国連の将来

(2022年3月10日)

2022年3月3日(木)、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開催中の第49回国連人権理事会で、「ロシアの侵略に起因するウクライナの人権状況」に関する緊急討論について、演説を聞くロシアのゲンナジー・ガリロフ大使(左)とウクライナのイェベニア・フィリペンコ大使(右端)。(Martial Trezzini/Keystone via AP)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, March 3, 2022

 ロシアは2月25日、国連安全保障理事会の常任理事国として、ウクライナ侵攻の停止を求める決議案に拒否権を行使した。ウクライナのゼレンスキー大統領はその後、グテレス国連事務総長に、安保理におけるロシアの投票権を剥奪するよう要請したところ、当然のことながら、ロシアの常任理事国の資格を取り消すべきだと主張する者も出てきた。

 それに異論はないが、ロシアが国連憲章を修正して自らの除籍を認めない限り、これは法的に不可能であり、重大な疑問が生じる。ロシアのプーチン大統領が現在しているような、国際法違反、戦争犯罪、無辜(むこ)の民間人の殺害などを、主要加盟国が犯すのを止めさせる力がないとしたら、国連は何の役に立つのであろうか。

 安保理は、国連の中でも最も強力な部門である。193カ国すべてが宣言のような、拘束力のない決議に投票する「総会」と異なり、安保理は、1995年にボスニアで、2004年にハイチで国連が行ったように、介入するための多国籍軍を結成し、配備するといった拘束力のある権限を有している。

 ロシアのウクライナ侵攻のような行動を、国際制度の理想主義者は最も恐れていた。今回の行動は、万能の拒否権を持つ一常任理事国が、世界が注視する白昼に、残忍な戦争犯罪を行って、他国の領土保全を侵犯するという国際連合憲章2条4項違反を犯したものなのである。

 この恐ろしい現実から目をそらし、格好をつけるために加盟国は、国連総会緊急特別会合を開催するための、「いちかばちか」の投票を行って切り抜けた。この取り繕いの「いちかばちか」の決議によって、国連は実際にロシアの拒否権を剥奪し、他の192カ国がロシアのウクライナでの行動を非難できるようになると信じるように仕向けた。

 実際、達成された動きのすべては、ロシアが拒否権を持つ安保理から、そのような拒否権が存在しない「国連総会」の1部門に投票権を移しただけだった。これは、賢明に聞こえるかもしれないが、この動きの欠点は、安保理と違って、総会は、宣言的声明を出す以上の力は持たないということである。

 ちょっとかじれるだけでも、ないよりましだ、歯形は一時的なもので、永久的な傷跡を残さないし、非常任理事国メンバーの選択の幻想を永続させることができるではないか、と主張する者も多い。簡単に言えば、この数十年のサイクルでは、ほとんどの国が、中国やロシアにしたい放題させる制度やプロセスを取り続けてきた。その間、グローバル社会もそれでよしとしているようにも見える。

 この2カ国は歴史の流れに乗っていたのかもしれないが、両国とも、他国に対して積極的に行動し、治外法権的支配を推し進めてきたので、世界は劇的な変化を遂げた。

 ロシアのウクライナ侵攻は、国連憲章の現在の構造が、現在の国際システムにおいては、問題があることを証明している。そのうち、国際社会は現状打開のための会合を開くかもしれない。しかし、問題があることを認めることが第一歩である――しかも、それは、いかに困難であっても、自由世界が、今や、たどらなければならない道のりである。

第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
2026年7月22日(水)、コンゴ共和国イトゥリ州ブニア総合病院のエボラ治療センターで、医療従事者が救急車を消毒している。(AP通信/ディロール・ロツィマ・ディウドネ撮影)

エボラ危機、中国がコンゴで影響力拡大 米国の支援減も影響

(2026年08月07日)
韓国の李在明大統領は、2026年1月7日(水)、中国・上海で韓国メディア関係者との会合で発言した。(ハン・サンギュン/聯合ニュース提供、AP通信経由)

韓国当局、保守系米国人を出国禁止に 李大統領への名誉棄損で起訴

(2026年08月06日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
→その他のニュース