「深刻な結果もたらす」:米軍、イランの民兵支援に警告

(2021年7月6日)

U.S. Air Force’s F-16 fighter takes off during an annual joint air exercise “Max Thunder” between South Korea and the U.S. at a U.S. air base in Gunsan, South Korea, Thursday, April 20, 2017. (Go Bum-jun/Newsis via AP)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Monday, June 28, 2021

 米国防総省は28日、イランが中東に駐留する米軍を標的とする民兵組織への資金提供を続けるならば、「深刻な結果」をもたらすと警告した。

 イランと新たな核合意をめぐって交渉する一方で、イランと密接な関係にある民兵組織に戦争を仕掛けるという、バイデン大統領の区分け戦略に再び疑問が生じている。

 この警告の24時間足らず前、バイデン氏はイラクとシリアの国境沿いで、イラクのシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」と「カタイブ・サイード・アル・シュハダ」に対する一連の空爆を命じていた。国防総省当局者によると、これらの組織は4月以降、少なくとも5回の無人機による攻撃と、多数のロケット弾による攻撃を行ったという。

 これらの攻撃の一方で、米国などの外交当局者らは、イランへの経済制裁の緩和と引き換えに、核開発を制限するというオバマ政権時の合意を復活させるためにイランと交渉している。トランプ前大統領は、この合意が、イランによる民兵支援、テロ組織への資金提供に対処していないとして、2018年に離脱した。

 イラク政府は、米国と国防で協力関係にあるが、この空爆を主権の侵害として非難した。イラクは、米国とイランが衝突すれば、イラクが戦場になるのではないかと以前から懸念している。

 イラクのシーア派民兵組織を統括する準軍事機関である「人民動員軍(PMF)」も、攻撃を「邪悪」と厳しく非難、メンバーが国境で過激派組織「イスラム国」との戦いに参加していることを強調した。PMFは、イラク通信が伝えた声明の中で、米国の攻撃で4人の「殉教者」が死亡したと述べているが、確認されていない。

 これらの組織へのイランの経済的・物的支援は、ジュネーブで行われているテヘランとの核協議では、米国側からほとんど言及されていない。しかし、この2つの問題を切り離すことはますます難しくなっている。特に、米国防総省がイランに対する非難を強め、両国の敵対関係が外交に影を落としている。

 国防総省のジェシカ・マクナルティ報道官は声明で、「空爆は、情勢悪化のリスクを抑えるために必要かつ適切で、慎重に検討した上での行動だった。われわれは、あらゆる手段を用いて、イランやイランが支援する民兵組織に対して、米国民への攻撃を続けたり、米国民を攻撃する民兵組織に兵器、資金を提供したり、訓練を続けたりすれば、深刻な結果を招くということを明らかにしようとしている。この地域の米軍人、パートナー、同盟国を守るために、必要かつ適切な措置を講じる」と述べた。

 国防総省当局者によると、今回の作戦では、シリアの2カ所、イラクの1カ所の計3カ所の作戦・兵器保管施設を攻撃対象にした。AP通信によると、国防総省は、空軍の戦闘機F15、F16による攻撃の動画の中で、標的の1つを高度な通常兵器の輸送と説明している。

 米軍幹部らは一連の空爆を、防衛のための作戦と位置づけ、国防総省と情報機関が米軍や兵員への攻撃が差し迫っていると考えていたことを明らかにした。バイデン氏は、2月にイラク駐留米軍への攻撃が相次いだ際にも同様の空爆を命じている。

 イラン政府がカタイブ・ヒズボラのようなイラクを拠点とするシーア派民兵組織の活動をどの程度統制しているかは完全には明らかになっていないが、カタイブ・ヒズボラはイランのイスラム革命防衛隊の最精鋭部隊であるクッズ部隊と深いつながりがある。

 カタイブ・ヒズボラの創設者で、最高司令官だったアブ・マフディ・ムハンディスは2020年1月、イランのカセム・ソレイマニ少将と移動中、米軍の空爆で車両が被弾した。外交政策の専門家によれば、イラン政府が米軍への個々のドローン攻撃を直接指示していないとしても、米軍や請負業者を悩ませている民兵の戦略を少なくとも黙認していることは明らかであり、そのようなやり方が核交渉でより大きな影響力を持つと考えているという。

 ワシントン近東政策研究所の研究員で、カタイブ・ヒズボラなど地域の民兵を研究しているマイケル・ナイツ氏は、「事実上、革命防衛隊クッズ部隊の支部である組織があり、それがカタイブだ」と指摘した。

 「(イランは)米国が緊張緩和に必死になっており、低レベルの嫌がらせをしたり、米国人を殺したりするようなことがあっても大丈夫だと考え、安心している。この数カ月間、米国を試してきたのだと思っている。『この連中と交渉しながら、ドローンやロケットで攻撃することが可能かどうか』ということだ。『できる』ということを学んだのは明らかだ」

 共和党の有力議員らも28日、同様の考えを示し、新たな核合意をめぐるイランとの交渉で、米軍への危険が高まる可能性があると述べた。

 上院軍事委員会のジェームズ・M・インホフ委員(共和、オクラホマ州)は声明で、「政権は、イランのテロ行為に対する責任を一貫して追及するのではなく、イランへの制裁を解除し、破綻したイラン核合意を復活させようと必死になっている。核合意でイランは資金を手に入れ、米国人の殺害を狙っている代理組織にも資金が渡った」と指摘した。

 カタイブ・ヒズボラなど民兵組織が、多くの米国人を殺害してきたことは事実だ。イラクでは、イラン製の路上爆弾によって少なくとも600人の米国人が殺されたと言われている。ナイツ氏によれば、それらの爆弾の多くはカタイブ・ヒズボラが仕掛けたものだ。

 「カタイブ・ヒズボラは、裁きを受けるべきだ。最低でも数百人の米国人を殺害した」

 民兵は、爆弾の製造に加えて、訓練を受けた約1万人の戦闘員を擁し、重火器、ドローン、迫撃砲、戦車などの兵器を保有している。27日夜の空爆は、一時的に民兵の攻撃能力を低下させるかもしれないが、専門家らによると、民兵を戦場から完全に排除するためには、より強力な軍事作戦が必要になる。

 このような背景から、米政府は、イランが準軍事組織を支援していることと、国際的な核合意の復活を求める動きとを結びつけることを避けてきた。

 ジェン・サキ大統領報道官は28日、これらの空爆は、米国とイランの情勢悪化のリスクを抑えるためのものだと述べた。

 「われわれの軍隊に対する攻撃を止める必要がある。だからこそ、大統領は昨夜、自衛のために空爆を命じた」と記者団に語った。

 イランは、抑制的な表現で米国の攻撃を非難した。外務省のサイード・ハティブザデ報道官はテヘランでの記者会見で、米政府はトランプ政権の圧力戦術に固執することで、「この地域で依然として誤った道を歩んでいる」と述べた。

 「残念ながら、(バイデン)政権は制裁問題だけでなく、地域政策においても、破綻した政策を継続している」

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