ジャック・スミス特別検察官の大いなる「反乱」の嘘

(2024年1月3日)

ドナルド・トランプ前大統領の起訴についてメディアに話すジャック・スミス特別弁護人(2023年8月1日、ワシントンの司法省事務所にて)。最高裁判所は12月22日(金)、ドナルド・トランプ前大統領が2020年の選挙結果を覆すために行った行為について起訴できるかどうかの判断を下すため、ジャック・スミス特別弁護人による申し立てを直ちに取り上げることはないと述べた。(AP Photo/J. Scott Applewhite, File)

By Editorial Board – The Washington Times – Monday, January 1, 2024

 ドナルド・トランプ前大統領の弁護団は、昨年末の休暇を返上し、11月の大統領選前に顧客を刑務所に入れまいと奔走した。ジャック・スミス特別検察官は、2020年の選挙結果にあえて疑義を呈したトランプ氏を罰することを求める裁判で、先週提出した書類により、弁護団と検察側双方の祝祭を台無しにした。

 特にスミス氏は、野心的で党派的な検察官が、バラク・オバマ元大統領が任命した裁判官に、トランプ氏が公判で自分に対する容疑について質問することを禁止するよう求めている訴訟で、「党派的な政治攻撃と無関係で偏見に満ちた問題」を持ち込もうとしているとして、トランプ氏を非難した。

 スミス氏によれば、トランプ氏はワシントンで「陪審による法の無効化論(陪審員が法律の適用を拒否できるとする考え)を支持する」ために「根拠のない政治的主張」をしているという。まるでバイデン大統領に投票した人物だけで構成される陪審員が、そんなことをする気がある、という想定に立ったものだ。

 タニヤ・S・チュトカン連邦地裁判事がスミス氏に同意した場合、トランプ氏は、ホワイトハウスと行動を共にしている民主党によって、選択的かつ執念深く訴追されているとは言えなくなるし、そのような問題に対する管轄権を持つ裁判所、すなわち上院によって、偽りの「反乱」容疑はすでに晴らされているとも言えなくなる。

 しかし、スミス氏を真に駆り立てているのは、この訴訟の核心である、2021年1月6日に起きた連邦議事堂乱入事件は「反乱」であったという民主党とその仲間のメディアが作り上げた虚構について、トランプ氏が疑義を呈するのを阻止したいという思いである。

 トランプ氏が国民に「平和的かつ愛国的に声を届けるために国会議事堂まで行進しよう」と呼び掛けたのは、新たな(場合によっては違法な)郵便投票規則によって生み出された選挙の不正行為を調査するよう議員たちを促すためだった。

 当時のトランプ大統領が、平和的な政権移譲を阻止するために、彼の指揮下にある実際の軍隊ではなく、シャーマンのような格好をした男が率いる「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」の帽子をかぶった無秩序な群衆を、指揮したと考えるのはとんでもないことだ。

 これとは対照的に、本物の反乱は1806年に勃発していた。アーロン・バー元副大統領は決闘でアレクサンダー・ハミルトンを射殺した2年後、外国勢力と共謀し、ニューオーリンズを占領し西部領土を奪取するために実際に軍隊を招集した。1月6日に連邦議事堂で起こったことは非難に値するが、過去数十年にわたる左翼の攻撃は、本当の暴力がどのようなものかを示している。

 1954年、ピストルを振り回した4人の活動家が議場の傍聴席から発砲し、5人の議員が負傷した。ミシガン州選出で共和党のアルビン・ベントレー下院議員(当時)は胸を撃たれ、病院に到着した時には生存率は五分五分と宣告されていた。

 1971年と1983年には、極左団体「ウェザー・アンダーグラウンド」の活動家が議会上院で爆弾を仕掛けたが、いずれも窓ガラスが数枚割れた程度で済まない被害を建物に与えた。2017年には、錯乱したバーニー・サンダース支持者がバージニア州アレクサンドリアのグラウンドで議会野球の練習をしていた共和党議員6人を銃撃した。当時の多数党院内総務だったスティーブ・スカリーズ下院議員は重体で入院したが、数回の手術を経て回復した。

 それは2年前に起こった事件より、むしろ反乱に近い。今日、平和的な権力移行を妨げようとしている人物はまさにスミス氏だ。

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