逮捕の反中絶キリスト教徒 司法省を非難

(2022年10月26日)

2022年5月13日(金)、ワシントンのホワイトハウスのローズガーデンで行われた、アメリカのレスキュープランの資金を投入する州や地方のリーダーを紹介するイベントで、講演後、メリック・ガーランド司法長官を横切ってオーバルオフィスへ戻るジョーバイデン大統領。(AP写真/Andrew Harnik)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Sunday, October 16, 2022

 先週、武装した連邦捜査局(FBI)捜査官によって逮捕された11人のプロライフ(中絶反対派)活動家のうちの1人の弁護士は14日、司法省がプロライフを標的とした最近のキャンペーンで「キリスト教徒を怯えさせ、威嚇」しようとしたと非難した。

 ポール・ボーン氏(55)は10月5日、テネシー州センタービルの農家で逮捕され、2021年3月にテネシー州マウントジュリエットの中絶施設の外で行われたプロライフのデモをめぐって、「診療所入口へのアクセスの自由(FACE)」法違反で起訴された。

 トマス・モア・ソサエティーの上級顧問、スティーブン・クランプトン氏は、妻と11人の子供のうち7人の前でボーン氏が逮捕されたことを、「キリスト教徒と献身的なプロライフ擁護者を怯えさせ、威嚇するバイデン司法省の新たな試み」と呼んだ。

 クランプトン氏は11日の声明で「われわれは、証拠からポールがFACE法に違反していないことが明らかになると信じており、法廷でそれが証明されることを楽しみにしている」と述べた。

 バイデン政権は、6月24日に最高裁が下したドブス対ジャクソン判決の余波の中で、中絶を受けられるようにするためにFACE法を発動、それによって11人の活動家が起訴された。バイデン氏は、6対3で下された最高裁の判決を厳しく批判し、政権として中絶を受ける権利を保護するための対策を講じると約束した。

 先月、司法省はペンシルベニア州バックス郡のマーク・フックとニューヨークの「再生のフランシスコ会修道士」のクリストファー・モシンスキの両容疑者を中絶施設での事件に関してFACE法違反で起訴した。

 ニューヨーク東地区連邦検事、ブレオン・ピース氏は、9月29日のモシンスキ氏告発の発表の中で「患者の権利を守りつつ、生殖医療サービスを提供するクリニックとスタッフを保護するために連邦法を執行する」と述べた。

 しかし、ボーン氏は連邦政府の取り締まりについて、過去数世紀のキリスト教徒の殉教になぞらえて、次のように述べた。

 ボーン氏は10日、FOXニュースの「タッカー・カールソン・トゥナイト」で、「私たちはキリスト教徒の家族として、キリスト教の歴史や宣教師、教会で起こった迫害についてたくさん勉強しており、(私の子供たちは)それらに精通している。彼らは歴史上、殉教した人々がいることを知っている。彼らは、今日の米国でそうであるように、歴史的に迫害され、専制君主らによっていじめられてきたことを知っている」と述べた。

 トマス・モア・ソサエティーによると、連邦起訴はカラフェム・ヘルスセンター・クリニックの外の通路で行われた抗議行動を受けたもので、ボーン氏らは座って賛美歌を歌い、聖句を読み、祈りを捧げたという。

 ソサエティーのプレスリリースは、「地元警察に逮捕されたことのないボーン氏はここで、抗議行動を記録し、関係者の安全を確保するためにプロライフと警察との連絡役を務めていた。その間、誰もけがをすることはなく、何も破壊されることはなかった」としている。

 ボーン氏ら7人は、ソーシャルメディア上で抗議行動を組織し、患者と従業員がクリニックに入れないようにしたことについても共謀罪で起訴された。司法省はこれを「封鎖」と呼んでいる。

 逮捕されたのは、ボーン氏のほか、チェスター・ギャラガー、ヘザー・イドニ、カルビン・ザストロー、コールマン・ボイド、キャロライン・デイビス、デニス・グリーン、エバ・エドル、エバ・ザストロー、ジェームズ・ザストロー、ポール・プレイス。

物理的妨害と主張

 司法省は10月5日の声明で、この動画には「ボイドがライブストリームの視聴者に、患者は『自分の赤ん坊を殺しに来た母親』だと話し、グループのメンバーが患者とその連れ合いに接触しようとする」様子が映っていると指摘した。

 声明はさらに「起訴状はさらに、2021年3月5日に、11人が…クリニックの従業員と生殖医療サービスを求めていた患者を傷つけ、脅迫し、妨害するために力と物理的妨害を使用したと主張している」としている。

 ボーン氏は武力や暴力の行使を否定し、「(司法省は)自身と政治的に意見の異なる平和的な人々を追及するために、自身の中で正当化するための何らかの理由が必要だった」との見方を示した。

 逮捕時の動画で、ボーン氏の妻とみられる女性が、武装したFBI捜査官に「なぜ銃を持ってドアを叩くのか知りたい」と話しているのが聞こえる。

 共謀罪で起訴された7人の被告は、それぞれ最高で懲役11年、3年の監視付き釈放、最高で35万ドルの罰金の刑を受け、他の被告はそれぞれ懲役1年、1年の監視付き釈放、最高1万ドルの罰金となる可能性がある。

 クランプトン氏は「残念なことに、FACE法は、中絶を得ようとする人のあらゆる妨害を連邦犯罪化するために設立された。テネシー州では中絶はもはや合法ではなく、マウントジュリエットの中絶施設での平和的なプロライフの抗議行動は、何の傷害も破壊も損害ももたらさなかったにもかかわらず、11人のプロライフが重い罰則と連邦政府による起訴に直面している」と述べた。

 テネシー州司法長官室によると、同州はこの夏、ほとんどの中絶を禁止するハートビート法を承認した。

 フック氏(48)は、2021年10月にフィラデルフィアで起きた紛争で、12歳の息子に立ち向かい、引き下がろうとしなかった家族計画連盟のボランティアを突き飛ばした疑いで起訴された。彼は無罪を主張している。

 ニューヨーク州ホワイトプレーンズの中絶クリニックへの不法侵入で3カ月の実刑判決を受けているモシンスキ氏(52)は、ニューヨーク州ヘンプステッドの家族計画連盟施設の門に南京錠をかけ、その鍵に接着剤を流し込んだ疑いで起訴されている。

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