大統領就任式、首都に押し寄せた「トランプ連合」

(2025年1月23日)

2025年1月20日月曜日、ワシントンのホワイトハウスの向かいにあるセント・ジョンズ・エピスコパル教会付近で、ドナルド・トランプ次期大統領とメラニア夫人が早朝礼拝に出席し、トランプ大統領の就任式が始まる。(AP Photo/Matt Rourke)

By Seth McLaughlin and Alex Miller – The Washington Times – Monday,January 20, 2025

 リベラリズムのとりである首都ワシントンが、1日トランプ・ランドとなった。

 極寒も、会場の土壇場での変更も、ワシントンに押し寄せたトランプ大統領の熱烈な支持者をちゅうちょさせることはなかった。

 トランプ連合は共和党と国政をめぐる世論を再構築し、その強さと多様性が示された。保守的な州のゲイの男性は、リベラルな州の黒人女性と肩を並べ、かつての反トランプ派は「初日」から、トランプ氏と共にいることを誇りに思う熱狂的な「米国を再び偉大に(MAGA)」戦士らと交流した。

 ミネソタ州から参加したステファニー・フィッシャーさんは、ワシントン・タイムズにこう語った。「とてもうれしい。保守的なクローゼットから飛び出したような気分。恥ずかしくなんかない」

 VIPのなかには、トランプ氏が議会議事堂のロタンダ(円形大広間)で就任宣誓をするのを目撃するためにチケットを手に入れた人もいたし、ダウンタウンのアリーナで行われた就任式後のセレモニーでトランプ氏を見届けたファンもいた。

 バイデン大統領の4年間を終え、歓喜と安堵感を分かち合った人々。彼らは過去を過去のものとし、国内外での米国の行く末に期待したかったのだ。

 当初からトランプ氏を支持してきたというジョー・エルトンさんは「彼はもう小学1年生ではない。もう大学を卒業している。彼は以前のように初日からのスタートではない。選挙があり、返り咲きが分かるとすぐにキャンプを張り、今はかなり先回りしてスタートしている」

 実際、一般的な見通しでは、トランプ氏は連邦政府の内部と外部をはるかによく把握しており、貿易、移民、外交政策といったアジェンダを、2017年の就任当初よりもはるかに効果的に実行できるだろうとみられている。

 オハイオ州コロンバスのロバート・ワグナーさんは、トランプ氏はレーガン的なサプライサイド政策を追求し、好景気を呼び起こすだろうと語った。

 「私たちは眠れる巨人を目覚めさせた。米国は強い経済力を持っているが、あらゆる規制によってその力を制限されている。これらの規制を撤廃すれば、この経済はかつて見たこともないような盛り上がりを見せる」

 ジョージア州フルトン郡で2020年の選挙結果を違法に変えようとしたとして、トランプ氏とともに告発されたシカゴの黒人広報担当者、トレビアン・クッティ氏は、2期目になって勢いが増していると語った。彼女は、イスラエルとハマス間の待望の停戦、暗号資産市場の高騰、トランプ氏が計画している不法移民の取り締まりについて言及した。

 「この(就任式は)、ドナルド・トランプ氏に投票したすべての国民にとって特別な思い出となる」

 インディアナポリスのジョン・ブッシュさんは、トランプ氏がウクライナ支援や不法移民の受け入れよりも、ホームレスの退役軍人や日々の生活に苦しむ国民への支援に力を入れることに興奮していると語った。

 「ああ、彼らの面倒を見たいだろう。できることはしたいだろうが、市民より先にそれをすべきではない」

 デモ参加者はほとんどいなかった。

 トランプ氏の就任式の翌日、何十万人ものデモ参加者がワシントンに押し寄せ、トランプ氏に反対し、トランプ氏の一挙手一投足を阻止するために選挙で選ばれた指導者への圧力を強めた8年前とは、劇的に変わった。

 一部の人々は、政治的な反発がなかったことに衝撃を受けている。

 アーカンソー州ホットスプリングスのジョセフ・レピチさん(36)は「拡声器を持って、トランプは暴動主義者だとか叫んでいる人たちが何人かいたが、個人的にやっているだけのようだった。大勢押し寄せていると思ったけど、何かおかしいね」と語った。

 2020年はジョセフ・バイデン候補、2016年はヒラリー・クリントン候補に投票し、トランプ・グッズで身を固めたマーロウ・シュルツさんは、抗議行動が比較的少なかったのは、人々の心境の変化によるものだと分析した。

 トランプ氏の就任式を祝うために自宅があるフロリダ州ジャクソンビルからやってきたシュルツ氏は、「皆、だまされていたんだと思う」と語った。

 また、トランプ氏がいかに早く政策課題を実行に移せるかについて、楽観視しながらも、慎重な見方をしている人々もいる。共和党は2017年と同様、ホワイトハウスと上下両院を掌握しているが、両院、特に下院の議席数の差は僅差であるため、党が期待していたほど立法はスムーズにいかない可能性がある。

 トレイシー・ファインガン(58)さんは、トランプ氏の2期目を祝うためにナッシュビル郊外の小さな町からやってきた。彼女は、トランプ氏に最も近い人々が、今後4年間のトランプ氏の計画を頓挫させるのではないかと心配している。

 「私の唯一の心配は、トランプ氏が貶められ、妨害され、傷つけられること。しかし彼は、これまで国民に約束したことはすべて果たしている」

 メリーランド州ベセスダに住む定年退職者のクリス・ホインズさんは、8年前にワシントンで見たトランプ氏の印象をこう振り返った。共和党員や、政権内外の人々がトランプ氏を議事堂内を案内し利用しようとしていたことに、「困惑した表情を浮かべていた」という。

 ホインズ氏は、2期目は大きく変わると確信していると語った。

 「今、彼は自分が何をしたいのか分かっている。彼がこの国にとって正しい指導者であるかどうかはまだ疑問だが、いずれにせよ、選択肢としてはベストの人物だ」

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