米サイバーセキュリティー当局、TikTokは「弾を込めた銃」と警告

(2023年4月14日)

2020年9月28日、東京に現れたTikTokアプリのロゴ。中国系動画共有アプリ「TikTok」に対する米国政府の禁止措置は、ワシントン自身の不安を明らかにし、国家権力の乱用であると、中国外務省報道官は2023年2月28日(火)に述べた(AP Photo/Kiichiro Sato, File)。

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Tuesday, April 11, 2023

 米国家安全保障局(NSA)は11日、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を使うことは中国に弾を込めた銃を与えるようなものであり、米国人は用心する必要があると警告した。

 NSAのサイバーセキュリティーの責任者ロブ・ジョイス氏は、共産主義国家・中国はこれまでも事業を展開し、西側を悪用してきたことから、中国が立ち上げたこのアプリの利用には危険が伴う可能性があると指摘した。

 ジョイス氏はシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のイベントで「『決定的な証拠を見せろ』と言っているわけではなく、すぐにでも撃てる銃を持っているということだ。なぜ、その前に立つのか。このプラットフォームを利用することで、危害を受ける可能性がある」と述べた。

 このプラットフォームについて懸念を表明したNSA関係者は、ジョイス氏が初めてではない。NSAのポール・ナカソネ長官(陸軍大将)は3月、下院軍事委員会の議員に対し、TikTokは米国民にとってデータセキュリティー上の問題を引き起こすと述べた。

 ナカソネ氏は、TikTokは「情報操作のためのプラットフォームであり、監視のためのプラットフォームであり、そのデータを誰が管理しているかという点に関して懸念がある」と語った。

 NSA当局者らは、議員らに全米での使用禁止を法制化するよう求めることはしなかった。

 サイバー・インフラ安全局(CISA)のジェン・イースタリー局長は3月、議員らに対して、TikTokの全米での禁止を支持するが、そのような包括的な規制が実施できるかどうかは分からないと述べている。

 議会は、バイデン大統領にTikTokの全米での禁止を追求する権限を与えることを目的とした複数の法案を含め、米国でのTikTokの運営を制限するいくつかの提案を検討している。

 米政府は、企業に共産主義政府への協力を強いる中国の民軍融合政策により、TikTokの親会社であるバイトダンスを通じてTikTok上の米国人のデータが被害を受けることを懸念している。

 議会は、連邦政府の端末からTikTokを削除する法案を可決し、バイデン氏は昨年12月に署名した。バイデン政権は、トランプ政権下で開始されたTikTokの国家安全保障上の審査を続けており、正式な最終結論には至っていない。

 TikTokは、「プロジェクト・テキサス」計画で、米国での事業再編や米国人のデータを中国から遮断するなど、全国的な禁止措置を回避するために努力してきた。

 ジョイス氏は11日、納得のいかない様子で、TikTokを城の中に入れてはいけないトロイの木馬に例えた。

 「TikTokを私の携帯電話にインストールしたら、明日、彼らがそのアプリを通じて他のすべての機密事項にアクセスできると思いますか。おそらく、それはない。TikTokを公開することで、1人または少数のユーザーから搾取するコストは、おそらくそれに見合うものではない。しかし、収集されたすべてのデータ、メタデータが、中国がアクセスできる大きなサーバーに戻ることは問題だ」

 TikTokの広報担当者ブルック・オバーウェッターは11日、声明の中で、TikTokは米国民のデータに関する国家安全保障上の懸念に対処するために前例のない措置を取ったと反発した。

 「国家安全保障に関する懸念に対処する最善の方法は、米国のユーザーデータとシステムを米国内で透明性のある形で保護することであり、堅牢な第三者による監視、審査、検証であり、これは当社がすでに実施している」

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