ペロシのいかさま裁判
By THE WASHINGTON TIMES – – Wednesday, July 28, 2021
ANALYSIS/OPINION::米国民には1月6日に米議会議事堂で何が起こったか、知る資格がある。だが、ペロシ下院議長の偏見に満ちた議会特別委員会の仕事ぶりを見る限り、下院民主党多数派に期待した方がいいようだ。
トランプ前大統領の大統領職を終わらせた2020年の異様な選挙の抗議に絡む出来事に、ペロシ氏や、その他の議会の安全を任された責任ある当局者らが、どのように関与したかを明確にしない限り、出来事の完全な真相は明らかになりそうにない。
「1月6日の米議会議事堂への襲撃を調査する下院特別委員会」は、27日に調査を開始し、ベニー・トンプソン議長(民主、ミシシッピ州)に、勇気ある「議会議事堂警察」が暴動に対して取った行動の目撃証言を聞き出す機会を与えた。調査開始に当たっての彼の発言は異論の余地のないものだった。「私たちは、今、平和的政権交代が私たちの民主主義の柱としてあり続けることを確実にするために、仕事をする。私たちは、うそつきや詐欺師によって行われた取り返しのつかない仕業をあえて放置するわけにはいかない。これがアメリカ合衆国だ」と述べた。その通りだ。
委員会は、ペロシ氏がかき集めた「ネバー・トランプ」派の民主党員や、反トランプ派の共和党員らで構成され、裏の目的があることを示している。それにはトランプ氏のロシア疑惑の偽情報をでっち上げた悪名高い人物、シフ下院議員(カリフォルニア州)や、トランプの弾劾を取り仕切ったメリーランド州のラスキン下院議員らが含まれている。ペロシ氏は、共和党員らが、委員の調整を図るのを許さず、ワイオミング州のチェイニー下院議員や、イリノイ州のキンジンガー下院議員といった彼女にとって頼りになる共和党員の肩を持ち、前大統領の擁護者を退けた。
また、チェイニー氏も愛国的な語調を強めて「1月6日の暴力と原因を調査しないままにしておくことはできない。米国民は、1月6日の計画や準備のことを知っているすべての人に関する完全でオープンな証言を聞く資格がある。私たちは、ここ、議会議事堂で何が起こったか知っておかなければならない」と語った。
しかしながら、彼女が1月6日の審議に参加した背景に、抑え切れない反トランプ感情があることは明らかだ。G・W・ブッシュ政権の副大統領だった父親ディック・チェイニー氏がイラクをめぐって辣腕(らつわん)を振るい、強硬姿勢を取って、結果的には不調だったイラク侵攻をトランプ氏が激しく批判したことで、チェイニー下院議員は外交政策のタカ派として、トランプ氏を厳しく批判せざるを得なかった。
同様に、民主党が支配する連邦議会は、ワシントンでのあの不安定な1月の日に先立つ出来事に関して偏った見方をはっきり示している。議員らは2020年の投票日の訳の分からない選挙手続きの変更や、前例のない投票用紙の異常の頻発にほとんど関心を示さない。ペンシルベニア、アリゾナ、ミシガン州その他の場所で法的異議申し立てをびくびくしながら却下したりしないで、憲法を支持していたならば、寒い1月の日に、愛国心の強い米国民が、ワシントンで決起集会を行わざるを得ないと感じはしなかったであろう。
「完全かつオープンな証言」については、1月6日前に議会議事堂の敷地内の安全を確保するために国防総省から申し出があったにもかかわらず、その支援を、ペロシ氏が率いる議会の官僚が愚かにも断ったと伝えられる話の説明も必要だ。暴力を阻止したり、あるいは、暴力を扇動したりする抗議者の中に、連邦捜査局(FBI)要員が忍び込んでいたかどうかも、確認すべきである。
でなければ、国民は、真実をスルーして、事前に決まっている結論に向かってジャンプするカンガルー(いんちき)裁判を目撃することになる。