初めての妊娠の中絶は出産に比べて精神面に悪影響

(2023年7月17日)

2022年7月7日木曜日、ミネソタ州ダルースのWEヘルスクリニックで、吸引機を病室に運ぶ検査助手のシドニ・ハンソン。2023年6月30日金曜日に発表された年次報告書によると、ミネソタ州では2022年に人工妊娠中絶が20%急増した。(AP=写真/デレク・モンゴメリー)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Monday, July 10, 2023

 青い州(民主党が強い州)のほとんどで、女性のメンタルヘルス(心の健康)を守るために、胎児が母体外で生存可能になった後も人工妊娠中絶を認める法律がある。しかし、新たに発表された論文は、中絶は事態を改善するどころか悪化させていることを示している。

 プロライフ(中絶反対派)の「シャーロット・ロージアー研究所」は10日に発表した査読付き論文で、初めての妊娠で中絶した女性は、メンタルヘルスの治療を受けるケースが最初の妊娠で出産した女性よりも大きく増加することが分かった。

 「国際女性健康ジャーナル」に掲載されたこの論文は、「中絶は出産よりもその後の精神疾患の発症率が高く、その差は既往歴では説明できない」としている。

 初めての妊娠で中絶した女性は、外来受診が3.4倍、入院が5.7倍、メンタルヘルスサービスのための長期入院が19.6倍多いことが分かった。

 「初回妊娠の中絶後と出産後におけるメンタルヘルスサービスの利用に関するコホート研究」と題されたこの論文は、プロチョイス(中絶支持派)の活動家たちが(女性の中絶権を認めた)ロー対ウェイド判決が覆されてから女性の身体的・精神的健康を守る中絶ケアの重要性を訴える中で発表された。

 研究者らは、「州の税金が中絶費用に使われ、期間中の全ての保険金請求が提出された」7州で、1999年から2015年にメディケイド(低所得者向け公的医療保険)に加入していた女性4800人以上の保険金請求データを調査した。

 17年間で調査された保険金請求データは、コネティカット、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴン、バーモント、ウェストバージニア各州のものだ。

 論文の主執筆者であるジェームズ・スタドニッキ氏は、同研究所で副所長兼データ分析部長を務めるベテラン公衆衛生学者だ。同氏によると、フィンランド、イタリア、中国、ドイツ、韓国、米国で行われたこれまでの研究で、中絶は不安、うつ、自殺の増加に関係しているという。

 スタドニッキ氏は「母子を守るために中絶を制限することが『精神的健康被害』を生むと主張する研究者もいる」と指摘。「長年の保険金請求データを用いたわれわれの研究は、その反対の結果を示す国際的な査読付き研究の広範な体系に追加されるものだ。つまり、中絶そのものが幾つかのメンタルヘルスの指標に著しい悪影響を及ぼすということだ」

 興味深いことに、この論文では、最初の妊娠で出産した女性は出産前にメンタルヘルスサービスを受けた割合が中絶を受けた女性よりも高いことが分かった。

 論文は「しかし、初めての妊娠で中絶した女性を追跡すると、出産した女性よりもメンタルヘルス利用率が非常に高い」としている。

 「初めての妊娠の中絶が相当な精神的健康被害と関係している証拠は明らかだ」。論文の共同執筆者であるロージアー研究所のテッサ・ロングボンズ上級研究員は語った。「女性には、人生を変えるような決断をする前にこのことを知り、それがどれほどの害をもたらすかを理解する権利がある」

 中絶支持派団体「家族計画連盟」は、中絶がメンタルヘルスの悪化につながることに反論している。同連盟が引用したカリフォルニア大学サンフランシスコ校ビクスビー国際リプロダクティブ・ヘルス・センターの研究者による2017年の研究では、中絶を受けた女性と拒否された女性の5年後のメンタルヘルスは同じだと報告したことが分かった。

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