リズ・チェイニー氏の先の見えないトランプ前大統領つぶし

(2022年8月23日)

2022年8月16日(火)、ワイオ州ジャクソンの予備選挙日の集まりで話すリズ・チェイニー下院議員(ワイオ州選出)。チェイニー氏は予備選で共和党の対立候補ハリエット・ヘイグマン氏に敗れた。(AP写真/Jae C. Hong)

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, August 17, 2022

 リズ・チェイニー下院議員はワイオミング州の共和党有権者から見捨てられ、次の戦い、つまり、ドナルド・トランプ前大統領とその取り巻きを共和党から排除する戦いはさらに厳しいものになりそうだ。

 ディック・チェイニー元副大統領の娘であり、党内のトランプ「抵抗勢力」の急先鋒であるリズ・チェイニー氏は、予想されていた敗北を冷静に受け止めている。2024年の大統領選への出馬を考えていることを明らかにした。少なくとも、党内の隅々にまで反トランプのメッセージを届けると誓った。

 チェイニー氏にとって問題は、彼女の話に耳を傾ける共和党員がいないことだ。

 16日にチェイニー氏が予備選で敗北する2週間前に発表されたユーガブの全国世論調査では、調査対象者のわずか34%が彼女を好意的に見ており、そのほとんどが民主党員だった。共和党員では、51%が「非常に好ましくない」と回答している。

 ニュート・ギングリッチ元下院議長は、チェイニー氏に耳を傾ける人々がいるかどうかという質問に対して、「いるのは間違いない」と答えた。そして、リベラル派のエリート大学がある都市を並べ立てた。

 ギングリッチ氏はワシントン・タイムズ紙に「ケンブリッジ、ニューヘイブン、バークレー、ペンシルバニア大学のあるフィラデルフィアの一部。熱狂的に支持することは間違いない。とにかくワイオミングが嫌いな連中だ」と語った。

 チェイニー氏に戦慄の一撃を与えたのは、ワイオミング州の共和党員だった。ハリエット・ヘイグマン氏が現職のチェイニー氏の2倍以上(66%対29%)の票を集め、州内唯一の下院議員候補として共和党の指名を獲得した。この州のナトローナ郡キャスパーの高校のフットボール場はヘイグマン氏の父親の名前にちなんで命名された。

 1年前、下院共和党は、トランプ氏の弾劾に賛成票を投じ、その後も非難を繰り返したチェイニー女史を党のナンバー3のポストから引きずり下ろした。その後、ワイオミング州共和党は、彼女を共和党員として認めないことを決議した。

 チェイニー氏は、2020年の選挙が盗まれたというトランプ氏の主張を支持すれば「簡単に」再選できたとした上で、「民主主義制度を破壊し、わが共和国の基盤を攻撃するトランプ氏の行動を許さない」と述べた。

 敗北を認める演説の中で、民主主義、憲法、法の支配を守るための戦いで、トランプ氏とトランプ主義というがんを取り除くために、共和党、民主党、無党派層が団結するというビジョンを描いた。

 エイブラハム・リンカーンが上院選に敗れた後、大統領選に勝つためにいかに戦い続けたか、ユリシーズ・グラント将軍が南北戦争で大量の部隊を失ったにもかかわらず、いかに辞職を拒否したかから力を得たと述べている。

 チェイニー氏は「リンカーンやグラント、そして私の高祖父を含む、悲惨な南北戦争で戦ったすべての人々が、私たちの連合を救った。彼らの勇気が自由を救った。そして、耳を澄ませば、彼らは何世代にもわたって私たちに語りかけているのが聞こえる」と語った。

 「多くの人がそのために戦い、死んでいった。それを無為してはならない」

 トランプ氏は彼女の敗北を喜んだ。

 トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」で、「リズ・チェイニーは自分自身とその行動、他人に対する唾棄すべき尊大な言動を恥じるべきだ。これで彼女はやっと、政治的忘却の深淵に消えることができる。今よりずっと幸せになれるはずだ」と述べた。

 チェイニー氏には計画がある。

 彼女は敗北の直後、2024年の大統領選に出馬することを「考えている」とNBCに語り、17日にはリンカーンのゲティスバーグ演説にちなんで「グレートタスク」という政治活動委員会を設立した。

 ユーガブの世論調査が正確であれば、そうした取り組みは、すでにトランプ氏を嫌っている人たちの受け皿となるだろう。それは主に民主党員で、23%がチェイニー氏を「強く支持する」と答えた。一方の無党派層では11%、共和党員では7%だった。

 リベラリズムの専門誌「アメリカン・プロスペクト」の創刊者であるロバート・カットナー氏は、民主党はチェイニー氏を好意的な共和党員として迎え入れることに慎重であるべきだと述べた。

 カットナー氏は17日、「手始めに、リズ・チェイニー氏とはどういう人物かを思い出してみよう。実質的には、依然として右派の共和党員で、終わりのない戦争の政策を支持してきた。そして、立憲主義者として生まれ変わるまで、90%の確率でトランプに投票してきた」と書いた。

 カットナー氏は、有権者は二大政党に行き詰まりを感じており、チェイニー氏が大統領選に無所属で出馬すれば、選挙戦を混乱させる可能性があると予想した。

 「可能性は低いが、実現すれば最悪の皮肉な結果となる。チェイニー氏が勝利し、民主主義を救っても、労働者に民主主義への嫌悪感を抱かせた右派の企業統治に後戻りするかもしれない」

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