ニューヨークの危険な左翼
By Editorial Board – The Washington Times – Tuesday, December 10, 2024
米国人は無法状態にうんざりしている。9日にマンハッタンの陪審員が、混雑した地下鉄で問題を起こした人物を取り押さえたダニエル・ペニー氏を無罪としたことで、それが明らかになった。
マンハッタン地区検察官のアルビン・ブラッグ氏は、取り押さえられた男がその後、死亡したことを受けてペニー氏を投獄しようとした。この意図しない結果に対してペニー氏に厳罰を科すことは、暴力犯罪が目の前で行われても法を守る市民は見て見ぬふりをするべきだというメッセージを伝えることになる。
ブラッグ氏は重罪を軽犯罪に減刑することが常であり、そのためニューヨーク市民を悩ませるごろつきが常に存在することになる。42回の逮捕歴を持つ常習犯のジョーダン・ニーリー氏が、自らの死に至る事件を引き起こした。
合成マリフアナに酔った30歳のホームレスが、地下鉄車両の狭い空間で叫び始めた。彼は乗客の女性や子供たちを脅し、「刑務所に行って終身刑になっても構わない。死ぬ覚悟はできている。殺すぞ」と言った。
乗客たちは恐怖に包まれた。「この瞬間、初めて自分が死ぬかもしれないと感じた」とある女性は裁判で証言した。
ペニー氏は脅威を取り除くために行動に出た。「他の乗客を守り、自分やニーリー氏を守るために行動しなければならないと感じた」と同氏は昨年、弁護士が公開したビデオで語った。
海兵隊の基礎訓練で学んだ技術を使い、現在26歳のペニー氏は警察が到着するまでこの騒ぎを起こす人物を抑えた。ニーリー氏の抵抗に応じて力の加減を調整していた。弁護側の専門家は、絞め技がニーリー氏の死因であるという検察の主張に反論した。
目撃者は、警察が現場を掌握したとき、ニーリー氏には脈があり呼吸していたことを確認した。警察は自分たちの安全のためにマウス・ツー・マウス人工呼吸を行わず、代わりにオピオイド過剰摂取の治療薬であるナロキソンを投与した。
アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(ニューヨーク州選出の民主党員)やアル・シャープトン牧師らは、すぐにニーリー氏を殉教者に仕立て上げた。ニューヨークでは常習犯罪者が保護される立場にあり、無罪判決が出た場合の暴動の可能性をほのめかすために、評決前に怒れる群衆が裁判所の外に集まった。陪審はこの威圧に屈せず、勇気を示した。
陪審がより重大な過失致死罪で意見が割れた後、より軽い罪である刑事過失致死罪を棄却したのはおそらく偶然ではない。彼らが後者の決定を下したのは、覆面をした男がシックスアベニューでユナイテッドヘルスケアのCEOブライアン・トンプソン氏を冷酷に射殺した直後だった。犯人は、傍観者が介入しないことを確信して、現場を悠々と立ち去った。
エリック・アダムス市長は民主党の正統的な考え方を否定し、ペニー氏を擁護した。「本来われわれが都市としてすべきことをした人物が地下鉄にいた、ということだ」と述べた。
一方、ブラッグ氏はそうは思っていない。同氏はニューヨーク市民が恐怖の中で生活していることを気にしない。彼は、自分の補佐官の一人が最近、ベネズエラのギャングメンバー(不法移民)に自宅の外で強盗に遭ったことも気にしない。
ブラッグ氏の選挙運動に資金を提供したマルクス主義者たちは、社会変革を達成する手段として混乱を好む。11月の選挙結果と今回のペニー氏の無罪判決は、ニューヨーク市のリベラル派でさえ左翼の危険な行動にうんざりしていることを示す歓迎すべき兆候だ。
これから起こる社会変革は、左翼が予想していたものとは異なるかもしれない。