資金の確保受け、ＩＣＥの摘発が本格化へ

カリフォルニア州カマリロの移民捜査で、道路を封鎖する連邦捜査官の前で旗を掲げるデモ隊（AP Photo/Michael Owen Baker）。

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, July 16, 2025

　大量移民は、この国が直面する最大の政治的課題を生み出した。些末（さまつ）な問題に気を取られがちな保守派はホワイトハウスへの不満を募らせることがあるが、ミラー大統領次席補佐官（政策担当）は、最も重要なことに集中する必要性を説いた。現行の連邦法を完全に執行した場合、大都市がどのような姿になるかを同氏はこう描写した。

　「緊急治療室ですぐに医師の診察を受けられる。待ち時間もなく、問題もない。お子さんは予算が余りすぎるほど潤沢な公立学校に通える。教室は定員の半分程度で、特別なニーズを持つ生徒には必要なだけのサポートが行き届く。暴力的な国境を越えたギャングもいない。麻薬カルテルも存在しない。…安全で清潔な都市に住むことになるだろう」

　先週、カリフォルニア州中部沿岸の大規模マリフアナ栽培施設２カ所を移民・関税捜査局（ＩＣＥ）が一斉捜査し、３６１人の不法滞在者を逮捕したことを考えてほしい。

　　その中には、誘拐未遂、強姦未遂、児童へのわいせつ行為未遂で過去に逮捕歴のある男も含まれていた。14人の未成年者が安価な労働力として使われており、ＩＣＥは「児童労働法違反や、場合によっては人身取引・密入国の可能性が高い」と判断している。

　カリフォルニア州は大麻を事実上非犯罪化したが、連邦政府はそうしていない。同州のカマリロ市とカーピンテリア市はそれぞれ商業的な大麻畑を禁止している。それにもかかわらず、市民の権利制限を好んで法律を作ることに熱心な民主党は、不法滞在者がすべての規則を踏みにじることには何の懸念も示さない。

　市の条例違反や州の労働規則違反、連邦法違反、さらには児童を危険にさらす可能性に怒りを覚えるどころか、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム氏は違反者を擁護した。ＩＣＥによる捜査についてＸ（旧ツイッター）への投稿で「これはひどい」と書き込んだ。

　少なくとも彼は暴力を容認しなかった。組織化された支持者の集団が大麻栽培者を支援し、撤収するＩＣＥ職員の車両に石を投げ付けて嫌がらせを行った。ドナルド・トランプ氏はこの一件に激怒した。

　同氏は自身のＳＮＳ、トゥルースソーシャルに「私は国土安全保障長官クリスティ・ノーム氏と国境担当特使トム・ホーマン氏に指示する。石やレンガ、その他いかなる攻撃を受けたＩＣＥ職員や国土安全保障省、またはその他の法執行官が、車両を停止し、必要な手段を用いてこれらのろくでもない連中を逮捕するよう指示しなさい」と投稿した。

　こうした攻撃はあまりに頻発しており、移民取り締まり担当者たちは自分たちの身元が左派によって公表され、勤務外でも標的にされるのではないかと恐れている。「民主党は犯罪者を擁護し続け、われわれＩＣＥ職員を危険にさらしているから、職員はマスクを着用している」とＩＣＥ副局長マディソン・シーハン氏はフォックスニュースで語った。

　ＩＣＥの会見中に妨害行為を働き、強制的に取り押さえられたことで知られるカリフォルニア州選出の上院議員アレックス・パディーヤ氏は、連邦捜査官のマスク着用を禁止する法案を立案する意向だ。かつて「マスク着用は命を救う」という発言をした人物だけに、皮肉なことだ。

　幸いにも、ＩＣＥ要員はもう布切れ以上の装備を手に入れる。大きくて美しい法が成立し、３００億ドルが投入され１万人の新規職員を雇用できることになった。彼らの目標は毎年１００万人の不法入国者を本来の国に送り返すことだ。

　これで病院の待ち時間は大幅に短縮され、米国の街に法と秩序が取り戻されることだろう。