中国の「要求リスト」拒否、バイデン米政権の強硬姿勢は変わらず

(2021年11月17日)

2021年11月11日、北京で開催された中国共産党第19回中央委員会第6回全体会議に出席する習近平中国国家主席をはじめとする中国共産党中央委員会政治局常務委員会のメンバー。横断幕には「中国共産党第19回中央委員会第6回全体会議」と書かれている。新華社通信提供写真。(Zhai Jianlan/Xinhua via AP)

By Bill Gertz – The Washington Times – Sunday, November 14, 2021

 中国政府が、米国との関係改善の前提条件として、二つのリストをバイデン政権に提出していたが、バイデン政権がこれを拒否していたことが明らかになった。米国の対中強硬姿勢の軟化を期待したものだが、空振りに終わった格好だ。

 このリストは、シャーマン国務副長官が7月26日に中国・天津で中国当局者らと会談した際に渡された。リストには、関係改善前に正すべき米国の16の「誤った」政策と10の「懸念」が記されている。

 米当局者は、リストの提示は正式なものではなく、米国の対中政策に影響はないとした上で、「マルクス主義者・毛沢東主義者のしなければならない」要求リストと指摘。「一笑に付しただけでなく、一切反応していない。無視し、今後もそれは変わらない」と述べた。

 このリストは、バイデン政権が発表した協力と対立という2本立ての対中政策を受けたもの。

 バイデン政権は、トランプ前政権の対中強硬策の大部分を維持する一方で、気候変動対策などで協力を得るための懐柔策も取っている。

 ハドソン研究所の中国専門家、マイケル・フィルズベリー氏は、バイデン政権内で対中タカ派の影響力が低下していると指摘し、対中姿勢が政権内で軟化している可能性を明らかにしている。

 要求の柱は、中国のマルクス・レーニン主義政治体制への攻撃をやめること。中国外務省の趙立堅副報道局長は、7月27日の会見で、中国共産主義への攻撃をやめることが「重要事項」の一つであり、「中国の特色を帯びた社会主義への対抗、中傷、転覆の試みをしてはならない」と訴えた。

 「中国の特色を帯びた社会主義」とは、習近平体制下で進められてきた市場志向の共産主義を指し、米国を超え、国際的な影響力の拡大を目指すためのものだ。

 この要求リストは、昨年11月にオーストラリア政府に出されたものに似ている。オーストラリアのメディアで公表され、関係改善の条件として、中国企業への制限の解除、新型コロナウイルスへの中国の初期対応への調査要求の取り下げなどが含まれていた。

 だが、オーストラリアはこの要求の後、対中姿勢を硬化させ、対中経済依存からの脱却へと舵(かじ)を切る一方で、中国包囲網の一環として米英との安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」が発足した。

 リストの内容は公表されていないが、趙氏によると、

①中国が新型コロナ発生源と見なすことをやめる

②新疆ウイグル自治区でのウイグル族へのジェノサイド(集団虐殺)への批判の停止

③香港での抑圧政策への批判の停止

④南シナ海での米国と同盟国による海上・航空作戦の停止

などが盛り込まれている。

 米当局者らは、このリストは、関係悪化は戦争につながる可能性があるという政権内部の懸念をてこに、米国の対中政策を親中へと変更させようという戦略の一環との見方を示している。

米空軍、シンクタンクを閉鎖 中国の脅威分析へ影響懸念

(2026年09月26日)
2025年2月18日、韓国の坡州市(北朝鮮との国境付近)で、韓国軍兵士が有刺鉄線沿いをパトロールしている。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

米国から中東への軍派遣圧力、高まる北の脅威 板挟みの韓国

(2026年09月24日)
FBI長官のカシュ・パテル氏

FBI、中国によるスパイ活動の急増を明らかに

(2026年09月23日)
この写真は北朝鮮政府が提供したもので、1994年6月17日、北朝鮮の南浦市で西海防壁を視察するジミー・カーター元米大統領(左)と当時の金日成主席が写っている。(朝鮮中央通信/朝鮮通信社提供、AP通信経由、資料写真)

北朝鮮、個人崇拝のルーツはキリスト教 敬虔な家庭で育った金日成氏 カナダ人ジャーナリストが新著

(2026年09月22日)
2026年9月8日火曜日、モスクワのクレムリンで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がトヴェリ州のヴィタリー・コロリョフ知事代行の話を聞いている。(ミハイル・メッツェル、スプートニク、AP通信経由クレムリン・プール写真)

ロシア、硬軟交え日本に揺さぶり 中朝と関係強化、国内ナショナリズムを鼓舞

(2026年09月15日)
北朝鮮政府が提供したこの写真には、2026年9月6日(日)、北朝鮮の元山港で行われた駆逐艦「康建」の就役式に出席する金正恩総書記とその娘が写っている。北朝鮮政府が配布したこの写真に写っているイベントを取材するために、独立系ジャーナリストは立ち入りを許可されなかった。この画像の内容は提供されたものであり、独自に検証することはできない。情報源から提供された画像には、朝鮮語の透かし「KCNA」と記されている。これは朝鮮中央通信社の略称である。(朝鮮中央通信社/AP通信経由)

北の「金王朝」、危機乗り越え盤石の体制に 正恩氏後継は未定―専門家

(2026年09月14日)
2022年8月20日土曜日、中国南西部重慶市龍泉村にある貯水池では、擁壁からの漏水により貯水池の水がほぼ枯渇し、ひび割れた乾燥した泥が見られる。周囲の農地や険しく美しい山々を含む巨大都市、重慶の景観そのものが、異常に長く激しい熱波とそれに伴う干ばつによって変貌を遂げた。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影)

中国、気象を兵器化へ 軍事目的で環境を操作する技術開発

(2026年09月12日)
中央から、トルコのハカン・フィダン外相が、パキスタンのイシャク・ダル外相(右)、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル・サウド外相(右から2番目)、トルコ、パキスタン、サウジアラビアの軍および民間高官らとともに、2026年8月31日(月)、トルコのイスタンブールで開催されたメッカ共同防衛協定に基づき設立された戦略政治防衛委員会の第1回会合で記念撮影に応じた。(AP通信/カリル・ハムラ撮影)

イスラム3カ国が新同盟 米国の信頼性に懸念 中東に新たな勢力図

(2026年09月07日)
2019年2月27日、ベトナムのハノイで、ドナルド・トランプ米大統領(左)が北朝鮮の金正恩委員長と写真撮影に応じた。(AP通信/エヴァン・ヴッチ撮影)

トランプ氏、金正恩氏との再会談模索 非核化巡り溝

(2026年09月05日)
韓国統一教会の指導者である韓鶴子総裁が、2025年9月17日(水)、韓国ソウルの特別検察庁に到着した。(AP通信/イ・ジンマン撮影)

「韓国の民主主義にそぐわない」宗教指導者への実刑判決に強い非難

(2026年09月04日)
→その他のニュース