バイデン氏の失言

(2022年6月1日)

岸田文雄首相との記者会見で話すジョー・バイデン大統領(2022年5月23日月曜日、東京・赤坂の宮殿にて)。(AP Photo/Evan Vucci)

By Editorial Board – The Washington Times – Tuesday, May 24, 2022

 バイデン大統領はまた、やってしまった。熱心な記者の質問に答え、米国の重要な地政学的スタンスをひっくり返してしまった。世界が混乱し、核兵器で問題山積の国々が不安に陥れられている時代には、大規模な政策についての誤った発言は、最悪の軍事的偶発事故を引き起こす危険がある。米国人が、失言癖のある大統領に対して歴史的に受け入れ難い気持ちを抱いてきたことに、改めて合点がいく。

 バイデン氏は、インド太平洋地域の連携を強化するための地域歴訪中の23日、東京で面倒を起こした。バイデン氏が、ロシア軍の軍事侵攻を受けているウクライナを補強するために米軍を派遣することを拒否したことを受けて、記者は「台湾を守るために軍事的に関与するつもりはあるか」と尋ねた。

 「ある」とバイデン氏は答えた。「力ずくで、力だけで奪い取れるという考えは全く適切ではない。地域全体を混乱させ、ウクライナで起こったのと同様の事態を招くことになる」と続けた。また、やってしまった。

 ホワイトハウスは直ちに、この問題のある発言を修正し、台湾・中国関係に対する米国の政策は変わっていないと主張した。「戦略的あいまいさ」――この島の独立した実体を破壊するための力の行使を非難する一方で、台湾は中国の一部であるという中国政府の主張に同意し、意図的に人を混乱させる言葉――は、半世紀もの間、米政府の基本的なスタンスだった。

 バイデン氏のびっくり発言が時差ぼけによるものにせよ、79歳という高齢によるものにせよ、中国は、軍事力をひけらかす前に、言い直しをする時間も与えず、「中国は、その主権と安全保障上の利益を守るために断固とした行動を取る。本気だ」と言った。

 バイデン氏が米国の外交政策を軽々とひっくり返したのは、これが初めてではない。1月、ロシアがウクライナに侵攻すれば責任を問われることになろうと断言する一方で、北大西洋条約機構(NATO)は「軽微な侵略」は大目に見るだろうとほのめかした。この発言が、ロシアのプーチン大統領に青信号をともしたとは言わないが、赤信号とも言えない。悲しいことに1カ月後、ロシア軍は大挙して隣国に突入した。

 3月には、ロシアがウクライナで大量破壊兵器を使用すれば、NATOは「何らか」の対応を取るようになると述べ、文明世界を恐怖に陥れた。いかなる理由であれ、そのような兵器を配備すれば、国際法に違反することになる。

 口が滑ると、意図しない混乱を招くことがある。1950年、ディーン・アチソン国務長官は、米国の「防衛境界」に韓国を含めることができなかった時に、演説で不用意な誤りを犯した。共産主義の北朝鮮は、機が熟したと認識し、半年もたたず侵略戦争を開始し、いまだ正式な和平合意を欠いたまま同胞相争う事態となった。

 政治家は、興味を持っていることについては容易に、しっかりとした主張ができるものだ。だが、考えがしっかりしていない場合、職務の負担がのしかかると、判断力が鈍り、たわごとを口走ることがある。

 AP通信によると、バイデン氏の支持率は39%と悲惨な水準に落ち込んでいる。これは「バイデナンセンス」(バイデンの失言)によって高まったリスクに、人々が怒りを募らせているという事実を反映している。

2024年4月23日火曜日、中国東部山東省青島市で中国人民解放軍海軍創設75周年を記念する一般公開日の終わりにミサイル駆逐艦「貴陽」の近くに夕日が沈む。(AP通信/ン・ハン・グアン)

インド太平洋軍司令官、中国の脅威を警告 戦力強化へ新規兵器に1220億ドル要求

(2026年06月19日)
ハイテクを駆使した政府のハッキング室で、中国軍関係者がハイブリッド戦争の一環として敵対国から国家機密を盗み出す作業を行っている。(写真提供:DC Studio via Shutterstock)

米FBI、偽コンサル会社13サイト閉鎖 中国の対米情報工作に利用

(2026年06月15日)
026年6月3日水曜日、韓国ソウルの体育館で、韓国中央選挙管理委員会の職員が地方選挙の投票用紙が入った箱を確認している。(AP通信/アン・ヨンジュン)

地方選混乱で保守派が抗議行動 特別検察官が選管を捜査へ-韓国

(2026年06月11日)
FIFAはメキシコの伝統について懸念を抱いている

W杯「美しいゲーム」が直面する醜い現実 観客から差別的野次

(2026年06月10日)
北京の米国大使館が主催した米大統領選挙関連イベント中、ホテルの外に米国と中国の国旗が掲げられた。政府報告書は、中国、ロシア、イランの諜報機関が、米国の企業、政府研究所、大学から企業秘密や専有情報を盗もうと躍起になっている様子を明らかにしている。(AP通信/アンディ・ウォン)

中国軍、求人サイト利用しスパイ勧誘 ファイブアイズが異例の警告

(2026年06月09日)
1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

中国、天安門事件への姿勢を転換 「真の英雄は人民解放軍」

(2026年06月06日)

米、南アの新レアアースプロジェクトに関心 険悪な両国関係に好影響も

(2026年06月04日)

在韓米軍司令官、韓国は中国に突き付けた「短剣」 中国は「一線を越えた」と反発

(2026年06月03日)

中国、全領域で軍事力を強化-米シンクタンク

(2026年06月02日)

「忘れられた戦争」を記憶する韓国、米兵たちを顕彰

(2026年05月30日)
→その他のニュース