ペンス氏、ウクライナ支援の継続訴え
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Friday, July 14, 2023
ペンス前副大統領は、混戦模様の2024年米共和党大統領予備選に割って入ろうとしているが、米国が将来、世界的紛争に軍を派遣しなくて済むようにする一つの方法は、ロシアの侵攻を受けたウクライナへの軍事的・経済的支援を継続することだと主張している。共和党内では、ウクライナ支援への反対が根強い。
ペンス氏は、伝統的な保守派と、戦争にうんざりしている「米国を再び偉大な国に(MAGA)」運動のメンバーとの橋渡し役となることを目指している。MAGA支持者らは、連邦政府が国内の課題にもっと集中することを求めている。
ペンス氏は14日、アイオワ州で開催された保守派キリスト教徒のグループ「ファミリー・リーダー」の2023年サミットで、「(ロシア大統領の)ウラジーミル・プーチン氏がウクライナを制圧すれば、短期間のうちに(ロシア軍が)NATO(北大西洋条約機構)加盟国との国境を越え、私たちの軍隊が防衛に向かわなければならなくなることは間違いない。ウクライナ軍がロシアの侵略と戦い、撃退するために必要なものを与えたい」と語った。
「ロシア軍をそこで阻止する必要があると思っている。そうすれば、私たちの兵士が、私たちが守らなければならない国境を越えて来るロシア軍を阻止するために派遣されることもなくなる」
ウクライナ問題に対処するための最良の道筋を描くことが、2024年の共和党大統領候補指名争いの初期段階のリトマス試験紙となっている。
トランプ前大統領は、この戦いでどちらかの側に付くことを拒否し、当選すれば24時間以内に戦争を終結させると宣言している。トランプ氏は、バイデン政権がウクライナを強力に支援していることを批判している。ウクライナ支援は今週リトアニアで開催されたNATO首脳会議でも改めて強調された。
しかしペンス氏は、トランプ氏がウクライナでの戦争を短期間で終わらせることができるのは、プーチン氏の要求をすべて受け入れ、ロシア軍がウクライナの大部分を占領したままにした場合だけだと警告している。また、中国は、西側諸国がプーチン氏のウクライナ侵攻にどう反応するかを注視していると付け加えた。
ペンス氏は14日のキリスト教徒の有権者が集まったフォーラムで、ロシアによる侵攻を阻止することは、「米国と自由世界がアジア太平洋での中国の軍事的野心を容認することはないという強力なメッセージを中国に送ることになる」と語った。
また、ウクライナ政府がキリスト教徒を迫害しているという報道を取り上げ、最近ウクライナを訪問した際、政府当局者らから、そのようなことは起こっていないという報告を受けたと述べた。
ペンス氏の主張は、トランプ氏や、FOXニュースの元司会者タッカー・カールソン氏ら右派の人々とは一致しない。ファミリー・リーダーのイベントの司会を務めたカールソン氏はペンス氏に対し、国内の問題解決に回すことができる資金を、なぜウクライナ支援のために使わなければならないのか説明するよう迫った。
ペンス氏はこれに対し「自由世界のリーダーになり、かつ、自国の問題を解決することができないという人は、この地球上で最も偉大なこの国についてかなり狭い視野しか持っていない。われわれは両方、達成できる」と反論した。