FBI、情報機関使い一般市民を捜査

(2023年1月14日)

2022年8月10日、ネブラスカ州オマハでの記者会見で発言するFBI長官クリストファー・レイ。ホワイトハウスは、2022年10月31日(月)から2日間、30カ国、欧州連合、多数の民間企業を集め、ランサムウェア攻撃への最善の対抗策を検討するサミットを開催する予定。このイベントには、レイを含む数名の政府高官が参加する予定だ。バイデン大統領は出席しない見込み。(AP写真/Charlie Neibergall)

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Tuesday, January 10, 2023

 米連邦捜査局(FBI)が、中央情報局(CIA)と国家安全保障局(NSA)を使って、令状なしで民間人を捜査していたことが、FBIの最新のルールブックから明らかになった。内容が明らかにされるのはオバマ政権時以来初めて。

 ルールブックは2021年に改訂され、流出している10年前の情報からは、FBIがCIA、NSAと協力し、何の容疑もかけられていない市民に令状なしで監視を行っている可能性があることが分かる。FBIでこれは「アセスメント(評価)」と呼ばれている。

 FBIは以前から捜査権限の乱用が指摘されており、令状なしの監視活動に対し批判が強まっている。

 国外の脅威を巡るFBIと情報機関との連携は、共和党主導の下院の開幕を受けて綿密な調査が実施されるとみられている。下院の情報特別委員会と司法委員会が、この問題を巡って調査を実施する予定だ。調査には新設される委員会も加わり、連邦政府をいかに捜査に利用してきたかを解明する。

 FBIが他の連邦政府機関、州、地方の当局者らと協力してきたという新情報は、トランプ前政権時にまとめられ、バイデン政権で改訂された906ページのルールブックに盛り込まれている。FBIは、公開を拒否していたが、最新のルールブック「国内捜査・活動ガイド」をネットで公開した。

 2021年ルールブックのセクション20.2のCIA、NSAという文言は編集されていないが、セクションの一部は非公表となっている。ネットメディア「ザ・インターセプト」が入手した未編集の2011年版ルールブックのセクション20.2には、FBIからの調査依頼が記載され、FBIが目を付けた対象への、他の機関に対する公式な調査依頼が盛り込まれている。

 流出した2011年ルールブックによると、調査でCIAとNSAが入手した情報は、対象の評価と捜査に使用された可能性がある。

 FBIの評価は、不正の疑いが指摘されておらず、捜査を行うには「公式に承認された目的」、明確な目標が必要な個人とグループの捜査に当たる。これらの捜査は、連邦犯罪の防止、国家安全保障への脅威からの保護、外国の情報収集のために行われるものだ。

 シンクタンク「ケイトー研究所」のパトリック・エディントン上級研究員は、最新版からは、FBIが、このような捜査を行っても非難を受けることはないと確信していることが分かるとしている。

 エディントン氏は電子メールで、「FBIは事実を隠し続けている。①FBIは、情報提供者を使うことができ、明らかに情報提供者を使って、国内の民間の組織に入り込み、そこで、これら情報提供者は自身の判断で、あるいはFBIの支持を受けて、その組織の活動に影響を及ぼそうとしている。②FBIは捜査によって、米国の国民と民間組織に関するCIAとNSAの情報を検索している――の2点だ」と指摘した。

 エディントン氏は、この二つの慣行は、法律によって禁止されるべであり、議会が今年、対処する可能性があると強調した。

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