環境保護優先、中国に甘い民主党
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, April 27, 2023
共和党はこのところ、中国の脅威について超党派でしっかりした合意ができていると何となく考えていた。
しかし、残念ながら、それは間違いだったようだ。
現実には、多くの民主党議員が、中国の脅威について真剣に考えるよりも、他の課題を優先させる傾向がある。ごく最近の例では、下院の「中国との競争に関する特別委員会」の民主党幹部ラジャ・クリシュナムルティ議員(イリノイ州)が、中国産ソーラーパネルへの関税義務付けをバイデン政権に求める決議案に反対票を投じるよう、書簡で同僚議員らに呼び掛けた。
下院は4月28日、下院合同決議案39号の表決を行う。商務省は、中国がソーラーパネルに対する前回の関税を回避したことを突き止めたが、バイデン政権は2022年6月にそれを執行する考えはないと発表しており、この決議案はその発表に対する拒否を表明するものだ。
この決議案は、上下両院を通過すべきであり、必ず通過する。だが、バイデン氏は拒否権を発動しようと待ち構えている。
クリシュナムルティ氏はもっとよく分かっていると思われていた分、非常に残念だ。下院中国特別委員会の委員に任命された時、クリシュナムルティ氏はこう言った。「中国共産党は、米国と、世界中の民主主義と繁栄に深刻な経済的、安全保障的脅威を与えている。…私は、中国共産党が侵略をエスカレートさせていることに対抗し、中国共産党がわが国にもたらす経済・安全保障上の課題を確実に克服するために、この委員会で両党議員と協力することを楽しみにしている」
共和党議員らは、その課題に関して、最も初歩的なことすらできていない。インドとモンタナ州がどうにか実現したTikTok(ティックトック)の禁止は、この議会では無理のようだ。同様に、下院金融サービス委員会では、アンディ・バー議員が提出した、軍部と連携する中国企業を米国の資本市場から排除する法案を、推進できなかった。
今、誰もが、ニューヨークで中国の秘密収容所を運営していた2人を逮捕したことを大きな成果として扱っている。他国が米国内で不法に人を拘束するのを許さないことでこれほどの盛り上がりを見せることにはがっかりさせられる。主権国家であり続けるための最低条件のはずだ。
溝は想像している以上に深いのだろう。
民主党が、環境保護主義者の好みと相反する中国問題に弱腰であることは、驚くには当たらない。しかし、中国とあらゆる面での中国による侵略に対抗するためにつくられた委員会に民主党が選んだ人物が、これほどまでに弱腰であることは驚きだ。
また、新議会が始まってわずか数カ月で、共和党が中国に対して思い切った手段を講じようとしないように見えることも驚きだ。ティックトックを禁止し、外国人が米国内で運営する収容所を閉鎖させることは、すぐにでもできる。もしそれが迅速かつ決意をもって行えないのであれば、より困難で複雑な課題にどのように対処するというのか。