バチカンの同性婚容認 米カトリック教会で賛否

(2023年12月24日)

2023年10月18日、バチカンのサンピエトロ広場で行われた毎週の一般謁見で演説する教皇フランシスコ。教皇フランシスコは、司祭が同性カップルを祝福することを正式に承認した。2023年12月18日月曜日に発表された新文書では、神の愛と慈悲を求める人々がそれを受けるために「徹底的な道徳的分析」を受けるべきでないと主張し、バチカンの方針の根本的な変更を説明している。(APフォト/アレッサンドラ・タランティーノ、ファイル)

By Mark A. Kellner – The Washington Times – Monday, December 18, 2023

 キリスト教カトリック教会のフランシスコ教皇は18日、司祭が同性カップルに祝福を与えることを承認した。保守的なカトリック教徒からは批判の声が、またLGBTQグループからは称賛の声が上がっている。

 ローマ教皇庁(バチカン)は、そのような祝福が教会レベルにまで上がることはないだろうと警告するが、同性愛者のカトリック教徒には「道徳観についての細かな調査を受ける」ことなく神の慈悲を求める機会を提供するだろう。

 バチカンの教皇庁教理省は、教皇の承認のもと宣言文「フィドゥチァ・スプリカンス」を発表したが、教皇の署名入りではない。教皇は3カ月足らず前に「結婚の間違った概念を伝えない」限りこのような祝福は可能とする書簡を発表している。

 カトリック信仰の中で同性カップルがどのように扱われるべきかという問題は、ますます重要になってきている。ドイツの司教と司祭は、バチカンの承認無しに同性カップルの祝福へと踏み出した。

 このような動きは「デュビア(疑い)」を生じさせ、5人の枢機卿から教皇へ公式の質問状を促す事態となった。10月にその回答があった。

 「LGBTQカトリック・リソース」をうたうウェブサイト、Outreach.faithのライアン・ディ・コーポ編集長は、この宣言は「教会とLGBTQカトリック教徒との関係において大きな前進だ」と述べた。

 コーポ氏は「バチカンは初めて、司祭、助祭、聖職者による同性カップルの祝福を承認した。これまでとは大違いだ」と語った。

 メリーランド州マウントレーニアの活動団体、ニュー・ウェイズ・ミニストリーのフランシス・デベルナルド事務局長は声明で「教皇フランシスコは同性カップルへの祝福を承認することで、今年、LGBTQカトリック教徒に早めのクリスマスプレゼントを与えた。『神は罪を祝福しない』とのバチカン教義事務所の以前の主張は、新たな勧告によって一掃された。『神は彼に近づく者に決して背を向けない』」と語った。

 同性愛者の権利団体はこのニュースを歓迎したが、教会法の資格を持っているカトリック神学者ドーン・エデン・ゴールドスタイン氏は、教会員はバチカンの声明を注意深く読むべきだと助言した。

 彼女は、カトリック教徒は「左からでも右からでも、メディアの偏向を避けるよう注意すべきだ。左派と右派の両方の人々ともに、教皇が教義を変えているというリベラルな教皇の物語を広めようと躍起になっている。ここで変化している唯一の教義は、祝福の障壁は何かという教義。『結婚とは何か』の教義ではない」と述べた。

 カトリックの作家ジョン・ズミラク氏は、バチカンの動きは13億人の信徒を抱えるカトリック教会にとって好ましくないと述べた。

 カトリック系ウェブメディア「ストリーム」の編集主任であるズミラク氏は「熱心なカトリック教徒にとって、フランシスコ教皇は教皇制度自体を深い疑念の中に放り込んだ。教皇は実際には同性愛者のカトリック教徒の結婚に相当する同性カップルのための祝福を承認している。裕福で訴訟好きな同性カップルに素晴らしい儀式を行うことを望まない司祭に対し、米国の裁判所が罰金を科すことはあり得る」と語った。

 ズミラク氏はまた「すべてのカトリック聖職者は現在、訴訟の標的にされたキリスト教の結婚式プランナーやパン屋のような運命に直面している。訴訟当事者は、教皇の文書を引用して、不運で忠実な聖職者から和解を勝ち取るだろう。教皇が天国に召される頃に教皇庁がどのようになっていようと、われわれの大半には到底、分からない。しかし神は知っている。われわれは信頼しなければならない」と述べた。

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