下院がロシアのエネルギー禁輸を可決、上院は不透明

(2022年3月15日)

2022年3月9日(水)、ワシントンのキャピトル・ヒルで行われた週間記者会見で話すカリフォルニア州のナンシー・ペロシ下院議長。(AP写真/Jacquelyn Martin)

By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Wednesday, March 9, 2022

 下院は9日夜、ロシアからのエネルギー輸入を禁止する法案を承認した。これに先立ちバイデン大統領が大統領令によって独自の禁輸措置を発動したばかりだ。

 ロシアの石油、天然ガス、石炭の輸入を全面的に禁止する下院の法案は、超党派の圧倒的な支持を受け、414対17で可決された。

 しかし、民主党主導の上院では、大統領の権限を犯すことになるとちゅうちょする民主党議員もいるため、この法案を審議するかどうかが疑問視されている。

 この1週間、米議会からロシアのエネルギー輸入を禁止し、ウクライナに侵攻したロシア軍への資金の流れを止めるよう圧力がかかり、バイデン氏は8日に禁輸措置を取ることを余儀なくされた。

 この措置により、無鉛ガソリンの全国平均価格が連日史上最高値を更新しており、今後さらに上昇することが予想されている。9日の価格は1ガロン(約3・8リットル)あたり4.25ドルで、1週間前より60セント近くも上昇している。

 しかし、大統領の一方的な動きにもかかわらず、多くの議員はバイデン氏の禁輸令を成文化した独自の法案を通す意向を示した。下院の法案は、大統領令より数歩進んでおり、バイデン氏が制裁を解除または変更する際の条件が追加されている。

 民主党の支持者は、この法案は法的な異議申し立てに対して大統領令を強化し、議員らにとっては地元の有権者の支持が得られるという政治的勝利をもたらすと主張した。

 下院の法案は、ロシアの全エネルギー製品の禁輸に加え、ロシアの世界貿易機関(WTO)の資格停止を求める一方、ベラルーシの加盟を禁止するものだ。

 また、大統領によるロシアからの輸入再開について議会に拒否する権限を与え、大統領が外国の指導者にさらなる制裁を加えることを容易にする法律を再承認し、強化することになる。

 バイデン氏が制裁を緩和しようとした場合、議会は90日間、その行動を阻止することが可能になる。これは民主党議員の一部、特に極左議員にとっては重要だ。外交政策が流動的な中で、条件が多すぎるとバイデン氏の手を縛ることになると懸念しているからだ。

 しかし、法案に水を差したにもかかわらず、一部の民主党議員は、議会が何らかの行動を起こす必要があったのかどうか疑問視している。

 プラミラ・ジャヤパル下院議員(ワシントン州)「私は、それがどうして必要なのかが分からない。私の最大の関心事は、この戦争を止めるためにバイデン氏が取るべき選択肢を確実に残すことだ」と述べた。ジャヤパル氏は進歩派議員連盟の議長で、禁輸に賛成票を投じた。

 ホワイトハウスと議会の民主党幹部らは、ロシアのエネルギー禁輸について一致していない。

 ナンシー・ペロシ下院議長(民主、カリフォルニア州)はいち早く禁輸を公に要求したが、バイデン氏とチャールズ・シューマー上院院内総務(民主、ニューヨーク州)は超党派の圧力を受けて反対姿勢を緩めた。

 ペロシ氏は、バイデン氏の大統領令を受けて下院が禁輸に踏み切ったことで、議会とホワイトハウスの間に緊張関係が生まれるという見方を否定した。

 ペロシ氏は記者団に「いいえ、とてもうまくいっていると思う。うまくいっている。すべては時間の問題で、私たちは以前から、ロシアへの禁輸措置について話しており、大統領がそれを実行したことをとても喜んでいる。この法案には超党派の強い支持がある」と述べた。

 シューマー氏は、下院で可決された禁輸令の採決を行うことを確約していない。

 シューマー氏は記者団に「まず下院が可決した法案を見なければならない。それから政権と話し合い、石油の輸入禁止を厳しく確実にする最善の方法を見つける」と語った。

 他の民主党上院議員やバイデン氏の盟友も同様のためらいを表明した。中には、露骨な批判をする者もいた。

 バイデン氏の腹心のクリス・クーンズ上院議員(民主、デラウェア州)は、「私が誤解しているのかもしれない。もし大統領が大統領令に署名したら、なぜ下院で立法する必要があるのか。うまくいくとは思えない」と述べた。

 クリス・マーフィー上院議員(民主、コネチカット州)も同様に、議会が行動する必要はないと主張した。

 マーフィー氏は、「政権に柔軟な対応を認めるべきだと思う。議会が要求したことをやったのであり、手を縛る必要はないのではないか」と述べた。

トランスジェンダーの女性トイレ使用禁止 共和議員が決議案

(2024年11月20日)

トランプ新政権、2期目も「ハネムーン」なし

(2024年11月19日)

トランプ氏再登板は東南アジア各国に利益

(2024年11月15日)

トリプルレッド、第2次トランプ政権も政策目標達成に障害か

(2024年11月14日)

猫を飼う女性はハリス氏、犬派はトランプ氏-大統領選調査

(2024年11月12日)

トランプ陣営が次期政権の人選開始 国防長官候補にポンペオ氏の名も

(2024年11月09日)

トランプ氏の地滑り的勝利で政界激変

(2024年11月08日)

中絶反対グループがトランプ氏再選を祝福

(2024年11月07日)

ハリス氏は本当に不法滞在者の投票を望んでいる

(2024年11月04日)

トランプvsハリス 深まるジェンダーギャップ-米大統領選

(2024年11月01日)
→その他のニュース