トランスジェンダーを隠蔽するメディア

2025年8月28日木曜日、ミネアポリスで、水曜日の学校銃乱射事件後、アニュシオンカトリック教会の追悼碑に残された品々。(AP Photo/Abbie Parr)
By Editorial Board – The Washington Times – Friday, August 29, 2025
先週、ミネアポリスのカトリック教会でミサに参列していた子供たちに対し、女を装った男が銃を乱射し、2人が死亡、17人が負傷した。事件を報じた多くの「ジャーナリスト」たちは、この反キリスト教的な行為の加害者に関する重要な事実を軽視したり、あえて隠したりしてきた。
CNN、MSNBC、ポリティコ、ニューヨーク・タイムズなどのオンライン記事には「トランスジェンダー」という言葉すら出てこない。ニューヨーク・タイムズは犯行の動機について不明と主張しつつ、加害者をロビン・ウェストマンと呼び、「彼女」という代名詞を用いている。
CNNの司会者ジェイク・タッパー氏も番組で当たり前のように、「彼女は女性として自己認識し、その名がその認識を反映することを望んでいる。だから今はロビン・ウェストマンだ」と述べた。
自己認識の絶対的な重要性を説くメディア機関が、今回のような犯罪の核心に関わるアイデンティティーを巡る事実を意図的に伏せるのは奇妙である。ここでは、憎悪をかき立てた要因に何の謎もない。
銃撃犯は声明文を残し、ドナルド・トランプ氏やキリスト教への敵意を表明していた。「お前の神はどこにいる」「今すぐトランプを殺せ」という言葉が、窓越しに祈る無防備な生徒たちへと向けられた凶器に書き込まれていたのである。
こうした性別を偽る暗殺者による事件は今回が初めてではない。2018年のメリーランド州アバディーン、2019年のデンバー、2023年のテネシー州ナッシュビルでの銃撃事件も、いずれも異性を装った人物によるものだった。
これらの恐ろしい犯罪に共通するのは精神疾患である。司法省の国立司法研究所による調査(1966~2019年の複数殺人172件を分析)でも、「乱射事件を行った者のほぼ全員が、事件の数日から数週間前に危機的状態にあった」と報告されている。
そうした危機の一部は化学薬品によって加速された可能性もある。米食品医薬品局(FDA)の科学者が2022年の内部メールに、「思春期ブロッカーを使用する子供たちの間で、うつ病や自殺願望のリスクが高まっていることが分かった」と記している。
しかし、イデオロギーに駆られた研究者たちは、この薬を使う人々の暴力性が高まる危険性には目を向けなかった。FDAの研究者は「これらの薬はジェンダー移行に必要であり、保険でカバーされないため高額になる。そのため承認される必要がある」と述べている。
非営利団体アメリカ・ファースト・リーガルは先月、バイデン政権下でこうした薬が承認された経緯を明らかにするため訴訟を起こし、その政府文書を入手した。社会の中で心を病んだ人々が罪のない市民に危害を加える事態にどう対応すべきかを考える上で、この情報公開は極めて重要である。
しかし現実には、有権者の多くは物語の半分しか聞かされていない。リベラル派が「特権的な被害者階層」と見なす人間が犯罪を起こすと、メディアはすぐに話題をそらし、不都合な事実を隠し、親たちに警告サインを無視するよう仕向ける。これは極めて危険な習慣だ。
メラニア・トランプ大統領夫人はⅩ(旧ツイッター)で、未来の惨劇を防ぐための助言を発信した。彼女は「ミネソタの悲劇的な大量殺人は、潜在的な学校銃撃犯を事前に特定し、介入する必要性を浮き彫りにしている。多くの場合、犯行前に不穏な行動や暴力的な脅迫をネット上で示しており、早期の警告サインは明らかに存在する」と書いた。
心に問題を抱える若者たちの選択を無条件に肯定するのではなく、生物学の現実を踏まえた健全な精神疾患への対応姿勢が求められている。