コロナ関連死で子供150万人が保護者失う
By Shen Wu Tan – The Washington Times – Tuesday, July 20, 2021
新型コロナウイルスの大流行が始まってから1年2カ月の間に、世界中で150万人以上の子供が、少なくとも1人の保護者を新型コロナ関連の原因で失ったことが、新たな研究から明らかになった。
これらの子供は、親、親権を持つ祖父母、同居していた祖父母を、新型コロナによる呼吸器系の病気で失った。20日発行の医学雑誌「ランセット」に掲載された研究で明らかになった。
この研究には、疾病対策センター(CDC)、ハーバード大学医学部、インペリアル・カレッジ、ケープタウン大学など、さまざまな機関の研究者らが参加している。
複数の国での新型コロナによる感染症を直接の原因とする死亡者数と、ロックダウン(都市封鎖)、医療や慢性疾患の治療を受けにくくなったこと、社会的制限、移動の制限などの間接的な原因による死亡者数を集計した。
「新型コロナによる死亡者の多くは子供ではなく大人であるため、当然のことながら注意は大人に向けられている。しかし、大人の死亡が多いことで、両親や保護者を亡くす子供が多数発生するという悲劇的な結果を招いた可能性がある。このようなことは、エイズ、エボラ出血熱、1918年のインフルエンザ流行時にも起きた」と研究は指摘している。
「新型コロナは、数週間以内に死に至る可能性があるため、親や保護者が死亡した時に経験するトラウマに対して、家族が子供を備えさせる時間はほとんどない。両親またはどちらかの親が生存している場合でも、施設への入所という方法が一般的に取られ、発達の遅れや激しい虐待を招来する可能性があることを証拠は示している」
研究では、21カ国の死亡率と出生率のデータを用いて、2020年3月1日から2021年4月30日までに新型コロナに関連して片方または両方の親が死亡し孤児となったケースと、60歳から84歳までの親権を持つ祖父母、同居する祖父母が死亡したケースの割合をモデル化した。
このようなケースは、昨年から2021年初めにかけての全世界の新型コロナ関連死の77%を占めている。
新型コロナが直接的または間接的な原因で死亡した親または親権を持つ祖父母を失った子供は、推定113万4000人に上る。そのうちの大部分に当たる104万2000人は、母親、父親、またはその両方を失っており、片親を失った子供が大部分を占める。
研究者らは、合計156万2000人の子供が、少なくとも1人の親、親権を持つ祖父母、同居する祖父母、その他の年上の親族を失ったと推定している。
この研究には参加していないが、ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターの上級研究員アメシュ・アダルジャ氏は、「この研究によって、新型コロナの大流行が残した傷跡が明らかになった。世界中で何百万人もの人々が亡くなったが、それによってこのような現象が連鎖的に発生している」と述べている。
「今回の研究は、このような恐ろしい結果を防ぐために、感染症大流行への対策を適切に行うことがいかに重要であるかを示している。新型コロナによって今後、孤児が発生するのを防ぐためには、世界中のリスクが高い人々にワクチンを接種することが重要だ」