日韓歴史問題が再燃 佐渡追悼式典巡リ誤報

(2024年11月28日)

2024年11月24日日曜日、新潟県佐渡市で行われた佐渡金山の追悼式典で献花する生稲晃子外務政務次官。(AP写真/星子悠仁)

By Andrew Salmon – The Washington Times – Tuesday, November 26, 2024

 【ソウル(韓国)】インド太平洋地域の政治で長年繰り返されてきたことだ。日本と韓国は、この地域で米国にとって欠くことのできない同盟国だが、第2次世界大戦など、両国間の歴史をどう認識していくべきかを巡って対立してきた。また新たな問題が再び表面化した。

 複数の報道によると、今回のいざこざは日本での誤報が元になっているようだ。

 とはいえ、戦時中に日本の炭鉱で働いた労働者の追悼を巡って発生した今回の対立は、30年にわたって韓国と日本の関係を悩ませてきた過去の繰り返しというべきものだ。このようなことはこれまでにもよく見られてきた。1945年までの数十年間の日本による朝鮮半島支配に関連する歴史に関するものだ。これについて日本が謝罪する、すると、韓国はその謝罪を不誠実あるいは不完全なものとして拒否する。双方で悪感情が強まる。これの繰り返しだ。

 韓国人「慰安婦」を巡る緊張は長く続き、当時の日本当局による強制労働に対する不満もこの繰り返しの要因となっている。

 韓日の指導者は、バイデン米政権から強い後押しを受け、国内に政治的困難を抱えながらも、三つの民主主義国家間の協調を促進するために、近年このパターンを打破しようとしてきた。

 しかし今、また新たな論争が両国の紙面を賑わせ、歴史的緊張の強さと、いまだ不安定な両国関係の実態が改めて浮き彫りになった。これはまた、トランプ次期政権が北東アジアでの外交バランスを図る上で、厄介な問題でもある。

 この騒動は、日本の「佐渡島(さど)の金山」の追悼式典への出席を韓国政府が拒否したことから始まった。

 日本は第2次世界大戦中、当時支配下にあった朝鮮半島の出身者推定1500人を含む労働者を動員し、佐渡の地下で厳しい条件のもとで労働をさせた。

 日本政府は長い間、この金山をはじめとする産業遺産を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にすることを目指してきた。そのためには、世界遺産委員会に議席を持つ韓国の支援が必要だ。韓国政府は、日本が朝鮮半島出身者の「強制連行」を認め、彼らをたたえる追悼式典を毎年開催することを条件に、世界遺産登録に同意した。

 日本政府はこれを受け入れ、24日に生稲晃子外務政務官率いる佐渡での追悼行事を実施した。生稲氏は、朝鮮半島出身者が耐えてきた「危険で過酷な条件」を認めたが、強制性については言及せず、謝罪もしなかった。

 日本の観光業界は、佐渡金山がユネスコの世界遺産に登録されたことを受けて、「まだ見ぬ日本」にある「ユニークな新しい旅行先」をソーシャルメディア上で宣伝している。

 しかし、生稲氏の出席に韓国は当初、反発していた。日本で、生稲氏は2022年に東京の靖国神社を参拝したと報じられたからだ。靖国神社は日本の保守派にとっての重要な場所であり、祀られている数百万人の戦没者の中に14人のA級戦犯も含まれている。中国と韓国は、靖国参拝は戦前にさかのぼる日本の軍国主義を想起させるものとして、繰り返し抗議してきた。

 韓国政府の代表と朝鮮半島出身労働者の家族は、24日の式典をボイコットした。そして25日には、佐渡の労働者宿舎の跡地で別の追悼式が行われた。

 2027年の大統領候補と目される韓国の野党指導者、李在明氏は、この事件を利用して、日本との関係改善と戦争関連の不満の緩和を積極的に推進してきた保守派の尹錫悦大統領を攻撃している。

 李氏は、尹政権による日本との関係改善を快く思っておらず、25日には「1500人以上の強制動員は歴史から消された」と主張し、尹政権の対日外交を「従順で融和的」と非難した。

 左寄りのハンギョレ新聞は25日、李氏の主張を受けて、韓国政府の対応を「ひれ伏している」と報じた。

 しかし、新たな展開が別の混乱を引き起こした。生稲氏が3年前に靖国神社を参拝したという報道は誤りだったことが判明したからだ。騒動が大きくなる中、共同通信は24日遅くに生稲氏の参拝が誤報だったことを認め、26日には同社の社長が外務省に謝罪した。

 日本の政治評論家の西村凜太郎氏はX(旧ツイッター)に、「(韓国政府は)生稲氏の追悼式典出席が(式典の出席見送り)決定に影響を与えたわけではないとしているが、日本メディアの報道によれば、このニュースは韓国内で広まり、韓国政府の決定に影響を与えた可能性がある」と投稿した。

 この分析は、共同通信が誤報を認める前の複数の韓国報道によって裏付けられている。ソウルに本社を置く新聞ハンギョレは、生稲氏の写真の説明に「生稲氏が過去に靖国神社を参拝したことが、韓国政府が(24日の)追悼式典をボイコットするきっかけになった」と書いた。この写真説明は、韓国の権威ある聯合通信のものを引用した。

 政府系のKBSラジオも同様の理由を報じた。

 保守系の朝鮮日報は、韓国政府が式典出席を見送ったのは、「日本が生稲晃子氏を派遣することで…不誠実な外交的選択をしたためだ。生稲氏は2022年に、議論の的となっている靖国神社を訪れていた」と書いた。

 日韓双方は両国関係への影響を収拾しようとしている。韓国外務省はその姿勢を明らかにしようとした。韓国政府当局者が24日の式典に出席しなかったのは、佐渡の式典での日本の追悼の辞が「合意されたレベルに達していない」という理由からだと説明したが、これは、多くの報道と食い違う。

 日本の林芳正官房長官は、共同通信の誤報について「極めて遺憾」と述べた。

 韓国の聯合通信によると、日韓外相は26日、先進7カ国(G7)会合が開かれたイタリアで会談し、佐渡を巡る混乱はあるが、二国間協力の推進に変わりはないことで合意した。

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