中国版「トップガン」、国民に反米感情植え付け

(2023年5月19日)

2023年5月11日(木)、ワシントンのキャピトル・ヒルで行われた国防総省の2024会計年度予算要求に関する上院歳入小委員会の公聴会で証言するために到着したロイド・オースチン国防長官。(APフォト/Jacquelyn Martin)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, May 17, 2023

 バイデン政権が中国との紛争の回避を模索する一方で、中国共産党は、将来の米国との戦争に備えるよう国民に訴えかけるメッセージの発信を強化している。

 人民解放軍(PLA)空軍を描いた中国の新作映画「長空之王」もその一つ。先月下旬に公開され、米国の大ヒット映画「トップガン・マーヴェリック」(2022年)に対抗することを狙ったものとみられている。

 PLAの協力を得て制作されたこの映画では、テストパイロットが、敵国を迎え撃つための新しいステルス戦闘機の開発に取り組む姿が描かれている。敵国がどの国かは示されていないものの、劇中登場する兵士は米国なまりの英語を話している。

 中国で長年働いていたというある人物によると、中国政府は少なくとも過去10年間、主要敵国、米国との将来の戦争に備えるよう国民を教育してきた。

 そのためのプロパガンダキャンペーンは広範囲に及ぶ。全国の学校や大学でキャンペーンが推進され、共産党員や政府関係者の必読書でも同様のプロパガンダが展開されているという。

 その中でも長空之王は特に強い宣伝効果を狙ったもの。英誌エコノミストはこの映画のレビューで「現在のPLAの任務は米国人と戦い、殺すことだという考え方を植え付けるための映画であり、この種のものの中では最も目立っている」と指摘した。

 エコノミスト誌や評論家らによると、この映画では反米的な表現が決まり文句のように使われ、米国などによって中国への技術の供与が制限され、中国の台頭を「封じ込める」ための取り組みが米国主導で進められているという習近平国家主席の主張が繰り返し登場する。

 エコノミスト誌は「中国でヒットすれば、それは世界にとって強力な警鐘と捉えるべきだ」と警告している。

戦略軍元司令官、バイデン政権の核戦略を批判

 米戦略軍元司令官のチルトン退役空軍大将は、現在のバイデン政権の核戦略は、中国とロシアからの脅威の増大に対応できていないと警告した。

 2007年~11年まで米国の核戦力を指揮したチルトン氏は、シンクタンク「全米公共政策研究所」とのインタビューで、中国とロシアはともに戦略兵器への依存を強めており、核武装への依存度を下げるという政権の目標には同意できないと述べた。

 昨年発表されたバイデン政権の「核態勢の見直し(NPR)」とその政策提言は、現在の危険性を反映し、適切な対応を示しているかとの問いに、チルトン氏は「端的に言えば、どちらにもノーだ」と答えている。

 「中露のような独裁的で帝国主義的な政権が尊重するのは力だけだ。敵国の弱さを利用して繁栄する。NPRは、敵国も同様の考えを持つはずだ、すなわち、中国やロシアはきっとわれわれと同じ価値観やリスク許容度を持つに違いない、自国の国益とは無関係の問題ではわれわれに追従するはずだという愚かな考えを反映している」

 チルトン氏は、バイデン政権が、海洋発射核巡航ミサイル(SLCM-N)を廃棄し、核重力爆弾B63-1を退役させようとしていることに反対を表明。SLCM-Nは、中国が核で米国を脅し、台湾侵攻時の台湾支援を阻止するのを防ぐために、またB63は、中国やロシアの地下の標的を攻撃するために必要であり、代わりとなる兵器が配備されない限り、廃棄すべきではないと訴えている。

2025年7月28日、中国・上海で開催された世界人工知能会議で展示されたファーウェイのAtlas 900 A3 SuperPoDの前を、来場者が通り過ぎる。(Chinatopix提供、AP通信経由)

中国、世界の通信インフラ支配を拡大 元米NSA長官が警告

(2026年10月11日)
2023年5月7日、台湾・台北の国立孫文記念館にある台北101ビル付近で、台湾の国旗がはためいている。(AP通信/Chiang Ying-ying撮影)

中国、台湾への「グレーゾーン」戦強化 通信網攻撃想定し米シンクタンクが机上演習

(2026年10月08日)
トランプ大統領(中央右)が中国の習近平国家主席と握手を交わす。メラニア・トランプ夫人(右)と彭麗媛夫人(左)が見守る中、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館に到着した。(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

米中会談、台湾を交渉材料と見るトランプ氏に専門家懸念 武器供与はG20後か

(2026年10月06日)
第65機械化旅団報道部が提供したこの写真には、2026年9月19日(土)、ウクライナのザポリージャ州で、ウクライナ兵がロシア軍陣地に向けてFPVドローンを発射する準備をしている様子が写っている。(アンドリー・アンドリエンコ/ウクライナ第65機械化旅団提供、AP通信経由)

ウクライナの教訓 兵器の調達・製造プロセス見直し迫られる米

(2026年10月05日)
中国の習近平国家主席とアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領のイラスト(リナス・ガーシス/ワシントン・タイムズ)

トランプ・習会談、華やかな演出の裏に厳しい現実 米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー

(2026年10月03日)
2026年9月8日火曜日、ワシントンD.C.のペンタゴンを上空から撮影(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

防衛技術ブームに陰り 企業統廃合が拡大か 中間選挙、資金調達がピーク

(2026年10月02日)
ドナルド・トランプ大統領(左)は、2025年8月25日、ワシントンD.C.のホワイトハウスに到着した韓国の李在明大統領を出迎えた。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影、資料写真)

米シンクタンク、アジアでの同盟縮小を提唱 「中国に戦略的利益」と反論も

(2026年10月01日)
ドナルド・トランプ大統領、メラニア・トランプ夫人、中国の習近平国家主席夫妻、そして米国国立公文書館長のブラッドフォード・ウィルソン氏が、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館で、憲法、権利章典、その他の文書を閲覧している。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏、習氏と国立公文書館訪問 独立宣言・権利章典を視察

(2026年09月30日)
2014年8月14日に撮影されたこの写真には、ワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍造船所の埠頭に停泊する空母「USSレンジャー」が写っている。退役したこの空母は、木曜日にワシントン州ブレマートンからテキサス州ブラウンズビルのインターナショナル・シップブレイキング社まで曳航される予定だ。(AP通信写真/キトサップ・サン紙、ラリー・スティガール)

海軍原子力造船所の近代化に遅れ、かさむコスト-政府監査院報告

(2026年09月29日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2026年9月8日火曜日、リトアニアの首都ビリニュスにある外務省で、オランダのトム・ベレンセン外相との会談後に行われた記者会見で発言した。(AP通信/ミンダウガス・クルビス撮影)

ロシアが欧州に「グレーゾーン」攻撃、強まるNATOの結束 リトアニア外相

(2026年09月27日)
→その他のニュース