「赤い波」不発の行方は?

(2022年11月16日)

2022年11月8日(火)、ペンシルベニア州ライダルで中間選挙の投票に並ぶ有権者。(AP Photo/Matt Rourke)

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, November 9, 2022

 共和党が下院で35議席も獲得し、上院で53議席の過半数を占めるだろうといった楽観的な予測は実現しないだろう。

 水曜日の時点で、ジョージア州が(再度の)決選投票に挑むことになっているため、共和党は下院をぎりぎりの過半数で手に入れはするが、上院はどちらに転ぶか分からない状態だ。

 何が起きたのだろう。

 妊娠中絶は、共和党の多くが認識していたよりも、女性と若年有権者の双方にとっては、どちらかと言うと、ずっと重要な争点だ。ミシガン州では、それが憲法上の権利の問題として投票に掛けられた。CBSニュースが実施した全国的出口調査によって、回答者の27%が、それを、投票の第一の問題としてランク付けし、有権者全体の31%が、最高位にランク付けしたインフレの一つ下を行っただけだったことが判明した。CNNナショナルハウスの出口調査によると、独身女性は、37%ポイントもの大差で民主党の側に付いたという。

 ケンタッキー州という(共和党のシンボルカラーである)赤い州でさえ、中絶の権利を守るための四つの住民投票すべてを可決した。民主党は早い段階で、4億ドル以上を掛けて、中絶を支持する広告で電波を席巻し、(特に、知名度が低く、資金面で窮していたりした)共和党の候補者らを、この問題に対して極端な姿勢を取っているかのように描写した。中絶問題は、中間選挙運動期間の後半には、争点としての影が薄まっていったが、民主党はこの夏、精一杯やってのけ、投票日にもその支持基盤を維持した。

 さらに、嗜好用マリフアナの合法化、前述の中絶の権利、LGBTQ保護法などの住民投票に刺激を受け、多数の甲乙付け難いレースが行われた中で、「目覚めた」若者らが投票に足を運んだ。共和党は、若者の票を勝ち取れるなどとは全く思っていなかった。ここまで若者の支持を失うとは思っていなかった。CNNの出口調査によると、共和党は、45~64歳の有権者で11ポイント差、65歳以上の有権者で13ポイント差、18~29歳の有権者では、なんと驚くべき28ポイントもの差をつけられた。

 現職の強みも今週、実証された――有権者は、見知らぬ悪魔と、いちかばちかの取っ組み合いをするよりも、馴染みの悪魔相手に危険を冒したいという考えに固執したのだ。これは、数多くの選挙の場で、共和党の役に立ったが、彼らが確立された記録(歴史)を持たない政治的部外者らを使った闘いでは負けが多かった。

 確かに、火曜日の選挙には多くの明るい点があった。共和党員は、フロリダ、テキサス、そしてネバダなどの州を含む所に居住するヒスパニック・コミュニティーにかなりの進出を果たしている。フロリダ州知事、ロン・デサンティス氏は、政治地図を書き直し、チャーリー・クリスト氏を20%ポイント引き離して勝利をものにした。デサンティス氏は、共和党に2024年に向けた実証済みの戦略を提示した。

 共和党の予備選で何百万ドルもの資金を集めた下院民主党のショーン・パトリック・マロニー選対委員長は、水曜日に敗北を認めた。彼は1992年以来、再選を逃した最初の民主党の選対委員長となったが、主として犯罪と経済に関するニューヨーカーの懸念を無視したことがその理由であった。

 しかし、最も重要なことは、共和党が下院で勝利し、議会とホワイトハウスの両方に対する民主党の支配に終止符を打つことである。バイデン氏は、レームダック大統領なのである。

 これで、正常な状態が時代を支配するかもしれない。

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