当てにならない「すぐに着工できる仕事」

(2021年11月17日)

2020年10月27日、民主党の大統領候補で元副大統領のジョー・バイデンが、集会のためにジョージア州のウォーム・スプリングスに移動するため、ジョージア州コロンバスのコロンバス空港に到着したセドリック・リッチモンド議員(左)に挨拶している。(AP Photo/Andrew Harnik, File)

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, November 10, 2021

 

 民主党は、13人の共和党員の助けを借りて先週、1.2兆㌦のいわゆるインフラ法案を可決した。バイデン政権は、これによって、来年の春には「すぐに着工できる仕事(シャベル・レディー・ジョブズ)」(オバマ大統領が2009年3月に使った)プロジェクトによる雇用創出が可能になると約束している。

 

 「大統領は、2、3カ月たったら、着工を目撃できると言った。どうやって、これから取り掛かろうとしているプロジェクトを春までに、準備万端立ち上げる確信があるのか」と、CBSのマーガレット・ブレナン記者は、今週の日曜日に、大統領上級顧問のセドリック・リッチモンド氏に「フェイス・ザ・ネイション」で尋ねた。

 

 「私たちは、楽観的で、ほとんど確信に近い」「思い出してほしい。大統領は、米国救済計画を監督していた。オバマ政権下の大不況の後のことだ。大統領はこの大不況を経験している。計画は、極めて効果的だった。彼は自分が何をしているか分かっている。これは彼の計画でもある。私たちは、それをやり遂げる管理運営の専門知識を持っている。だから、私は、それをやり遂げる自信は大いにある」と、リッチモンド氏は語った。

 

 オバマ氏の2009年の8000億㌦の米国復興・再投資法は「非常に効果的」だったのであろうか。リッチモンド氏が本気で言っているはずはない。

 

 オバマ氏の計画は、経済を刺激し、雇用を創出し、失業率を8%未満に抑えることを目的としていた。ところが、これらのどれも達成できなかった。それどころか、雇用の総数はさらに400万人減少し、失業率は10%に急上昇した。

 

 バイデン氏は、刺激策のためのカネがどのように使われたかを監視する「保安官」としての任務を負わされた。米国は、破綻した19の「グリーンエネルギー」プロジェクトで26億㌦を浪費した。その中には、(太陽光パネルメーカー)アバウンド・ソーラーの7億9000万㌦、(太陽光パネルメーカー)ソリンドラの5億7000万㌦が含まれる。

 

 LEDライトのクリー社も2009年の刺激策資金の主要な受領者でもあるが、そのカネの一部を直接中国に送っていた。そこが、米国の納税者のカネで恩恵を受けた1年後、中国の恵州市に最初の工場を開設し、CEO(最高経営責任者)は、従業員の50%以上が中国で生活し、働いている状態を自慢している。バイデン氏は、海外でグリーンジョブ(地球環境の保全・修復に役立つ仕事)創出で好評を受けているようだ。

 

 エネルギー省だけでも、無駄に使われた刺激策用資金に対して100件を超える犯罪捜査を受けた。そして、2011年までに、オバマ氏の最大の政治献金者の一部は、刺激策資金から利益を得た会社の幹部であることが明らかになった。

 

 バイデン氏自身の首席補佐官ロン・クレイン氏は2011年に、2009年の回復から生み出された雇用の数は「到底ゲームチェンジャーたり得なかった」と認め、そして、雇用審議会で「『シャベル・レディー』は、われわれが期待した通り『シャベル・レディー』にならなかった」とジョークを飛ばしたりしさえした。

 

 2010年、有権者は、そのように行き詰まった景気回復にふさわしい大規模攻撃を行い、共和党は、下院で63議席を獲得した。

 

 先週の1.2兆㌦のインフラ法案の通過にはあまり期待しないでほしい。歴史が私たちに教えてくれる何かがあるとしたら、バイデン氏が監督した巨額の政府支出は、米国の納税者からの搾取、海外への雇用流出、浪費、詐欺、金銭の不正使用などで窮状にあるということである。

 

 これが、リッチモンド氏が言及した「専門知識」なら、米国民はさらに3年もの間、立ち往生し続けるであろう。

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