米民主党州が性転換治療禁止される未成年者の「避難所」に

(2023年2月13日)

2022年11月8日(火)、ミネソタ州セントポールのBang Brewingでの選挙ナイトパーティーで写真撮影をするリー・フィンケ氏。ミネソタ州では、フィンケは州議会に選出された初のオープンリー・トランスジェンダーとなった。(Ben Hovland/Minnesota Public Radio via AP)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Monday, February 6, 2023

 米共和党主導の州では、若者が性転換のホルモン療法を受けることを認めないようにする動きがある。だが、民主党が主導する州で彼らの避難先が見つかるかもしれない。

 共和党主導の州議会が小児性転換治療の禁止に動く中、民主党主導の州は「トランス避難所」法案でこれを押し返そうとしている。同法案は、二次性徴抑制剤やホルモン療法、外科手術を受けるために他州から来た未成年者に対して裁判所が他州の法律を適用することを禁じるものだ。

 ミネソタ州初のトランスジェンダー議員であるリー・フィンク州下院議員は先月、「ミネソタ州に来て性別適合治療を受けることに伴う法的影響からトランスジェンダーとその家族、医療従事者を保護するトランス避難州」となることを宣言する法案を提出した。

 「各地の議員たちが生命を肯定する重要な医療へのアクセスを制限しようとする中、残念ながら、この法案はあまりにも必要なものだ」。性的少数者(LGBT)権利擁護団体「アウトフロント・ミネソタ」のカット・ローン事務局長は、1月31日に開かれた同法案に関する委員会公聴会でこう主張した。

 ミネソタ州の法案(下院法案146)は、「LGBTQ勝利研究所」「平等カリフォルニア」「家族計画連盟カリフォルニア支部」などの団体が昨年、「性別適合治療を求めるトランスジェンダーの子供とその家族を罰則から守る」ために立ち上げた複数の州で進める「トランス避難所」プロジェクトの一環だ。

 カリフォルニア州は、このような法案(上院法案107)を可決した最初の州となり、ギャビン・ニューサム知事(民主党)が昨年10月に署名、今年1月1日に施行された。他にも少なくとも15州が同様の法案提出を約束している。

 共和党の法案は、若者の性転換という急成長する医療分野にブレーキをかけようとするものだ。健康に及ぼす短期的、長期的影響に疑問があるためだ。

 アーカンソー、テネシー両州は、2021年に未成年者の性転換治療を禁止し、アラバマ州が昨年、これに続いた。昨年11月には、フロリダ州がロン・デサンティス知事(共和党)の呼び掛けで、性転換のホルモン療法と手術を禁止する行政措置を取った。

 異なるやり方で対応したのが、テキサス州のグレッグ・アボット知事だ。アボット氏は昨年、州の児童福祉機関に、性転換治療を受ける子供について虐待の訴えを調査するよう命じた。テキサス州最高裁は、訴訟が続いている間は知事の命令を維持することを認める一方で、訴訟を起こした家族のために下級審が出した差し止め命令は支持した。

 ユタ州は先月、性別違和と診断されていない未成年者が性転換手術やホルモン療法を受けることを禁止する法案を成立させ、今年初めてガードレールを設置した州となった。

 法案に署名したユタ州のスペンサー・コックス知事は、トランスジェンダー勢力の反対派では決してない。昨年5月には、女性と自認する生物学的男性が学校スポーツに参加することを禁止する法案を、共和党議員の反対を押し切って拒否権を発動した。ただ、拒否権はすぐに共和党議員によって覆されている。

 しかし、コックス知事は1月28日の法案署名に際して発表した声明で、性転換治療の医学的リスクへの懸念を挙げ、さらなる研究が必要だと訴えた。

 「世界中でより多くの専門家や州、国家が、より良い研究によって長期的な影響が明らかになるまで、新しい患者に対して、これらの永久的で人生を変えてしまう治療を一時停止している」と、コックス氏は主張した。

 今年の議会会期中に、他の州も追随すると予想されている。

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