新型コロナの影響で米国で離婚が急増
By Sean Salai – The Washington Times – Friday, May 20, 2022
新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)による経済的、精神的ストレスのために、米国では虐待的な関係から逃れて離婚したひとり親家庭が急増していると、育児専門家たちが先週、指摘した。
ノースカロライナ州の「シングルペアレンツ同盟」のパメラ・ディーン・ライト代表によると、法律専門家や精神衛生カウンセラーから成る同氏の組織では1月1日以降、全米の悩めるひとり親から週平均30件の電話・オンラインによる問い合わせを記録しているという。
この問い合わせ件数は、週平均15件だったパンデミック以前の倍だと、ライト氏は20日、インタビューで明らかにした。
「パンデミックによる経済的ストレスは、人間関係を引き裂き、人間の最も悪いところを引き出している。一方のパートナーが薬物で逃避しようとすることで関係を壊すことが多い」。ライト氏はワシントン・タイムズ紙にこう語った。
ライト氏は「ゲイやレズビアンのコミュニティーから寄せられる虐待の事例も増えている」とも述べた。
同団体は1995年の設立以来、約1万4000人のひとり親が子供支援や家庭裁判所の制度を利用するのを助けてきたとしている。元投資顧問のライト氏は、14年間連れ添った夫と離婚した3年後にこの団体を設立し、一人で息子たちを育てている。
現在63歳のライト氏は、パンデミック時代のインフレ、学校閉鎖、失業などで国民の不安は一段と高まっていると指摘する。
「学校が閉鎖されたことを発端に、27年間で見たこともないような子供へのひどい身体的虐待や性的虐待が起きている」とライト氏。「大麻やフェンタニルなどの薬物の乱用も強い葛藤をもたらしている」という。
アリゾナ州を拠点にする子育てアドバイザーのローラ・リン・ナイト氏も、パンデミックが始まってから、離婚する親の増加に対応してきたという。
「パンデミックの間、家庭内で増えるストレス、仕事と家庭生活のバランスを取ろうとする親、健康をめぐる恐れ、そして大人と子供の精神衛生に与えてきた深刻な負担を目の当たりにしてきた」と、ナイト氏は電子メールで語った。ストレスに圧倒され、「多くのカップルが離婚を決意している」とも述べた。
元小学校教師のナイト氏は、新たなひとり親に対し、インフレや失業、死、病気、精神疾患などの圧力に対処する、より健全な方法を見つけるよう勧めている。
「子供たちが離婚の際に安心感を抱き、両親が子供の共通の利益のために協力していると理解することが大切だ」とナイト氏。「子供の前でパートナーの悪口を言わないことや、チームとして取り組むことで両方の親から一貫性を生み出すことなどがそうだ」
パンデミック中に離婚申請が急増したと報告されている。そのほとんどが最近結婚した夫婦によるもので、長期的な傾向を反対方向に逆転させている。
ヤフーファイナンスは9月23日、米国の離婚率は1980年代から2019年まで徐々に低下していたが、パンデミック時に再び上昇したと報じた。
法律文書会社リーガル・テンプレートによると、新型コロナでロックダウンが行われた最初の3カ月間(20年3~6月)に離婚を申請した米国人の数は、19年の同時期より34%も多かった。
さらに最近では、オンライン弁護士名簿「ホルト・ドット・オルグ」が2月25日、米国の離婚率は19年の10~14%から、20年には24%、昨年は34%にそれぞれ上昇したと報告した。