米金融大手の年金基金対中投資に10州が見直し要求

(2021年12月10日)

2021年11月4日(木)、ニューヨークのブラックロック本社前で、全米鉱山労組の組合員と支持者がデモを行っている。ブラックロックは、労働者に公正な賃金、手頃な価格の医療、合理的な休息と休暇を提供する契約を求めて、組合員が約8カ月間ストライキを続けているウォリアー・メット・コール社の最大の株主。(AP Photo/Mary Altaffer)

By James Varney – The Washington Times – Friday, December 3, 2021

 コンシューマーズ・リサーチは今週、10州の知事に書簡を送り、金融大手のブラックロックが中国共産党と関係していることに抗議するキャンペーンを行っていることから、ブラックロックに投資している州の年金基金を厳しく見直すよう求めた。

 コンシューマーズ・リサーチが公開情報を引用して発表したところによると、この10州の年金投資額は670億ドル近くに上る。

 ウィル・ヒルド社長は、ワシントン・タイムズ紙に「ブラックロックが米国企業よりも中国企業を優遇することで生じるリスクを真剣に受け止めてほしい。これらの年金投資は、国家安全保障や地政学的な圧力によって大きな損失に直面する可能性があり、また、一転して自国の利益に反して利用される可能性もある」と述べた。

 この書簡は、保守派団体が今年から始めたキャンペーンの一環で、ウォール街の巨大企業ブラックロックとそのCEO、ラリー・フィンク氏が、中国共産党の幹部や彼らが支配する巨大経済とあまりにも密接な関係にあると非難している。

 中国は、米国に次ぐ世界第2位の経済大国だ。

 運用資産額で世界最大の投資会社であるブラックロックに、この書簡についてのコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 コンシューマーズ・リサーチ社が引用した年金額は、公開されている情報から得られたものであり、ブラックロック社が運用しているすべての州の年金額を表しているわけではないと、ヒルド氏は述べている。

 知事が書簡を受け取った10州のうち、上位はワシントン州の130億ドルとフロリダ州の107億ドル。ウェストバージニア州はブラックロックが運用する州の年金資金が21億ドルで、10州の中で最も規模が小さかった。

 書簡では、中国と米国の利益が必ずしも一致しない世界で、中国共産党の承認を得なければ活動できない中国企業への米国の投資は問題となる可能性があるという懸念が高まっていることを挙げている。

 注意が呼びかけられているのは同社の「ブラックロック・ラブズ・チャイナ」キャンペーンだけではない。

 11月には、米議会に設置されている米中経済安全保障検討委員会が、米国の投資家が中国に対して取っていると思われる自由放任主義的な態度を厳しく批判する年次報告書を発表し、経済関係をより詳細に調査するよう勧告した。

 報告書は「このアイデンティティーと主権の衝突には、米国とそのパートナー、友好国、同盟国の安全と安心がかかっている。中国共産党は、何十億人もの人々の安全と繁栄の基盤となってきた経済的・政治的自由を終わらせようとする、長期的かつ重大で脅威的な敵だ」と述べている。

 著名な左派の人物でさえ、北京とブラックロックの関係が深まっていることに警鐘を鳴らしており、投資家のジョージ・ソロス氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙でこの状況を非難した。

 ソロス氏は書簡で「ブラックロックの中国市場に対する臆面もない熱意は、中国が世界での地位を高め、権威主義的な政府モデルを持ち、米国に取って代わろうとしていることへの懸念に反している。両党の政権は、中国共産党がもたらす大きなリスクを理解するようになり、中国の平和的な台頭を促進するというこれまでの政策から脱却して、米国が競合すべき戦略的なライバルと考えるようになっている」と述べている。

 コンシューマーズ・リサーチは、ブラックロックと中国との関係を強調した「コンシューマーズ・ウォーニング」を2日に発表し、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、オクラホマ州、モンタナ州、サウスカロライナ州、ネバダ州、ネブラスカ州など10州を対象としたデジタル広告を発表した。

 「ブラックロックは、勤勉な米国民が提供した投資を、中国共産党と直接結びついた企業を支援するために故意に使用している。国民の退職金で行われたこれらの投資は、中国経済を強化し、中国軍を強化している」

 3日、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和)の事務所は、「予備的な声明」とを発表し、この問題を調査中であると述べた。

 デサンティス氏は声明で、「中国共産党の利益を促進する可能性のある投資に関して、コンシューマーズ・リサーチが提起した懸念を理解している。これらの問題に関して、すべての機関投資家は、そのような投資を特定し、適切に制限する独自の資格を持つ財務省外国資産管理局(OFAC)などの米機関が公布する明確で一貫性のあるガイダンスから恩恵を受けると考えている」としている。

 デサンティス氏は「中国共産党政権を強く批判」しており、同氏の事務所はフロリダ州の年金ポートフォリオを見直す予定だ。

 声明は「現在、FRS(フロリダ・リタイアメント・システム)年金の中国企業へのエクスポージャーは、ファンド全体の3%未満であり、市場価値に対する割合でも3%未満。これらの投資は、関連するすべてのリスクが考慮され、中華人民共和国の特定の企業からの脅威に関連する連邦大統領命令を含む、すべての適用法と投資制限に従うように設計されたプロセスに従って、民間の第三者資産管理者によって選択されている」としている。

 この問題に慎重に取り組むという保守系議員もいる。オクラホマ州財務長官候補のトッド・ラス州下院議員(共和)は、現代の国際市場は複雑であり、州の年金投資を切り離すのは難しいのではないかと指摘した。

 ラス氏は、「確かに懸念は理解できる。しかし、あれだけの規模の持ち株会社であれば、世界市場があるため、誰からも何かを預かることになるだろう」と述べている。

 オクラホマ州は、ブラックロックが運用していると報告されている58億ドルの州年金を保有しており、グループのリストでは7位だった。

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