孔子学院 名称変え活動継続

(2022年6月25日)

2018年9月16日、北京のトライショーの上に中国国旗とともに展示されている米国国旗(資料写真)。(APフォト/Andy Wong、ファイル)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, June 21, 2022

依然、中国の影響工作拠点、批判的な知識人攻撃も

 孔子学院は、中国政府が自国の文化、言語を教育するために世界各地の大学などに設置したとされている。しかし、トランプ前政権時に、中国政府のソフトパワー強化の一環として、影響工作などに利用されているとして閉鎖の動きが強まった。

 米国の大学には118の孔子学院があったが、104カ所が閉鎖または、閉鎖手続き中。しかし、全国学識者協会(NAS)が21日に発表した報告によると、閉鎖した学院は、別の組織として、または、別の手段を用いて米国内で依然、活動を続けているという。

 報告は孔子学院を「米国の高等教育内での中国の最も重要な戦略的拠点」としたうえで、閉鎖への圧力を受けて中国政府は「米国の大学に影響を及ぼす別の手段」を模索していると指摘した。

 その中でもよく使われているのは呼称の変更。米中姉妹校間の交換学生プログラムを利用して別の形態で活動を再開させている例も多いという。

 報告によると、28大学で学院閉鎖後に同様の課程が再開され、58大学で旧孔子学院との密接な関係が維持されている。また、5大学で活動場所を他の組織に移したという。

 また、スタッフの多くが、名称を改めたプログラムに移り、同様の教科書、教材を用いて、米国の大学内で活動している。

 中国国内では2020年、学院を管轄していた孔子学院総部(通称「漢弁」)の呼称を「教育省中国語・外国語交流センター」に変更、さらに中国国際教育財団を新設し、孔子学院や旧孔子学院への資金拠出、管理に当たらせており、報告は、中国が進めるソフトパワー戦略のイメージ刷新の一環との見方を示している。

 孔子学院は、スタンフォード大学、ユタ大学、ジョージア州のウェズリアン大学など17の大学で依然として活動を続けている。

 文化教育機関を名乗る孔子学院だが、報告は、主な任務は政治への影響力行使であり、中国共産党に批判的な知識人を攻撃することにあると指摘している。

 ポンペオ前国務長官は、孔子学院は「中国共産党の世界的な影響力・プロパガンダ機関の一部」と主張、学院閉鎖への取り組みを強化した。20年には外交使節としての登録を義務付ける措置を取るとともに、学院を受け入れている大学に中国共産党のプロパガンダを拡散しないよう警告した。

 報告は、今も残る孔子学院の閉鎖と、交換学生プログラムなどの代替プログラムからの離脱を全大学に求めている。また、議会に法を改正し、衣替えした組織や代替プログラムへの参加禁止を盛り込むよう求めた。

 さらに、中国の影響工作に対抗するために、中国から資金提供を受ける教育機関に課税し、中国政府や中国の軍民共同プログラムとの学術研究に参加する大学への連邦予算を制限するよう求めている。

 報告は、小中学校に設置されている「孔子課堂」について、多くが活動を継続していると指摘。規制の実施を求めている。

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