アイオワ党員集会、トランプ氏から離反の動きも-米大統領選

(2023年8月17日)

2023年8月12日、アイオワ州デモインで開催されたアイオワ・ステート・フェアを訪れ、支持者に語りかける共和党大統領候補ドナルド・トランプ前大統領。起訴されるたびに、トランプ氏は共和党員の中での自分の地位は向上するばかりだと自慢してきたが、それは一理ある。AP通信NORCセンターが実施した新しい世論調査によると、共和党員のほぼ3分の2にあたる63%が、トランプ前大統領の再出馬を望んでいると回答している(AP Photo/Charlie Neibergall)。

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, August 16, 2023

 【パノラ(アイオワ州)】アイオワ州ではドナルド・トランプ前大統領が圧倒的な支持を得て、ライバルの影は薄くなっているが、共和党を支持する有権者の一部で、そろそろ転換すべきではないかという空気が漂っている。

 2016年と2020年のトランプ支持者の中には、トランプ氏のがさつな言動や同僚共和党員に対する暴言にうんざりしている者もいる。彼らはまた、トランプ氏の犯罪歴が増えることで、最大の目標である「バイデン大統領を追い出す」ことが難しくなることを懸念している。

 エンジニアを引退し、アイオワ州ソロンに住むカル・リリエンタールさんは、「アイオワの党員集会は、多くの人々にとって意表を突かれるものになると思う。州の保守的な地域に住んでいるが、知り合いのほとんどはトランプ氏が再び候補者になることを望んでいない」と話した。リリエンタール氏は、これまでに2度トランプ氏を支持したが、今回はフロリダ州のロン・デサンティス知事支持に傾いている。

 アイオワシティの農家、ジョン・カナディさん(65)は、トランプ氏は最大の敵だと語った。

 まだ誰を支持するか決めていないというカナディさんは、「多くの有権者が、トランプ氏のやり方に幻滅しているのではないかと心配している。いじめっ子は嫌われる。どの政党であろうと関係ない。…人々はいじめっ子が嫌いだ。たとえそのいじめっ子が自分の側にいてもだ」と述べた。

 世論調査で圧倒的なリードを保っているトランプ氏への否定的態度は、アイオワ州で5カ月後に行われる最初の指名争いを控え、対抗馬らに有利に働きそうだ。

 今月発表されたニューヨーク・タイムズ紙/シエナ・カレッジによるアイオワ州党員集会に参加するとみられる有権者432人を対象にした調査では、トランプ氏は44%対20%で2位のデサンティス氏をリードしていた。

 デサンティス氏はアイオワ州での選挙戦に注力している。この州の選挙で好成績を収めれば、トランプ氏の必勝態勢を大きく崩すことができる。選対の責任者を交代させ、戦略を練り直し、有権者との交流を深めている。

 デサンティス氏は4週連続して、週末をアイオワ州で過ごし、州内99郡のうち38郡を訪れた。妻のケイシーさんと3人の幼い子供を連れていることもよくある。

 彼のスーパーPAC(政治活動委員会)「ネバー・バック・ダウン」には、州内に投票依頼人のチームがいる。1万人以上のアイオワ州民がデサンティス氏への投票を表明している。

 テキサス州のテッド・クルーズ上院議員が2016年の党員集会で5万1666票を獲得して勝利したことを考えると、この数字は注目に値する。トランプ氏は4万5427票で2位だった。

 トランプ氏を支持してきたという金融アドバイザーのヒース・ボークさん(43)は、コーラルビルで最近行われたデサンティス氏の演説に耳を傾けた。

 ボークさんは、トランプ氏が、本選で勝つために必要な無党派層からの支持を得られるかどうかに疑問を呈したうえで「私は、悪ふざけのないトランプ氏の政策に賛同してくれる人を探している」と語った。

 デサンティス氏は、地元保守系ラジオの有力司会者スティーブ・ディース氏の支持を得た。キム・レイノルズ州知事や、トランプ氏に批判的なキリスト教保守団体「ファミリー・リーダー」代表のボブ・バンダー・プラッツ氏とも強い結びつきを築いている。

 マイク・ペンス前副大統領もアイオワ州で精力的に活動している。ニッキー・ヘイリー元国連大使、サウスカロライナ州のティム・スコット上院議員、実業家のビベック・ラマスワミ氏も遊説している。

 それでも主役はやはりトランプ氏だ。アイオワ・ステート・フェアでは最大の熱狂的な観衆を集めた。

 しかし、トランプ氏はほとんど現地を訪れていない。

 トランプ氏に対する4件の起訴が資金面で打撃を与え、選挙運動から遠ざかる恐れがあり、一部の有権者の心に疑念が生まれている。しかし、共和党支持者のほとんどは、この起訴はでたらめだと考えている。

 トランプ氏は、レイノルズ氏には規律がなく、有権者は苛立ち、当惑していると批判している。レイノルズ氏が選挙戦で中立を保ち、2018年の知事選初勝利を自分の手柄にしていることに不満を抱いている。

 セミリタイアしている建築業者のテッド・リーブさんは「レイノルズ氏は素晴らしい仕事をした。個人的にトランプ氏は大好きだが、彼は黙っていることができない」と述べた。

 65歳のリーブさんは、「トランプ氏はMAGA(「米国を再び偉大に」運動)だけでなく、国全体を導かなければならない。自分はMAGAを支持している。私は彼の政策が大好きだ。在職中の数年間、その政策に反対することはあまりなかった。ただ、バイデン氏に敗れた。恐らくね。新しい血が必要な時期に来ている。8年間そこにいられる人の方がいい」

と述べた。

 リーブさんの妻パティさんは、「要するに、私は彼の政策が大好きで、彼が国のためにしてくれたことは大好きなのだが、その性格にはうんざりしている」と話した。

 トランプ氏はまだ党の大部分をしっかり押さえている。別の候補者を検討している共和党支持者でも、トランプ氏が候補者になれば支持すると言っている。さらに、トランプ氏を過小評価すべきではないとも言っている。

 カナディさんは、「トランプ氏を排除しているわけではない。トランプ氏を排除することが間違いだということは分かっている。それが分かっていないのなら、そんな候補は支持できない」と述べた。

 最新のリアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均では、トランプ氏が44%対17%の大差でデサンティス氏をリードし、スコット氏9%、ヘイリー氏4%、ペンス氏3%と続く。

 共和党のストラテジストでアイオワ州党員集会に詳しいデイブ・コークル氏によると、アイオワ州を訪れ、多くの人と握手する候補者は、党員集会で良い結果を出すことが多いという。

 「アイオワ州民は努力には応えてくれる。もしこれらの陣営が、郡から郡へ、町から町へと徹底的に戦い続け、トランプ陣営がそれらを蔑ろにするようなら、逆転があるかもしれない」

 共和党の大統領候補らは来週、次の大きな試練を迎える。最初の討論会に参加する資格を得た候補者は、国家に対する自身のビジョンを訴え、トランプ氏と距離を置くことになる。トランプ氏はこの討論会を欠席する可能性がある。

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