不法移民の第三国送還に違法判決 トランプ氏の政策に打撃か

(2026年2月26日)

2025年6月26日(木)、グアテマラシティのラ・アウロラ国際空港で、国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官の視察に際し、国土安全保障省が実施した送還作戦の中で、米国から国外追放された人々が送還便から降り立つ様子。(Anna Moneymaker/AP通信経由プール写真)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, February 25, 2026

 連邦判事は25日、国土安全保障省が不法移民をいわゆる「第三国」に送還できるとする包括的な方針は違法との判決を下した。トランプ大統領が進める大規模強制送還の取り組みに大きな打撃を与える可能性がある。

 バイデン前大統領に任命され、トランプ氏の政策に否定的な判断をたびたび下してきたブライアン・マーフィー判事は、この方針では、移民がこれまで居住したことのない第三国に送られる場合に、送還に異議を申し立てる十分な機会が与えられていないと述べた。

 「それは適切ではなく、合法でもない」

 マーフィー氏は、政権側が控訴する機会を確保するため、判断の効力を15日間停止した。

 この件を巡るマーフィー氏の過去の命令は連邦最高裁に差し止められており、今回の最新判断も最高裁に持ち込まれる可能性が高い。

 第三国送還は、出身国が受け入れを拒否した場合や、米当局が本国に戻せば安全が確保できないと判断した場合に行われる。過去にも実施例はあったが、比較的まれだった。

 しかしトランプ政権はこれを送還政策の柱に据え、本国側の事情で帰国できずに国内にとどまっている数万人規模の退去命令対象者の滞留解消を目指している。

 マサチューセッツ州を管轄するマーフィー氏は、法律が第三国送還を認めていること自体は認めつつも、憲法は個別の送還について公正に争う機会を保障していると指摘。国土安保省の方針はその機会を不当に制限していると述べた。

 判事は、原告の一人で、法廷文書でOCGのイニシャルで示されているグアテマラ人男性の事例を挙げた。男性はグアテマラで性的暴力を受け、米国に不法入国して退去命令を受けたが、再び被害に遭う恐れがあるとして移民裁判官は同国への送還を認めなかった。

 そのため米国は男性を第三国のメキシコに送還したが、そこで男性は性的暴行被害に遭い、その後メキシコは結局グアテマラへ送還した。マーフィー氏は、政府がこの件について「うそをついた」と厳しく非難した。

 国土安保省は声明で、マーフィー氏の判断は敵対的な国々への送還に事実上の拒否権を与えるものだと主張した。

 「これらの活動家判事の思い通りになれば、自国さえ引き取らないほど凶悪な外国人、すなわち有罪判決を受けた殺人犯や児童性的暴行犯、麻薬密売人が米国の街頭を自由に歩くことになる。国土安保省は合法的権限を行使し、受け入れに同意する国へ不法移民を送還できなければならない」

 マーフィー氏は昨年も第三国送還を巡ってトランプ政権と対立し、十分な適正手続きが必要だと指摘したほか、本国ではなく南スーダンへ送られる予定だった8人の移民の送還差し止めも命じた。

 その結果、訴訟が進行する間、8人はアフリカ・ジブチにある米軍基地の輸送用コンテナで生活することになった。

 これらの判決はいずれも連邦最高裁によって差し止められた。

 マーフィー氏は今回の新たな判断で、法律は原則として退去者が行き先を選ぶことを想定しているが、その国が受け入れない場合、米国は代替先を探すことができると説明。法の目的は移民の選択権と安全を最大限確保することにあると述べた。

 にもかかわらず国土安保省の新方針は、移民本人の意向を十分に考慮していないとマーフィー氏は指摘した。

 また政府の立場は、米当局が移民の生命に対する差し迫った危険を把握していない限り、事前通知や異議申し立ての機会を与えずに送還できるというもののようだと指摘した。

 トランプ政権が実施した第三国への送還で最も注目されたのは、昨年3月に政府がギャングへの関与の疑いがあると判断したベネズエラ人らをエルサルバドルのテロ対策刑務所へ移送した事例だった。

 法廷闘争の末、彼らはエルサルバドルとの囚人交換によりベネズエラへ送還された。

 さらに、ワシントンの連邦地裁に所属するジェームズ・ボースバーグ判事もこれらの送還を違法と判断し、対象となった移民に米国へ戻って再び自身の案件を争う機会を与えるよう政府に命じている。

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