台湾高官、米に軍事支援を要請
By Guy Taylor – The Washington Times – Wednesday, September 28, 2022
【台北】台湾の対中政策を主管する大陸委員会の邱垂正・副主任委員は28日、習近平国家主席が率いる中国が、極端な形の「密室国家主義」と「全体主義」を推進し、台湾、米国などの民主主義国家の未来を脅かしていると警告した。
数週間後には、習氏の中国国内での権力は一層強化されることが予想されている。
習氏はいずれ台湾を併合すると主張しており、台湾の地位をめぐって米中関係の緊張は高まっている。
中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を行い、ミサイルの試験発射を行い、ペロシ米下院議長の先月の台湾訪問に抗議したことから、緊張は高まった。また、ハリス副大統領が28日に日本で、米政府は中国の挑発に対して「今後も台湾の自衛を支持する」と述べたことがさらに拍車を掛けた。
中国は、バイデン米政権の発言、議員や高官らの訪台によって、中国と台湾の地位をめぐる従来の方針が揺らいでいると主張している。米議会で台湾支持が高まり、ホワイトハウスは、過剰反応だと中国政府を非難している。
ハリス氏は横須賀の米海軍基地の駆逐艦ハワードの艦上で、「中国は法に基づく国際秩序の重要な要素をないがしろにしている。軍事力、経済力を使って、近隣諸国を威嚇し、脅かしている。東シナ海、南シナ海で混乱を招く行動を目の当たりにしてきた。最近では台湾海峡での挑発行動も行われた」と述べた。
その数時間前、邱氏は台北で記者団に、台湾当局者、市民が「中国からの激しい抑圧」を受け、「中国は台湾を併合する可能性がある」と訴えた。
邱氏はワシントン・タイムズなど海外メディアの記者らとの会合で「防衛に関しては米国の支援が必要であり、台湾も軍事能力を強化していく」と述べた。記者らは、台湾外交部(外務省)主催の企画で台湾を訪れている。
邱氏は、「(中国が台湾に対して)ますます主張を強め、攻撃的になることは間違いない」と訴えた。以前から、複雑に変化してきた両政府の関係が、独裁と自由主義との間の世界的な覇権争いの中心的問題となっている。
「これまで、台湾は中国に対峙(たいじ)する前線だった。今は全体主義と民主主義の間の対立の前線になっている」
邱氏は、台湾の民主主義は、東アジアや世界にとってモデルとなり得るものであり、その経済的成功と政治的自由は、中国の共産党支配に対する挑戦となり得ると述べた。
「台湾の民主主義は、西側の民主主義とは違っている。中国は、国家主義を利用して西側の民主主義を阻止できるからだ。しかし、台湾の民主主義は、中国の人々に影響を与えることができ、よい生活、自由、民主主義へと人々を駆り立てることができる。そのため、台湾の民主主義は、国際社会で掛け替えのないものだ」