コロナへの対応誤ったバイデン政権
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, March 9, 2023
世界を席巻したコロナ危機は収束へと向かい、国民は困難を乗り越え、前に進もうとしている。通常の生活に戻っても、世界で最も技術が進んだこの国で、感染に対しどのような対策が講じられたかを検証しておく必要があることに変わりはない。議会は、新型コロナウイルスの発生源の公聴会に加え、バイデン政権が柔軟なコロナ対策を取らなかったことで、いかに多くの命と財産が失われたかを検証しなければならない。
米国のコロナ死者は依然、世界で最多だ。疾病対策センター(CDC)によると、2月の死者は1万2111人で、合計で110万人となった。2位は中国で、6116人と米国とは大きな差がある。この中国の数字が本当だとすればだが、人口が4倍の中国で、米国の半分だ。米国の公衆衛生当局が失敗したことは明らかだ。
さまざまな実験的なワクチンに依存した結果、9億6500万回分以上が配布され、接種は6億7200万回以上に上った。ところが、この2年間で接種希望は、しぼんでしまった。CDCによると、81%が1回目の接種を受けようと列をつくったが、2回目は69%、最新の「2価」ワクチンに至ってはわずか16%だった。
副反応の情報が伝わったことが、急減の原因のようだ。最新の数字によると、ワクチンの副反応94万17件の中で1万7024人が死亡した。それに対し、1990年以降の全ワクチンでは、92万3596件で死者はわずか1万191人だった。当初、多くの国民が致死性の高い新型コロナに対する免疫獲得を歓迎したが、今では、壮大な科学実験の対象となっていたことを知り、後退している。
需要が減っている一方で、メーカーは量産を続けている。2億9300万回分が使用されないまま、保管されている。接種費用は連邦政府が負担、つまり税金から出ている。1回当たり約21ドルで、61億ドルの追加支出となる。食品医薬品局(FDA)は、ワクチンの有効期限を延ばし、余剰分の廃棄を回避している。大量のワクチンの有効期限が最大1年延ばされ、適切に冷蔵保存することで、2年半まで延ばされ、さまざまな治療に使用されている。
FDAは、「緊急時の使用が承認されているワクチンは、生物製剤承認申請によって承認されておらず、研究のための新たな医薬品申請の下で依然、研究が行われているため、有効期限が定められていない」と説明している。国民は、消費期限の切れたケチャップを使うことは気にしないかもしれないが、ワクチンの有効期限を巡る実験で、健康リスクが高まる可能性については疑問を持つかもしれない。
同様に、おなじみのマスク着用の有効性についても混乱がある。公衆衛生当局はこの問題では四苦八苦し、多くの医療機関では依然、着用が求められている。1月に医療評価プロジェクト「コクラン・ライブラリ」が発表したウイルス感染防止のための「物理的介入」に関する研究はさまざまな所で引用され、それによると、「社会の中でマスクを着用しても、しなくても、インフルエンザ、新型コロナの研究で確認された実験結果にほとんど、または全く違いがなかった」と指摘されている。だが、何十億枚もあれば、ごみ処理には影響を及ぼす。
議会は政府の監視役として、新型コロナの起源に関する調査とともに、感染拡大に対するバイデン政権の誤った対応を調査すべきだ。