米国・民主党、中間選挙のジンクスを破れるか、過半数維持に思案中

(2022年2月4日)

2022年1月20日(木)、ワシントンの国会議事堂で行われた週間記者会見で話すカリフォルニア州のナンシー・ペロシ下院議長。(Rod Lamkey/Pool via AP)

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Monday, January 31, 2022

 合衆国議会の下院で、民主党は戦わずして過半数を放棄するつもりはない。今年の中間選挙について自信満々の共和党の鼻を明かす三つの戦略を仕掛けている。

 その戦略とは、民主党の業績が有権者をどれほど助けてきたかを詳しく説明すること、それに比べて共和党がドナルド・トランプ前大統領に執心し、同氏の「盗まれた大統領選挙」という主張に取りつかれて国政の妨害者になっている、と印象付けること、投票日までにコロナ感染の減少を期待しつつ、感染との戦いを倍加すること、この三点だ。

 バイデン大統領が「共和党はいったい何のために存在しているのか?」と、再三問いかけているのも、共和党の妨害姿勢を露わにしようとする民主党の意図を表している。

 大統領および民主党議員たちは、彼らが提出した1.75兆ドルの歳入・歳出計画に対し、共和党が一向に否定的な態度を変えないことにイライラを募らせている。バイデン大統領が選挙中主張したような、党派政治による政治の停滞と両党間の壁を乗り越えて仕事をしてみせる、との公約をなし崩しにしかねない。

 民主党としては、社会福祉と気候変動対策を目指す巨額の歳出計画を議会通過させることを諦めていないが、一方で昨年制定された1.9兆ドルのCOVID-19関連の救済パッケージと、超党派の1.2兆ドルのインフラ関連の歳出を進める態勢を整えている。

 いずれにせよ、民主党は自信満々のイメージを打ち出そうとしている。彼らに言わせれば、選挙というものはコントラストの勝負であり、両党間のコントラストは際立っている。

 民主党インサイダーによれば、彼らのメッセージはパワフルだ。何と言ってもバイデン大統領は、トランプ前大統領が官邸を去る直前の2021年1月6日に、国民を分裂させ、民主主義に対する反乱を煽ったことによって混乱した国家を立て直したのだ。

 「過去一年間に下院が民主党優位で運営されたおかげで、米国民にコロナワクチンを注射し、財布を潤し、子供たちを安全な学校に送り届け、崩壊しつつある米国のインフラを再建するために『数十年に一度』の大規模投資を企て、米国史上最高の雇用創出をもたらした」、ナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州、民主党)の報道担当、ヘンリー・コネリー氏は語った。 「その間に下院の共和党がやってきたことは、反対票を投じたはずのインフラ投資を評価してみたり、コロナ大感染の最中に警官・消防士・医療従事者が失職しないようにする米国救助計画に反対したり、大感染を助長する反ワクチン偽情報を広めるなど、次々と不利な足跡に苦しめられているではないか。」

 ペロシ議長は、民主党の過半数が僅差であり、政権党でない側の党を中間選挙が支持するという過去の傾向にもかかわらず、次の中間選挙で下院支配を維持することに「非常に自信を持っている」と述べた。ペロシ議長(81歳)本人も先週、再選を目指して出馬することを発表するなど自信を示した。

 バイデン大統領と合衆国議会の民主党員には自慢できる実績がある。全国失業率は6.4%から3.9%に低下し、昨年の雇用数は600万人を超え、これは1940年から過去最大の増加率だ。

 民主党はトランプ氏の長い影が、民主党を後押ししてくれると踏んでいる。昨年1月6日の合衆国議事堂攻撃に関する下院特別委員会が、前大統領と、同氏を支援する共和党員にさらなる泥をかぶらせると期待しているからだ。

 下院多数派を率いるステニー・H・ホイヤー議員(メリーランド州、民主党)は先週、民主党が「ビルドバック・ベター法」として知られる巨額の歳出法案を、スリム化した形で可決させることを期待していると語った。同議員は、中間選挙前にコロナ危機が薄れれば、民主党はもっと優勢になろう、と述べた。

 「我々は経済が回復し、インフレが下降する局面を迎えると読んでいる。米国民は自らと家族、子供たちや両親、さらに経済とビジネスを助けてくれる特別立法が可決されていくのを目撃するだろう」、ホイヤー議員は「ポリティコ・プレイブック」との実況インタビューで語っている。

 「その流れで今から数か月から1年以内に、国民はこう言い合っているはずだ、『民主党は完ぺきだったか?完ぺきとは言えないが、いい仕事をしてくれた、とても良い仕事をした。トランプ大統領の下の共和党より、はるかに多くの業績を残してくれた』。」(ホイヤー議員)

 昨年初夏の短い期間、バイデン政権はCOVID-19を制御したかに見えた。米国市民はほぼ通常の暮らしに戻っていた。しかし、それは束の間のことだった。コロナウイルスのデルタ変異株が大混乱を引き起こしたからだ。その後、バイデン大統領の政治的運勢は下降して、感染疲れに苦しむ有権者から、さらに多くの死者を出し、欲求不満を増大させることになったからだ。

 アフガニスタンから米軍が混沌状態の中で撤退したことは、バイデン大統領の悩みを増し加えた。

 先週発表のピュー研究所の意識調査によると、バイデン大統領の仕事ぶりを「是」としているのは、有権者の41%に留まる。民主党内でのバイデン氏に対する支持も9月から下降した。

 一方の共和党は、政治ニュース・世論調査データ収集サイトである「リアル・クリア・ポリティクス」の最新調査では、全般的な支持率で3ポイント、民主党を上回っている。

 また合衆国下院では民主党議員の29人が、引退するか、他の選良としての人生を求めている。

 「共和党は有権者にとって最も重要な問題である経済再建、犯罪抑制、国境確保などで、有利な立場だ」、下院・共和党の広報部門、全国共和党キャンペーン委員会の報道担当、マイケル・マカダムス氏は指摘する、 「民主党は今度の中間選挙で、引退するか敗北するかの選択になるだろう。」

 今週、議会勤続32年の大ベテラン、ジム・クーパー議員(テネシー州、民主党)が引退を表明して、地元の民主党に衝撃を与えた。しかもそれは、同議員の選挙区が共和党に引っ繰り返された直後のことだった。

 こうした構図は、2018年の中間選挙の年の出来事をポジ・ネガ反転させているようだ。当時の共和党は引退議員が続出し困惑状態にあった。それでも議会での成果、中でも2017年減税が有権者の共感を呼んで、共和党の過半数を支えてくれると期待していたからだ。

 ところがトランプ候補は、その攻撃的な政治スタイルと、「アメリカ・ファースト」のメッセージで、民主党の団結を助長してしまった。その後、民主党は健康保険政策でのメッセージを訴え続けて、結局40議席を獲得した。その後の8年間を少数派で耐え、遂に下院の支配権を獲得したのだ。

 しかし2020年に共和党は、大方の期待を裏切るように、民主党の過半数を削ぎ落した。なお次の中間選挙で共和党が下院を牛耳るには、5議席の純増を必要としている。

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