動きだした司法省の中国イニシアチブ

(2021年12月22日)

ハーバード大学のチャールズ・リーバー教授は、外国の技術や知的財産に関する知識を持つ人々を中国にリクルートすることを目的としたプログラムへの関与を隠していた疑惑で逮捕され、2020年1月30日にボストンの連邦裁判所を出発した。(AP Photo/Charles Krupa, File)

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, December 15, 2021

 専門家の中には、連邦検察官らがハーバード大学の元化学部学部長であるチャールズ・M・リーバーに対して訴えを起こしたりすれば、司法省の「中国イニシアチブ」に、長期的、かつ重大なインパクトを与える可能性があると考えている者がいる。

 中国の「千人計画」関与疑惑について、米当局に虚偽陳述を行ったとして2020年1月に起訴されたリーバー氏は、武漢理工大学から得た収入を申告しなかったことと、内国歳入庁(IRS)に海外の預金口座の申告を怠ったことでも告発されている。

 司法省はウェブサイトで、例のイニシアチブは「海外での直接投資や、サプライチェーン(供給網)のセキュリティー侵害を通して行われている、外からの脅威から、われわれの重要なインフラを守ること、そして、適正な透明性もなしに、米国民や政策立案者らに影響を及ぼす隠密作戦と闘うことに、焦点を絞るものである」と述べている。また、中国のスパイ活動や、米国の研究者や科学者に対する影響をなくすことを目的としている。

 司法省は、また、経済スパイの訴追の80%近くが中国を利する活動であり、あらゆる通商上の秘密事件の60%において、共産主義国とのつながりがあると言っている。にもかかわらず、連邦議会の議員連合は、そのプログラムの解体を目指している。不公平に、アジアないし中国系の人たちに狙いを定めていると主張しているからだ。

 その活動は、カリフォルニア州の民主党員でトランプ批判派のテッド・リュー下院議員が主導している。同議員は、そのプログラムに対する一般の認識を高めるための中国系米国人のリーダーシップ・グループ「百人会」と協力している。彼は、彼らの懸念をめぐって話し合うために、メリック・ガーランド司法長官や他の連邦議会議員を含め、司法省の最高幹部と会う努力を重ねてきた。

 そのグループは、アジア系米国人が経済スパイ事件で不当に標的にされている結果となった「新たな赤い恐怖」(赤狩り)が起きたと主張する報告書を出し、そして、司法省がそれらの事件を公表してきており、そして、中国語に聞こえる名前を持つ被告に、より重い懲役刑を科していると主張した。

 百人会のオンラインセミナーに参加していたジュディ・チュウ下院議員は、政府が特に中国に焦点を絞ったことで、連邦政府の職員の目を他の国々のスパイ行為からそらすことができたのだと主張した。

 彼女は百人会で「このイニシアチブは、司法省の仕事の一つとして特定の国の名前を目立たせ、その結果、中国系で研究をしているというだけで、すぐに一生とキャリアが刑事上の有罪判決で台無しにされる可能性が出てくる。これは、より一般的には、レイシャル・プロファイリング(人種に基づいて捜査対象を選別すること)として知られているものだ」と語った。

 それでも、報告書は大きく譲歩し、次のように主張している。「こういった不釣り合いに対する正当な説明はあり得るものの、司法省が公表したスパイ事件では、欧州系の名前を持つ者より、中国系の名前を持つ者の方が多く、中国系米国人は他の人種と比べて『忠誠心』が弱いという間違ったステレオタイプを補強し得る」

 リーバー裁判の事実によって、間違いなく、「中国の千人計画」、そして、おそらく司法省の中国イニシアチブにも、より多くの光が当てられることになるだろう。しかしながら、政府のこの問題に関する統計が、それらが重要であるということを証明している以上、たった一つの訴訟によって、政府が大いに必要としている中国の諜報(ちょうほう)活動阻止の仕事に対して、良しあしの判断を下すべきではない。

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