AIは強力な「ゲームチェンジャー」になる-CIA

2022年9月24日土曜日、ヴァージニア州ラングレーの本部ビルのロビーに見える中央情報局(CIA)のシール。(AP Photo/Kevin Wolf)
By Ryan Lovelace – The Washington Times – Wednesday, July 30, 2025
米中央情報局(CIA)は、強力な人工知能 (AI) が「ゲームチェンジャー」となり、情報活動を一変させるとして、その準備を進めている。
CIAのマイケル・エリス副長官は、汎用人工知能 (AGI) がいつ登場するかは「まだ不明」だが、準備を進めているとワシントン・タイムズに語った。
世界中の有力な研究者や技術者は、AGIの実現に取り組んでいる。AGIとは、あらゆる認知領域で少なくとも人間と同等のパフォーマンスを発揮するAIシステムを意味する。
エリス氏はインタビューで、このような技術は特にサイバー空間での防御や攻撃、戦争で使用されるドローンに影響を与える可能性があると述べた。
「出現すれば、真のゲームチェンジャーになる可能性があると思う。情報活動だけでなく、より広範な国家安全保障を根本的に再構築するものだ」
高度なAIに向けたCIAの準備の狙いは、技術面で意表を突かれ、米国の国家安全保障を混乱させることのないようにすることだ。
CIAは、AGIを理解し、活用するためにあらゆる手段を講じている。
エリス氏は、「従来のものに代わるこれらのアプローチに関して、私たちが何を模索し、何に取り組んでいるのか、具体的なことは言えないが、私たちはこの課題を非常に広い範囲で見ている。私たちには科学技術局、CIA研究所があり、In-Q-Telでは投資を行っている。機関内の
(研究・開発) 担当者は、これらのさまざまなアプローチすべてについて幅広く検討している」
CIAのAI改革も進行中だ。CIAは新技術の導入で後れを取らない方針を決めている。
エリス氏は「AIはCIAの全員の働き方を変革している。まだ変わっていないところも、すぐに変わる。全職員にAIツールを日々の仕事に組み込むように働きかけている」と述べた。
エリス氏によると、AIによって情報活動のやり方が変わってきているという。アナリストらが大量の情報を消化し、翻訳を高速化し、作戦担当者が活動を計画するのに役立っているからだ。
CIAは独自のAIソリューションを持っており、極秘任務に利用している。
エリス氏は「組織内にその能力はあり、向上している。日常業務でこれらの (AI) モデルを使用していないと、CIAで成功することはできない」と述べた。
一方、中国の政府と産業界はAGIに向けて競争し、理論的には人間を上回る能力を持つ超知能を追求している。
中国は技術革新のために、従来とは違う型破りな戦略を取っている。
中国は大規模言語モデルの規模を向上させようとしており、これは米IT大手の取り組みと似ている。一方で、人間と機械を物理的に結びつける認知能力の融合にも取り組んでいる。
そのような手法には、脳の電気信号を計算能力に結びつけるブレイン・コンピューター・インターフェースの利用や、強力なAIをロボットに導入するなどが含まれる。
ジョージタウン大学セキュリティー・新興技術センターのアナリストらによるプレゼンテーションによると、中国は武漢でのパイロットプログラムなどを通じて、中国全土に拡大することを目的とした理論をテストしている。
しかし、中国の研究者がAI競争で優位に立とうとしている取り組みの詳細の多くは、一般には公開されていない。
今年は、中国のディープシークが、競争力があり、費用対効果が高いと思われるモデルを発表し、競合するオープンAIを驚かせた。米企業も、中国の研究者や技術者によるその後の開発を予想することはできなかった。
エリス氏は、米国の情報機関は長い間、技術的、経済的な目標が達成できているかを十分に把握してこなかったと述べた。それでも、トランプ大統領とジョン・ラトクリフCIA長官は、組織内の文化を変えることで改善していきたいと考えている。
トランプ氏は先週、政権のAI行動計画を発表した。この計画は、連邦政府の政策の見直しを通じてAI分野での米国の優位性を確保することを目的としている。
エリス氏によると、ラトクリフ氏は、CIAが攻撃的な活動と極秘情報の入手という中核任務に戻ることを強く主張しているという。
エリス氏は「これは、私たちと中国の間で、どちらがより早くAIを構築し、保護し、管理できるかを競うレースになる。CIA、政府、民間部門はこの行動計画に従って行動し、このレースで勝利する」と述べた。