民主党は、共和党への「MAGA」のレッテル貼りが勝利のカギと考える

(2023年5月20日)

2016年7月12日火曜日、インディアナ州ウェストフィールドで、集会の開始を待つ共和党大統領候補ドナルド・トランプの支持者たち。(AP Photo/Michael Conroy)

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Monday, May 15, 2023

 民主党は、政治の場で「MAGA(米国を再び偉大に)」に汚名を着せようと努力している。これを議会での議論に持ち込み、自分たちの邪魔となる共和党議員にレッテルを貼るのだ。

 エイサ・ハッチンソン氏に聞いてみるとよい。ハッチンソン氏は、最近の共和党における全国レベルの主要人物としては、MAGAから程遠い存在だ。同氏の政治的ルーツはロナルド・レーガン元大統領までさかのぼり、MAGA運動の父であるドナルド・トランプ前大統領を長年にわたって激しく批判している。

 それでも、最近までアーカンソー州知事を務めたハッチンソン氏が2024年大統領選の共和党予備選に立候補すると発表した時、民主党は同氏にMAGAのレッテルを貼った。

 「民主党もバイデン大統領も、MAGAを2024年の選挙の争点にしようとしているのは確かだ。それはトランプ氏が自分たちの対抗馬であってほしいという彼らの信念を現している」とハッチンソン氏はワシントン・タイムズ紙に語った。「つまり、彼らはすべての共和党員を同じやり方でレッテル貼りしようとしているのだ」

 同氏に対してだけではない。トランプ氏は下院共和党による国境警備法案の作成に関与しなかったが、それでも民主党はMAGAによる人種差別だと非難した。トランプ氏は、政府の歯止めの掛からない負債を抑制するために大幅な支出削減を求める共和党の計画には加わっていないが、バイデン氏はそれをMAGAによる緊縮財政と呼んだ。

 「米国を再び偉大に」というスローガンは、2016年にトランプ氏をホワイトハウスへと導いたかもしれないが、民主党は今、このレッテルはその名前だけで政治家や政策を傷つける政治的武器であると考えている。

 ニューヨーク州選出の上院院内総務チャールズ・E・シューマー氏は、この戦術に確信を持っている。同氏は議会で、最高裁判決や予算交渉、その他の保守的な立場に対し、「MAGA過激主義」と指摘する演説を次から次へと行っている。

 世論調査は、この戦略が賢明であることを示している。NBCニュースが先月発表した成人1000人を対象とした全国調査では、MAGA運動を肯定的に捉えている人が24%、否定的に捉えている人が45%だった。また、このスローガンをよく知らない、あるいは自らの立ち位置が分からないという人もいた。

 この調査結果には、MAGA運動に対して「非常に否定的」な見方をする人が37%も含まれていた。ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)の方がはるかに人気が高い。また、民主党と共和党に対する評価も、MAGAよりは高かった。

 多くの共和党員は、トランプ氏のMAGA政策を喜んで受け入れている。実際、多くの選挙区で同党予備選に勝つための前提条件となっている。

 また、MAGA運動はジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員、フロリダ州選出のマット・ゲッツ下院議員、アリゾナ州知事選に敗れたカリ・レイク氏など、共和党の中でも特に個性的な人物を生み出している。

 共和党員の中には、それが妥当かどうかは別として、MAGAという標語を掲げることが選挙に与える影響について疑問を持つ人もいる。

 ヴァンダービルト・プロジェクト・オン・ユニティ&アメリカンデモクラシーが先月発表した世論調査では、米国民の18%、共和党員全体の38%が 「MAGA派」と自認している。

 驚くべきことに、その自称MAGA共和党員の52%が、バイデン氏よりもロシアのウラジミール・プーチン大統領の方が良い大統領だと考えている。

 バイデン氏はMAGAを政治的武器として完全に取り入れている。再選出馬を発表した動画で同氏は、米国人の自由を奪おうとする「MAGA過激派」の存在を訴え、トランプ氏支持者が連邦議事堂を襲撃した写真が画面いっぱいに映し出された。

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