど、女性と少女に恐怖を植え付けている」、複数の人権監視団体はこう指摘した。

 「ヘラート市をタリバンが支配下に置いた日、女性たちの生活は完全に混乱させられた。タリバン政府に対する正式承認の可能性を吟味している米国その他の国々の政府にとって、女性の権利尊重は重要な要素のひとつだ。今週末までにヘラートで起きた事態は、そうした承認の可能性をはるかに少なくするものだ。

 一方でタリバン当局者は、犯罪者の死刑執行と手の切断を再開することを誇らしげに宣言した。そしてサッカー競技場など公共エリアでの懲罰執行は避けるとしても、非公開で実行することを示唆した。

 「外国の連中は、競技場で懲罰執行をしたことについて我々を批判した。しかし我々は彼らの法律や懲罰に関して是非を論じたことは全くない」、タリバン最高幹部の一人、ムッラ・ヌールディン・トゥラビ氏は先週、米国のAP通信に語っている。「我々の適用する法律について誰かに教えてもらう必要はない。我々はイスラムを遵守し、コーランに基づく法律を制定するまでだ。」

 バイデン政権はタリバンの姿勢を批判した。国務省のネッド・プライス報道官は金曜日、記者団に対して「我々はアフガン人の身体切断と処刑を復活させた、という報告を厳重に非難する」と述べた。「タリバンの主張する行為は明らかに重大な人権侵害を構成するものであり、我々は国際社会と協力して、こうした虐待行為の加害者に責任を負わせるだろう。」

2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
2024年8月4日、ウクライナ国内の非公開の場所に設置されたパトリオット防空ミサイルシステムの上空を、ウクライナ空軍のF-16戦闘機が飛行している。(AP通信/エフレム・ルカツキー撮影、資料写真)

トランプ氏、ウクライナが「パトリオット」製造 専門家は生産開始に数年

(2026年07月12日)
2024年7月3日、カザフスタンのアスタナで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の傍らで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席が握手を交わした。(セルゲイ・グネーエフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

中国企業、ロシア占領下のウクライナに進出 経済的影響力を拡大

(2026年07月11日)
ウクライナの無人システム部隊K-2旅団の兵士が、2026年6月22日(月)、ウクライナのドネツク州前線で、ロシア軍陣地に向けて飛行する前に、中距離ドローンを離陸地点で運んでいる。(AP通信/エフゲニー・マロレトカ)

ウクライナ防衛産業、実戦経験生かし欧州との連携を深化

(2026年07月10日)
2021年9月21日、ニューヨークで開催された第76回国連総会の期間中、総会議場内から見た国連本部ビル。(エドゥアルド・ムニョス/AP通信提供)

中国「民族団結法」施行に抗議、チベット人が米で焼身自殺

(2026年07月07日)
→その他のニュース