英「孔子学院」閉鎖へ 世界最多30カ所、新首相表明
By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, October 25, 2022
「中国は最大の脅威」
英国のスナク新首相は、中国は世界にとって最大の脅威と指摘、中国のプロパガンダ、影響工作の拠点とされる「孔子学院」を閉鎖する意向を表明した。
スナク氏は25日、ツイッターで、英国内の30カ所の孔子学院を新政府の対中政策の中で閉鎖すると表明、英紙も同日、この公約実施に政府がすでに取り掛かっていると報じた。孔子学院の大部分は、中国政府が運用し、大学内に設置されている。
英シンクタンク「チャイナ・リサーチ・グループ(CRG)」によると、英国内の孔子学院の数は世界で最も多く、中国語教育予算の3100万㌦の大部分は、大学の孔子学院にあてられている。
スナク氏は「学内での中国語教育の政府予算のほぼすべてが、大学内の孔子学院に注ぎ込まれ、中国のソフトパワーを強化している」と指摘している。
スナク氏はさらに保守党党首選の公約として、自由主義陣営で新たな連合を設立し、中国によるサイバー空間での脅威と技術の窃取に対抗する意向を示している。
また、国内情報機関、保安部(MI5)に、中国の産業スパイ活動を阻止するため、企業、大学を支援する権限を与えること、ハイテク企業など重要資産の中国による買収阻止に取り組んでいくことを表明している。
米国では、トランプ前政権時に118あった孔子学院の閉鎖を進め、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカによると、今年6月時点で104カ所が閉鎖済み、4カ所が閉鎖手続き中で、一部は、類似の語学教育機関に衣替えしている。
MI5のマッカラム長官は7月、「根本的変化をもたらす最大の脅威は中国共産党」と指摘、「脅威は現実であり、差し迫っている」と警告している。