環境正義を神格化するバイデン
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, May 11, 2022
政府が良いものであれば、大きければ大きいほど良い。近年、そういった考え方が支配している。バイデン大統領は、自分の政府を世界一大きくする決意をしているようだ。その目的に向かって、彼の政権は、米国人が、自然に対する無数の犯罪を一つも、絶対に犯さないようにするための新たな機関を追加した。「自由の国」の自由の命運は尽きた。
ガーランド司法長官は木曜日、組織が複雑に入り組んだ司法省への新たな部局増設を発表し、すでに十分大きな法の力をさらに強化した。ガーランド氏は「新しい環境正義局は、包括的環境正義執行戦略を推進している私たちの取り組みの中心的拠点として機能する」「私たちは、環境的弊害によって最高度に負荷を被っているコミュニティーに最強の影響を与えているケースを優先的に扱うことになるであろう」と語った。
1970年以来、米政府には、米国の環境状況を監視するための総合的機関、環境保護庁(EPA)があるということは全く無視している。EPAの1万4000人を超える人員の中には、人間の活動が動植物の生息環境に与える影響を精査する多数の科学者や技師が含まれている。悪党を逮捕するための武装警察や、そういう連中を訴追する大勢の弁護士までいる。
2022年度の112億㌦の予算を考えると、EPAは、司法省からの補強なしに国の環境規則を実施するための備えは、すでに整っているように見える。それでも、無敵の軍隊を前にすれば、一発も発砲しなくても、敵は逃亡するように、弁護士らも同じような優位性を持とうとしている。そういう訳で、ガーランド氏は、新設の環境正義局は「EPAと連携して」仕事を始めるとの声明を出した。
EPAの「汚染警察」はオバマ政権中に、雨期にのみ敷地を流れる泥の水たまりにすぎないと誰でも分かるような「可航水域」の流れを変えたとして地主を罰したことで悪評が立ったことがあった。
米国民は、不法移民が南部国境沿いに捨てた衣類やごみの山、精神的な障害を病む多数の街頭居住者が全国の都市の通りに堆積させる排泄(はいせつ)物の山といった、EPAの注意を多く必要とする他の、より差し迫った危険を指摘したらいいのではないか。
環境正義局ににらまれたら逃げ場がないので、市民は、自身の振る舞いに慎重になる方が賢明であろう。40カ国に呼び掛けてバイデン氏が開催した4月の気候サミット中に、ホワイトハウスの気候変動対策担当大統領補佐官のジーナ・マッカーシー女史(退任する意向であることが伝えられている)は次のように言った。「私たちは、皆さんが要望したように、今年だけでも、器具、機械などに設けた100種類もの規則を適用する。新たな建築基準、持続可能な航空機さえも入れて、それらのために、相互協力するパートナーシップを築いていこうとしている」。威張った権威主義者らについては、「完璧だなどとは誰も思っていない。でも、頑張るだろう。さもないと、皆いなくなってしまうから」と、彼女は付け加えた。
自然の神格化が展開し始めるに至って、バイデン政権は、その流儀を細かく規定して見せている。環境正義を守る戦士の仲間の人数は増え、彼らは、米国人にクリーンであることは、ほとんど「政府のあるべき姿」そのものだと確信させる決意をするようになっている。