銀行破綻とコロナの現実明らかにした良識
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, March 16, 2023
現実はいずれにしても現実だ。政権幹部が幻想にとらわれていることが明らかになった。まずは偽金、根拠のない科学だ。うそをついてきた人々にとってはショックだろう。今になってその報いを受けている。不穏な事態だが、良識が戻ってきているという意味で安心もある。
カリフォルニア州の2行が立て続けに破綻し、耳をつんざくような警報が鳴り響いた。まず、シルバーゲート銀行が破綻した。暗号資産(仮想通貨)の取引縮小が続いたためだ。ついで、シリコンバレー銀行(SVB)。はやりのベンチャーキャピタルの資金調達を支えてきたが、不安を抱いた預金者が、預金の引き出しに走り、その額は数十億ドルに達した。
連邦規制当局は12日、破綻の連鎖を止めるため、ニューヨークの暗号資産業者との取引が多いシグネチャー銀行の事業を停止させた。国民は、ワシントンにも同様の恐怖が浸透し始めていることを感じたはずだ。バイデン大統領は13日朝に早速、「銀行は安全であり、預金は必要な時に必ずそこにある」と混乱の収拾に努めた。
破綻した銀行は顧客らに、保証限度の25万ドルを超えても預金は戻ると言っている。連邦預金保険公社(FDIC)によって、1250億ドルの預金保証基金が底を突かない限り、補填される。このような保証は言うまでもなく、「米政府への完全な信頼と信用」があってのことだが、その信用と信頼も、31兆ドルもの国家債務が急速に増加している中で弱まっている。
ホームデポの創設者、バーニー・マーカス氏はFOXニュースで、金融機関が経営に失敗し、事業継続ができなくなった原因を指摘し、こう語った。「これらの銀行の経営が行き詰まったのは、誰もが、多様性、ウォーク(差別など社会問題に敏感)な問題にばかり気を取られていたからだ。大切にすべきなのは、株主の利益だ」
確かにウォーク主義は、人種に基づいた多様性、平等、包摂を基に経済活動を行い、利益を得ることを後回しにするよう求めている。銀行が利益以外のことに集中すれば、失敗するのは当然のことだ。
同じような現実の回避は他にもある。それは、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の発生源を巡ってワシントンで起きた。共和党が多数派の下院の委員会で先週、民主党が2年間にわたって隠そうとしてきたことが明らかにされた。新型コロナは、中国・武漢の研究所の事故で流出し、拡散されたというものだ。
疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド前所長は、専門家の意見として、武漢の研究所がコロナウイルスの致死性を高めるための機能獲得研究を行っていたと証言した。この研究には、米国の税金が投入され、当時、国立アレルギー感染症研究所の所長だったアンソニー・ファウチ氏はこれらの事実を国民に隠していた。このような外国の敵との協力の慣行が、ウォーク主義を世界に拡大させた。
新型コロナの発生源に関するすべての証拠の機密を解除するよう求める共和党の法案は、上下両院を通過した。民主党の全議員が賛成票を投じた。バイデン氏が署名すれば、科学的事実の政治化を国民の前に明らかにすると判断したことを意味する。
中国のウイルスに関する事実と米国の金融機関の愚かさを覆い隠していたうそが、暴露された。良識の勝利だ。