学校での「LGBT教育」禁止法案めぐりフロリダ州で激論

(2022年2月27日)

青空をバックに揺れるトランスジェンダーの旗。Photo credit: Savvapanf Photo via Shutterstock.

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Tuesday, February 22, 2022

 米フロリダ州議会は22日、学校が幼い生徒たちに性的指向や性自認について教えることを禁止する法案をめぐり、感情的な議論を繰り広げた。

 反対派はこの法案を「ゲイと言うな」法案と呼び、LGBTの生徒にとって有益なジェンダーや性的アイデンティティーに関する議論を教室で行うのを抑え込むものだと主張している。

 この法案は、幼稚園から小学3年生まで、あるいはその他の学年において、学校が性的指向や性自認について、「州の基準に照らして年齢にそぐわない、または発達上適切でない方法」で教えることを禁止するものだ。

 賛成派によると、この法案は子供の福祉や教育方法に関し、親の権利を強化し、年齢に適した内容のみが教えられることを保証するものだという。

 法案の提出者の一人である共和党のジョー・ハーディング州下院議員は、下院での討論で、「この法案が特に取り上げている問題は、幼稚園から小学3年生、5歳から9歳までの子供たちにとって、教室での指導の一部ではなく、家庭で行った方が良い議論があるということだ」と述べた。

 ゲイであることを公言している民主党のギラーモ・スミス下院議員は、ハーディング氏に「私のような人間に関する会話のどこが年齢にそぐわないのか」と問い掛け、法案を感情的に非難した。

 スミス氏は、声を荒らげて「この法案は極めて個人的なものだ」と付け加え、法案を「有害、同性愛嫌悪、トランスジェンダー嫌悪」と呼んだ。

 共和党のロン・デサンティス知事は、法案への署名を確約はしていないものの、支持を表明している。

 フロリダ州は、共和党主導の政府が公立学校で性的指向や性自認について教えることに制限を設けた、または検討している幾つかの州の一つだ。

 テネシー州のビル・リー知事は5月、学校が性的指向や性自認のカリキュラムを教える前に、保護者の許可を必要とする法案に署名した。

 バイデン政権は今月、フロリダ州の法案をめぐる議論に加わった。声明はこの法案について、「最も支援を必要とする子供たち、つまり、自分らしくあるだけですでにいじめや暴力を受けやすいLGBTの生徒を標的にして攻撃するものだ」と主張した。

 バイデン大統領は、ゲイであることを公言する初の閣僚として、ピート・ブティジェッジ運輸長官を起用した。

 ハーディング氏と共和党の共同提案者がこの法案を提出したのは、学校の性教育が性的指向や性自認に関する内容に一段と傾斜し、場合によっては非常に幼い生徒にも教えられていることに親が怒っているためだ。

 この法案では、子供の精神的、身体的健康に重大な変化があった場合、学校は保護者に知らせることを義務付ける。また、学校側がそのような変化を保護者に注意喚起しない、あるいは学校側が生徒に提供し始めた新しいサービスを知らせなかった場合、保護者が学校を訴える道も開かれる。

 全米の親たちは、生徒たち、特に幼い子供たちを性教育や性自認に関する議論にさらす公立学校のカリキュラムに反発し始めている。また、学校関係者が性自認の変化に関わる子供との話し合いを知らせなかったことに不満を示す親もいる。

 ハーディング氏は、法案について、子供の教育を監督する親の権利を強化するものだと述べた。

 「現実的に、重要な決定には学区内だけでなく、親が関与する必要がある」と、ハーディング氏は述べた。

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