ウクライナ経由のロシア産燃料輸出、依然止まらず

(2022年4月24日)

2014年7月26日、ウクライナ東部ルハンスク州リシチャンスク市付近のひまわり畑に立ち昇る製油所からの煙。ロシアのウクライナ戦争とそれが引き起こす大規模な供給障害により、穀物や植物油などの食料品の価格が先月、過去最高水準に達したと国連が2022年4月8日(金)に発表した。(AP写真/Dmitry Lovetsky)

By Joseph Clark – The Washington Times – Tuesday, April 19, 2022

 ロシアによる侵攻から2カ月近くがたち、ウクライナは、依然としてロシア原油に依存する西欧のために奮闘している。

 西側各国はロシアへのエネルギー依存を絶とうとしているが、ウクライナは依然、国内のパイプライン網を通じて欧州連合(EU)へのロシアの天然ガスの3分の1近くを供給しており、自国を危険にさらしながら、国内の設備を維持し、敵国経済を支援する結果となっている。

 ウクライナの国営ガス会社、ナフトガスのユリー・ビトレンコ最高経営責任者(CEO)はワシントン・タイムズとのインタビューで、「ウクライナ国内でも説明するのは非常に難しい。戦争が始まってほぼ2カ月、ロシアは民間人を殺害し、その恐ろしい様子が報じられ、その一方で、私たちはロシアのガスを送り続けている」と述べた。

 ウクライナは、2014年のロシアによるクリミア併合を受けて、ロシアからのエネルギー輸入を停止した。しかし、ナフトガスは、自国のパイプライン網を通じてロシアが輸出するガスを送り続け、通過する原油とガスから通行料を得ている。

 ビトレンコ氏は、通行料が失われることになるにもかかわらず、欧州各国にロシアのエネルギーへの依存を減らすよう求めている。欧州がロシアへのガスに依存することで、プーチン大統領が世界に対する大きな影響力を獲得しているという指摘は多い。

 「プーチン氏がエネルギー輸出から利益を得ることを止められるのなら、通行料をすべて失ってもまったく構わない。エネルギー輸出はロシアにとって最大の収入源であり、プーチン氏は殺人マシンの資金をそこから得ている。ロシアのエネルギーの禁輸が非常に重要なのはそのためだ」

 EUは、天然ガスの約40%、原油の約25%をロシアから輸入している。世界は、ロシアの残忍なウクライナ侵攻を目の当たりにし、EU各国は、ロシアからのエネルギー輸入を徐々に減少させることを決めているが、EUに現実的な代替策はなく、完全な依存脱却には数年かかる可能性がある。

 米国は侵攻を受けて、ロシア原油の輸入を禁止した。バイデン米大統領とEUのフォンデアライエン欧州委員長は先月、「EUのエネルギー安全保障問題に直ちに取り組み、クリーンエネルギーへの移行を加速させる」ことを約束した。

 その一環としてEUは、2020年代の終わりまでにロシアからのエネルギー輸入をゼロにすることを計画、米国に液化天然ガス(LNG)の輸出増による支援を求めている。

 しかし、米国からの輸出だけでは、米国よりも大幅に高騰している欧州のエネルギー価格への影響は限定的となる可能性がある。

 アナリストらは、米国のLNG生産企業の生産能力はすでに最大に達しており、新たに掘削を開始して、実際に影響が及ぶほど増産し、輸出許可を得るには数年かかる可能性があると指摘している。

 直ちにロシアのエネルギー輸入を停止するという計画を見直すようEU指導部に圧力をかけている欧州企業もある。輸入停止によって経済に大きな影響が及ぶ懸念があるからだ。

写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
2024年8月4日、ウクライナ国内の非公開の場所に設置されたパトリオット防空ミサイルシステムの上空を、ウクライナ空軍のF-16戦闘機が飛行している。(AP通信/エフレム・ルカツキー撮影、資料写真)

トランプ氏、ウクライナが「パトリオット」製造 専門家は生産開始に数年

(2026年07月12日)
2024年7月3日、カザフスタンのアスタナで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の傍らで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席が握手を交わした。(セルゲイ・グネーエフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

中国企業、ロシア占領下のウクライナに進出 経済的影響力を拡大

(2026年07月11日)
ウクライナの無人システム部隊K-2旅団の兵士が、2026年6月22日(月)、ウクライナのドネツク州前線で、ロシア軍陣地に向けて飛行する前に、中距離ドローンを離陸地点で運んでいる。(AP通信/エフゲニー・マロレトカ)

ウクライナ防衛産業、実戦経験生かし欧州との連携を深化

(2026年07月10日)
→その他のニュース