月でのマナーに留意を

(2023年9月2日)

2023年8月23日(水)、チャンドラヤーン3号探査機が着陸準備を進める月面。インドは月の南極付近に宇宙船を着陸させた最初の国となった。月の南極には凍った水が蓄えられている可能性があると科学者たちは考えている。(ISRO via AP)

By Editorial Board – The Washington Times – Friday, August 25, 2023

 宇宙開発競争が再び熱を帯びてきており、主要な競争国は優位に立とうとすでにしのぎを削っている。ロシアと中国は、その攻撃的な振る舞いを月に持ち込む構えだ。地球外への願望を持つどちらの国も、そこでの関係を規定する国際協定に署名する気はないからだ。月を探査する者たちは、大変なトラブルに巻き込まれるかもしれない。

 この二つの大陸大国の間に生まれた協力関係は、互いの軍事的冒険主義を黙認することを特徴としている。これは現在、ロシアがウクライナを吸収しようとしていることや、中国が台湾を併合する準備を進めていることに現れている。2021年、隣国である両国が「国際月研究ステーション」と名付けられた共同月面基地を建設することで合意したのも当然だろう。他にも、ベネズエラ、アラブ首長国連邦、パキスタンなど、宇宙を目指す国々がこのプロジェクトへの参加を表明している。

 中露の計画への初期参加国が、米国が主導する28カ国の国際宇宙協定である2020年のアルテミス協定に、参加を見送ったことは注目に値する。この協定の目的は、「民間探査における協力と月、火星、彗星、小惑星の平和目的のため利用の原則」を確立することである。

 ユーラシア大陸の二大国の地球上での攻撃的な行動を考えれば、「平和目的」が将来の月探査の優先事項であるとは限らないと疑う理由がある。ロシア語や中国語で「正直ものは、ばかを見る」は何と言うのだろうか?

 最近の宇宙開発で振るわないロシアが特に月への競争でトップランナーに後れを取っている。月面に軟着陸するためのモジュール間の競争において、ロシアの無人宇宙船ルナ25が墜落した一方で、インドのチャンドラヤーン3号は8月23日に無事着陸した。

 中国はさらに幸運で、2019年に月の裏側に宇宙船を着陸させ、翌年には往復ミッションで月の物質を回収した。これらの成功は、ロシアの精彩を欠いたパフォーマンスを補って余りある信頼性をもたらしている。中国はまた、2035年までに月の南極付近に人が滞在できる施設を建設するというプロジェクトの予定を疑う理由がほとんどないことも示唆している。

 一方、米国と他のアルテミス協定加盟国は、2031年から同じ月の南極付近に拠点を構える予定だ。研究者たちは、このエリアに飲料水となり得る豊富な氷が存在することを発見した。また、この氷は水素と酸素に分解することができ、将来の火星探査やその先の探査の動力源となるロケット燃料の製造に利用できる。

 直径が地球の4分の1しかない月だが、それでも月面を探査する者にとって自由に行動するのに十分な広さがある。一方で、地球では共有することについての関心が欠けている。中国がチベットで行ったように、望む土地を吸収する習慣や、南シナ海における中国の広大かつ法外な領海の主張は、宇宙にはふさわしくない。ましてやロシアの軍事的冒険主義は歓迎されない。

 宇宙を利用する国々は、領土征服への歴史的な野心を宇宙空間に持ち込むのではなく、月でのマナーに留意し、国家よりも人道性を優先し、宇宙競争が人類全体にとって比類ない進歩をもたらすようにすべきである。

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