主流派プロテスタント教会の牧師の半数が退職を検討

(2021年11月21日)

説教壇から見た教会の風景。(Photo credit: Chadd Balfour/Shutterstock)

By Mark A. Kellner – The Washington Times – Tuesday, November 16, 2021

 

 米国のプロテスタント教会では、多くの牧師が新型コロナウイルス・パンデミックや精神的疲労、孤立感などを理由に退職を考えている。16日に公表された調査結果で明らかになった。

 

 福音派キリスト教系の調査会社「バーナ・グループ」によると、プロテスタント牧師の約38%は仕事がストレスになっており、常勤の牧師を辞めることを「真剣に検討している」と答えた。この数字は、29%が牧師を辞めることを真剣に検討していると回答した昨年1月と比べ、大幅に増加した。

 

 主流派プロテスタント教会では、退職を検討している牧師の割合が51%に上った。主流派に含まれるのは、米国バプテスト同盟やディサイプルス、米国聖公会、米国福音ルター派教会、プレスビテリアン教会、キリスト連合教会、合同メソジスト教会などだ。

 

 「パンデミックに加え、激しい内部対立や財政難が牧師たちに深刻な精神的負担をもたらし、牧師を辞めることを真剣に考えるところまで追い込んでいる」。バーナ・グループのデービッド・キナマン会長は、声明でこう指摘した。

 

 パンデミックによって難しい状況にさらにストレスが増えた、と語るのは、「クリスチャン・センチュリー」誌の編集者、ピーター・マーティー師だ。

 

 「組織的教会はパンデミック以前から大きな変化に直面していた」。アイオワ州ダベンポートのセントポール・ルター派教会で上級牧師を務めるマーティー師はこう述べた。「だが、パンデミックにより全く新たなストレスがもたらされた。当初は対面の牧師の仕事に魅力を感じていた多くの牧師たちが突如、オンラインコンテンツの制作者や動画プロデューサーになることを余儀なくされ、その新たな役割がもたらす孤立状態に適応できなかった」

 

 ナザレン教会の牧師で、ボストン大学神学校副学務長のブライアン・ストーン師によると、信者たちの「消費者」の態度が教会内の関係を難しくしているという。

 

 「教会が消費者文化の一部になってしまい、教会も期待から逃れることができなくなったと思う」。ストーン師は電話インタビューでこう語った。「人々は消費者のように扱われることを期待して教会に来る。消費者を満足させれば、その教会は勝利し、拡大する」

 

 米国カトリック大学実務准教授のスティーブン・ロゼッティ神父は、今年行った調査で、米国ローマ・カトリック教会で退職を考えている聖職者は3%だと報告した。

 

 ロゼッティ神父によると、「全般的に聖職者であることに幸せ」という記述に94%が「強く同意、または同意する」と回答した。「最初からやり直すことになっても、聖職者になる」という記述には88%が同意、または強く同意した。

 

 イスラム教のモスク(礼拝所)の風潮を調査しているイフサーン・バグビー・ケンタッキー大学准教授(アラブ・イスラム研究)は、ワシントン・タイムズ紙の取材に、昨年実施した調査では聖職者を辞めることを考えているかという具体的な質問はしなかったと語った。

 だが、「イマーム(イスラム指導者)の間で不満があることはよく知られている」とバグビー氏。「米国生まれで伝統的な教育を受けたイマームの何人かが辞めたことを私は知っている」

 

 バーナ・グループのキナマン氏は、新型コロナ禍のプレッシャーが教会を含め多くのサービス分野の人々に負担をもたらしたと指摘。同氏は、パンデミックによって、「あらゆる人々が意義ある人生に値するものは何かを深く見詰めるようになった」と語った。

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