ガーランド氏の高尚な言葉と低劣な行い
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, September 21, 2023
行動によって中身を与えられた言葉と、真実に基づかない言葉がある。メリック・ガーランド司法長官は後者の達人であることを証明した。同氏は自らの就任宣誓の通りに司法省が厳格な法規範を実践していると断言する。残念ながら、高尚な言葉と行動は一致していない。
ガーランド氏は20日、下院司法委員会に出席し、全米トップの法律家としての職務について答弁した。「司法省は米国人のために働いている」と同氏は述べた。「われわれの仕事は、事実と法律が導くところに従うことだ。われわれはそれを実践している」
それに反して、ガーランド氏によるドナルド・トランプ前大統領の不正疑惑への対応と、同氏の上司であるバイデン大統領への対応との間には、歴然とした格差がある。
トランプ氏に対する相次ぐ告発の中には、フロリダの自宅「マール・ア・ラーゴ」で国防機密情報を不法に保持したとされるものがある。ガーランド氏が昨年11月に指名したジャック・スミス特別顧問は、さっそくトランプ氏を40の犯罪容疑で起訴した。
裁判は2024年3月に予定されているが、ちょうど共和党の有力候補たちが大統領選でバイデン氏に挑戦することを目指し予備選挙を戦っている時期である。
バイデン氏自身も、首都ワシントンにある同氏が支援するシンクタンクやデラウェア州ウィルミントンの自宅で機密扱いの資料が発見されるなど、文書に関する問題を抱えている。大統領として機密扱いを解除する権限を持つトランプ氏とは異なり、バイデン氏は上院議員や副大統領を務めている間に文書を入手したと報じられている。
ガーランド氏は1月、スミス氏の任命から2カ月もたたないうちに、ロバート・ハー氏を特別顧問に任命し、トランプ氏と同様のバイデン氏の問題を調査させた。その結果は?リーク好きのメディアに一切、情報は流れていない。前任者とは異なり、バイデン氏の再選は、違法性よりもむしろ年齢からくる知的能力の問題によってのみ危ぶまれている。
ガーランド氏自身も、こうした高齢者としての一面を見せたようだった。それは、バイデン氏を下院弾劾訴追の標的にしている問題、つまり息子ハンターの怪しげな国際ビジネス取引への関与疑惑に関して議員からの質問に直面したときだ。
ルイジアナ州選出のマイク・ジョンソン下院議員(共和党)が、ガーランド氏がハンター氏の捜査に関してFBIの誰かと「個人的に接触したか」と質問すると、白髪のガーランド氏は口ごもった。「いや…その質問の答えは思い出せない」と同氏は述べた。「しかし、FBIは司法省の下で働いている」
「FBI本部の誰かに、大統領の息子の捜査について話したかどうか思い出せないのか?」とジョンソン氏は尋ねた。同様に信じられないと思う米国人は、ガーランド氏が自分たちで考えるほど職務にふさわしくないと結論付けるのが妥当だろう。
司法省は米国人からの信頼を失っている。AP通信/NORCセンターが8月に実施した調査によると、米国の成人のうち、司法省の指導者たちに「大きな信頼感」を抱いているのはわずか17%であった。
ガーランド氏は高尚な言葉で、自分は万人に公平な司法以外に何の関心もないと主張する。しかし米国人は、同氏がトランプ氏とバイデン氏に適用するダブルスタンダードに、低劣な行為を見いだしている。